株式会社文化放送(ぶんかほうそう、Nippon Cultural Broadcasting Inc.)は、関東広域圏を放送対象地域とし、中波放送(AM放送)事業を行っている特定地上基幹放送事業者である。フジテレビジョンなどとともに、フジサンケイグループに属する。また、文化放送グループの中核企業でもある。略称は開局当初の局名「日本文化放送協会」の英称、かつ現在の局名の英称の頭文字を取ったNCBであるが現在は使用されず、1954年以降は専らコールサイン「JOQR」からQRを使用している。2016年度 ステーション キャッチフレーズは『どこでもラジオ いつでも文化放送』。ニッポン放送と共にフジサンケイグループのラジオ部門を構成し、ラジオネットワーク「NRN」のキー局を務めている。文化放送のロゴマークはいわゆる目玉マークを用いず、現在は『文化放送』および『&』をマイクに見立てて図案化した物(2015年 - )を使用している。以前は、QRと電波をモノグラム化した旧社章(1956年 - 1983年。伊藤憲治作)。『JOQR』を図案化した物(1984年 - 2006年)。アンテナをモチーフとした物(2006年 - 2015年)を使用していた。ステーション ソングは『QRソング』(1961年発表。作詞: 野坂昭如、作曲: いずみたく、原曲歌唱: ザ・ピーナッツ)。カトリック布教を目的に、聖パウロ修道会が1951年に設立した「財団法人日本文化放送協会」(NCB)が前身。開局時には「日本文化の向上を図るとともに、真善美の理想と正義、人道を基調とした健全な民主主義思想の普及、国家の興隆と民族の繁栄に資する」という理念を掲げていた。しかし、開局の際にNHKからレッドパージされた職員を大量採用した事で、労働争議が頻発。更に、宗教色に対する周囲からの警戒感や、娯楽番組の少なさによる聴取率の低迷、小出力による放送地域の狭さ、営利を重視しなかった事などから、経営状態が悪化した挙句、代表者が頻繁に入れ替わったり、「共産圏の日本向け放送ではないか」と言われるほどに放送内容に偏向をきたし、左傾、反米化していた日本労働組合総評議会(総評)に乗っ取られるという噂まで出る始末であった。これに危機感を抱いた財界は旺文社、講談社等の出版社や各界企業と協力して対抗策を講じる事にした。結果、聖パウロ修道会と聖パウロ女子修道会は局運営からの撤退を余儀なくされ、財団法人日本文化放送協会は解散した。ただし聖パウロ修道会は、2015年現在も文化放送の筆頭株主であり、役員を送り込んでいる。東京急行電鉄、旺文社、大日本印刷、小学館、講談社、東映、家の光協会等、財界・出版界の出資による「株式会社文化放送」が1956年2月13日、設立。同年2月14日、無線局免許状が引き継がれた。初代社長に水野成夫(国策パルプ工業(現 日本製紙)副社長)。会長に渋沢敬三(元日本銀行総裁、大蔵大臣)を送り込んで、再建に乗り出した。東京放送(現・東京放送ホールディングス)が、テレビとラジオを放送しているように、文化放送も財団法人時代から数回ほどテレビ放送の免許を申請しているが、周波数が足りないという理由で却下されている。後にニッポン放送との共同出資で、フジテレビジョンの設立に参加してフジサンケイグループの一員となり、現在は「フジ・メディア・ホールディングス」の主要株主である。一方で、旺文社を通じてテレビ朝日と交流していた期間が長きに渡って続いた。埼玉西武ライオンズ戦や東京国際女子マラソン → 横浜国際女子マラソン → さいたま国際マラソン中継などのスポーツ中継番組を始め、文化放送とテレビ朝日が連携しているケースが少なくないため、現在も交流は続いている。株式会社設立時から旺文社が主要株主となり、民間放送教育協会に加盟。夜間帯・深夜帯は教育、教養番組の比重が高かったが、1995年を境に番組編成を転換し、現在は文化放送A&Gゾーン(アニラジ)など、アニメファンに向けた番組が多くなり、関連ビジネスを展開している。その他、テレビ東京グループのアニメ専門チャンネル「AT-X」に出資。AT-Xの新作紹介特番を自局で放送したり、『聖剣の刀鍛冶』などのUHFアニメの製作委員会に参加している。箱根駅伝中継では日本テレビの制作協力を受け、同社のイベントに後援する事も多い。埼玉西武ライオンズの試合中継などを通じて、NACK5との繋がりがある。