『さいごの戦い』(さいごのたたかい、原題:"The Last Battle" )は、C・S・ルイスによる児童文学「ナルニア国ものがたり」シリーズ7部作のうち、最後に執筆・出版された作品。1956年に出版された。ナルニア年代記として時系列順にみても7番目、『銀のいす』に続くナルニア世界の最期の物語にあたる。イギリスの児童文学賞であるカーネギー賞を受賞した。岩波書店から出版されている日本語版の翻訳は瀬田貞二による。キリスト教の「最後の審判」の比喩、ハルマゲドンが物語の中で大きなウェイトを占めている。また「影の国」の奥に「まことの国」があるという世界観には、プラトンのイデア論が反映されている。衝撃的とも言える結末は非常な賛否両論を巻き起こした。『ライラの冒険』の作者であるフィリップ・プルマンは「生を放棄し、死を賛美する最悪の結末」と本書を激しく批判した。毛猿のヨコシマはライオンの皮を見つけて一計を案じ、ロバのトマドイにかぶせて偉大なライオン、アスランの振りをさせてナルニアを思い通りに動かそうとする。うまやにライオンの皮をかぶせたロバを入れ、夜、焚き火の明かりでナルニア人に遠くから拝ませて、毛猿の命令はアスランの命令だとナルニア人に思い込ませた。ナルニア人はチリアン王に至るまですっかりだまされる。もの言うけものたちは奴隷のように使役され、木の精の宿る木々が切り倒され、チリアン王自身は毛猿の命令で捕えられ木に縛られてしまう。絶望したチリアン王の、“ナルニアの友”達に向けた救いを求める叫びに答えるように、ユースチスとジルがナルニアに現われる。毛猿は、タシという神を信じる隣国のカロールメン人をナルニアに引き入れ、アスランとタシは同じものだと言い始めていた。その嘘に引き寄せられるように、いつの間にか、本物のタシの神がうまやの中に現われた。チリアン王を中心とするナルニアの勢力と、毛猿を中心とするカロールメン勢力との最後の戦いが行われる。カロールメン勢は、つかまえたナルニア人を片端からタシ神へのいけにえとしてうまやの中に放り込んでいった。追い詰められたチリアンはカロールメン人の隊長・リシダを道連れにうまやに飛び込んだ。そこにタシが現われてリシダをつかまえて消える。「うまやの中」は、実は日の光あふれる別の世界であった。チリアンは、ピーターはじめ、かつてナルニアに来たことのある人間たちに迎えられる。そこにアスランが現われる。毛猿にまんまとだまされていたと知った小人達は、二度とだまされまいと、全てを疑ってかかる。うまやの中に放り込まれたとき、そこが明るい日中だということすら、認めなかった。彼らは自分たち自身の心にとらわれていたのだった。アスランは「時がきた」と告げる。彼の「時よ!」という咆哮に答えるように、空の星々が降りはじめ、全ての生き物がうまやをめざして押し寄せてきた。生き物達は、アスランの顔を見て、二手に分かれた。一手はアスランの左に伸びる影にはいっていくものたち、もう一手はうまやの戸口をくぐってはいってくるものたち。星々は空から降りてきて天も地も空っぽになったナルニアは荒れ果て、最後にはふくれあがった海にすべてが飲み込まれてしまう。ナルニアの終焉であった。しかし、扉のこちらの世界もまたナルニアであることにチリアンたちは気づく。今までの世界が「影の国」、まぼろしのナルニアで、こちらこそが「まことのナルニア」だと。こどもたちはチリアン王やナルニア人とともにどんどん奥へと進んでいって、とうとう黄金の門にたどりつく。リーピチープに招じ入れられた彼らは、そこでナルニアの歴代の人々や生き物たちに迎えられる。アスランはこどもたちに、もう元の世界に戻る必要はないと告げる。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。