『歯車』(はぐるま)は、芥川龍之介の小説。芥川は1927年(昭和2年)服毒自殺を図るが、生前に第一章が雑誌「大調和」に発表され、残りは遺稿として発見された。『河童』、『或阿呆の一生』、『侏儒の言葉』と並ぶ晩年の代表作で、遺稿中では唯一の純粋な小説である。執筆期間は1927年3月23日から4月7日までとされる。ストーリーらしいストーリーはなく、芥川を自殺に追い詰めたさまざまな不気味な幻視、関連妄想が、息も絶え絶えのような短いセンテンス、衒学的な文体によって描かれている。「僕」は知り合いの結婚披露宴に出席するため東京のホテルに向かう途中、レエン・コオト(レインコート)を着た幽霊の話を耳にする。その後事あるごとに季節はずれのレエン・コオトが現れ、「僕」は段々と不気味になってくる。披露宴後そのままホテルに逗留して小説を執筆しだしたとき、「僕」は、義兄がレエン・コオトを着て轢死したことを知る。レエン・コオトだけでなく、復讐の神、黄色いタクシー、黒と白、もぐらもち(もぐら)、翼(飛行機)、火事、赤光など、過去の罪の残像とも、死の予告とも知れないものが繰り返し現れることに、「僕」はおびえ、苦しみ、夜の東京の街を逃げ回るように彷徨する。ときおり「僕」の視界には半透明の歯車が回るのが見える。やがて「僕」はホテルを出て、家へ帰るが、激しい頭痛をこらえて横になっていると、妻は「お父さんが死にそうな気がした」と言う。芥川の最高傑作との評が多い。一方で、書きすぎて雑音があるとする久米正雄、宇野浩二、徳田秋声の評もある。
出典:wikipedia
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