これらの事から、同じフジサンケイグループでありながら、フジ・メディア・ホールディングス直系のニッポン放送に比べ、グループからの独自色が強くなっている。また、かつての大株主であった旺文社が株式を手放したことで、現在は小学館が聖パウロ修道会に次ぐ出資者となっている。2003年に株式公開を目指していたが、見送られた。その後、2005年2月ライブドアが時間外取引により、ニッポン放送の筆頭株主になった事で、一連の混乱があり、現時点では株式公開への表立った動きはない。四谷(東京都新宿区若葉1丁目5番地)に所在した初代局舎・演奏所は、非常用の予備送信所を兼ねていた。竣工時は修道院兼用で、パイプオルガンや聖歌隊用の雛壇を備え、本格的な聖堂もあったが、度重なる増改築で建物は次第に宗教色を薄めていった。2006年に港区浜松町に新築した自社ビル「文化放送メディアプラス」内の新局舎・演奏所へ移転した事で、初代局舎は2006年7月24日をもって全ての業務を停止。その跡地に建てられたマンションには、非常用の予備送信所を設置している。四谷の旧局舎には出力1kWの非常用送信所が設けられ、日曜深夜に頻繁に試験放送を実施していたが、移転先の浜松町新局舎(メディアプラス)に送信設備はなく、総務省無線局免許人情報や方向探知の結果からも、非常用送信機は川口に仮設中と見られていた。旧局舎跡地はこれまで同様、聖パウロ修道会が所有。2008年4月末、文化放送が施主の賃貸マンションが落成。屋上に予備送信所が再移転した上で、5月19日開局。同日、試験放送を送出した。同マンション玄関には『文化放送 発祥の地』の碑が掲げられている。旧社屋時代は正式な住所は「東京都新宿区若葉1丁目5番地」であるが、放送では「〒160 (東京都)新宿区 文化放送 ○○係」と詳細な住所を告知せず、宛先を放送していたことがあった。川口送信所が災害発生時に放送ができなくなった時の対策や、都心部での難聴取や雑音などの解消を目的として、FM放送で補完放送を行う中継局。2014年9月3日に予備免許が付与され、東京スカイツリーに文化放送、TBSラジオ、ニッポン放送の3社が共同でアンテナを設置、2015年10月5日に試験放送を開始し、同年12月7日13時より本放送を開始した。AMでの補完目的で放送されるため、AMとFMのサイマル放送となる。2014年5月27日からJ:COMのケーブルネットワーク(「」のデータ放送の音声送信機能)を通じてのAMラジオ音声の再送信が行われている。『radiko』とはパソコン・スマートフォン向けに地上波放送と同じ番組やCMをサイマル配信するサービス。2010年3月15日の試験配信開始より参加しており、当初は南関東1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)が配信エリアだったが、同年12月1日の本サービス以降は北関東3県(群馬・栃木・茨城)でも配信されている。音声は地上波とは違いステレオで実施。2014年4月1日開始。radiko公式サイトのプレミアム会員登録(有料)を行う事で、前述の通常配信対象地域である関東1都6県外の日本国内でも、radikoを利用した聴取を可能にするもの。但し、エリアフリー配信許諾の都合上、2016年10月現在、以下のレギュラー番組放送中は1都6県外での聴取を遮断、休止している。2016年10月11日開始。文化放送で放送された番組を放送日から1週間に限り、後から聴くことができたり、SNSを通じて共有できるサービス。基本的に殆どの番組を聴取できるが、上記のエリアフリー未対応の番組は対応していない。企業・団体の名称、個人の肩書は当時のもの。出典:1961年以来、親しまれて来た、ステーション ソング「QRソング」「1134kHz」のイメージが強い。ステーション キャッチフレーズは1年 - 3年程度の期間限定で設定することが殆どであり、短命に終わったものが多い。1984年以前はQRソングに加え、「報道の文化放送」のイメージが強かった。平日の夜間時間帯は開局以来、教育番組の『大学受験ラジオ講座』『百万人の英語』が編成され、深夜の『セイ!ヤング』へと繋がっていた。FM補完中継局 PRキャラクターのキューイチローを、2015年9月より使用した。以前はステーション キャラクターの「ちゃっ太くん」を用いていた時期があった。アナウンサーは放送事業局 制作部の所属。スポーツ アナウンサーは放送事業局 報道スポーツ センターの所属となっている。