『折々のうた』(おりおりのうた)は、大岡信が1979年1月25日から2007年3月31日にかけて、『朝日新聞』朝刊第1面にて連載していたコラム。また、これをもとにした同名の書籍。日本語(翻訳を含む)の短歌、俳句、漢詩(読み下し)、川柳、近現代詩、歌謡のなかから、毎日1つをとりあげ、それに対する解説を行うというものである。『朝日新聞』の創刊100周年を記念してスタートした。著者によると、前年の暮秋に学芸部から、200字程度のスペースで毎日、詩歌の鑑賞を行うようにとの依頼があったという。これに対して著者は当初、難色を示していたものの、「採りあげる作品を短歌、俳句に限らない」という条件で連載をはじめた(『折々のうた』岩波新書版)。引用する作品は2行まで、解説部分は180字までという制約の中、2年ほど連載しては、1年休載するというペース(連載末期には1年ごとに休載)で続けられた。全6762回。『万葉集』や松尾芭蕉などの著名な古典はもとより、出版されてまもないもの、小中学生によるもの、時事問題を扱ったもの、他分野の著名人が残したもの、外国人によるものからも選ばれており、その博捜ぶりには定評があった(一例として、『現代詩読本 大岡信』思潮社におさめられている向井敏「紙上の花吹雪――『折々のうた』書評」)。新聞のトップに、詩歌についてのコラムが置かれるのは、日本はおろか世界的にも異例のことだったようで、実際、海外の詩人やマスコミからも驚かれたという話を大岡はしている。このようなコラムが可能なのも、日本に短詩型文学の伝統があってこそのことだとも書いている。また1983年からは『折々のうた 講演会』が年4回行われていた。当初は丸の内の東商ホールでの開催だったが、1984年10月に有楽町朝日ホールがオープンして以降は、朝日ホールに会場を移して2007年7月3日開催分まで全98回行われた。岩波新書から『折々のうた』全10巻、『新折々のうた』全9巻が刊行されている(『折々』シリーズ、『新折々』シリーズそれぞれの総索引も出版されている)。また、朝日新聞社からは『新編折々のうた』として単行本版5冊、文庫版6冊、Katydid Press と講談社インターナショナルからは、ジャニーン・バイチマンによる英訳版が出版されている。岩波新書版では、評釈部が210字までとなっており、その範囲内で新聞掲載時の文章に手を入れている。
出典:wikipedia
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