『隣語大方』(りんごたいほう)は18世紀から19世紀にかけて日本と朝鮮で使用された日本語・朝鮮語の教科書である。その発刊年次は不明で同一書名の異本がいくつか存在する。四巻二冊で第一冊は26張、第二冊は28張ある。大正6年新村出博士が鹿児島県日置郡下伊集院村苗代川(現在の日置市東市来町美山)の朝鮮人帰化人の子孫から購入せしめられた。「安政6年末神無月写之朴平覚」なる識語がある。各張7行の朝鮮文に片仮名漢字交じりの日本語文を註のように小さく右に書く。『講和隣語大方抜粋』なる写本一冊が別にある。文字通りの『隣語大方』の抜粋であり、その抜粋(合計110項目)の基準はないようである。十巻五冊で縦33.2cm 横20.8cmの袋綴本。毎紙複線の匡郭があり、紙により多少異なるが平均約縦23.6cm、横16cmである。その中を界線で7行に分けている。表紙は朝鮮刊本に普通の黄褐色の染紙。左上に「隣語大方一(以下「二」「三」「四」)と直接墨書してある。書体から見て複数人によって書かれている。平仮名字体『重刊改修捷解新語』に付けられた「伊呂波真字草字並録」に見られるものを基調。九巻三冊で、天部 33張、地部 26張、人部 36張。本書各巻表紙の題簽には「外務省蔵板訂正隣語大方天(地・人)」とあり、表紙裏には、中央に「隣語大方」右に「外務省蔵版」左に「明治十五年六月印行」上に右横書で「大日本帝国紀二千五百四十二年」とある。各冊第一張目の始めには「対馬州 浦瀬裕校正増補周防州宝迫繁勝印刷」と記されてある。その他に東京大学文学部言語学研究室蔵『隣語』という写本がある。中村庄次郎氏が小倉進平博士に昭和7年8月に寄贈されたもの。内題に「隣語大方」とある。明治初年、対馬厳原に設立されて朝鮮語学所での教科書は『交隣須知』『隣語大方』を各自筆写したもので、これもそのひとつであろう。黒墨5張。漢字諺文交じりの朝鮮文10行。『隣語大方』に用いられる日本語は「歴史的仮名遣い」から「発音的仮名遣い」へ移行する過渡期であり、同一の語をあらわすのに表記のゆれが見られる。
出典:wikipedia
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