『ニュース・パレード』等を担当。共同通信社との関係が深い。1963年の吉展ちゃん誘拐殺人事件では、事件発生直後の同年5月に当社のある社員が行き付けの喫茶店で「(公開された脅迫電話の)声によく似た人を知っている」という話を聞き付けたことがきっかけで、その人物(のちに犯人であることが判明した小原保)がよく顔を出すという飲み屋(愛人が経営)に張り込んで録音を伴ったインタビューをおこない、さらにその後、店にいる小原を呼び出して電話をした際の会話も録音した。この録音テープは、捜査の過程で脅迫電話の録音と比較され、小原を犯人に特定する重要な手がかりとなった。文化放送はこれを含めた一連の事件報道により、日本民間放送連盟の第14回民放大会賞において、「番組活動賞揚部門」の「ラジオ報道活動」の部で最優秀賞を受賞している。1970年(昭和45年)11月25日午前、三島由紀夫が防衛庁市ヶ谷駐屯地にあった陸上自衛隊東部方面総監部に立て篭り、決起を促す演説を自衛官達に向けて行なった後、割腹自殺した。この三島事件の模様を全て録音したのは近隣の文化放送だけだった。駆けつけた記者が、マイクを木の枝に縛り付けて録音したエピソードは伝説化している。記者会見やインタビューの際に明朝体で「文化放送」と白く書かれたマイク(三研マイクロホンのMS-5)が、テレビで映ることが多い。記者らが、ほぼ毎日書き綴るブログは他の報道機関からも、一定の評価を受けている(文化放送報道部ブログ パレードのあとで)。また、テヘランのイランアメリカ大使館人質事件では、文化放送が「世界のマスメディア3社」に選抜されて、立て篭った犯人達の肉声を、世界に向けて配信したりもした。 2010年12月1日付で、局内の組織再編が行われ、それまでの報道制作部と編成局スポーツ部は統合して、編成局 報道スポーツ制作部となった。同時に、スポーツ部所属のスポーツ アナウンサーは全て異動という形で、同制作部の所属となった。2013年4月5日付の組織改正で、報道スポーツ制作部は放送事業局 報道スポーツ センターと改称した。プロ野球中継は在京民放AM局で唯一、埼玉西武ライオンズのナイターを平日に放送しているのが、大きな特色である。ライオンズ戦がない場合でも、他のパリーグ球団の試合を中継するなどしている。土日はNRNナイターの統括局かつ関東地区担当局となっており、読売ジャイアンツ戦を中心に放送している。ライオンズ戦中継を通じた西武グループとの関わりから、2004年の西武鉄道株にまつわる証券取引法違反事件では、堤義明からの要請で、コクドより西武鉄道株式を購入していた。試合のない平日には、ライオンズの情報番組『ライオンズエキスプレス』を放送しているほか、ファン感謝イベントに司会として、アナウンサーが参加するなど、埼玉西武ライオンズとのつながりは深い。試験電波は概ね、26:30 - 28:30までの間と28:30過ぎに行われる。前者では、太田英明アナによる「"こちらは文化放送です。周波数1134kHz、出力100kWで、機械調整のための試験電波の発射中です。"」のアナウンスとともに、「カンパイ / TOKIO」「Viva! / Bond」や、文化放送に縁のあるアーティストを中心に楽曲が流されていたが、2014年頃より上記2曲を繰り返したり、オーケストラを流すことが多くなった。年に数回、四谷予備送信所から試験電波を発信する。その際は太田アナによる「"こちらは文化放送です。周波数1134kHz、出力1kWで、機械調整のための試験電波の発射中です。"」のアナウンスとともにQRソングのロックアレンジ版、インスト版と1kHzのテストトーンを繰り返し送信する。J:COMではデータ放送で再送信されているがradikoでは受信できない。後者は、寺島尚正アナウンサーのコールサイン チェックと1KHzのテストトーンを送出して、QRソングまでは無音になる。radikoでは聴取できないが、J:COMチャンネルのデータ放送では再送信されている。なお、オープニングのアナウンスは石川真紀アナウンサー(2013年4月 - )、クロージングのアナウンスは鈴木純子アナウンサー(2013年4月 - )である。いずれも、資本・人事面で直接の関係はない。
出典:wikipedia
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