回復体位(かいふくたいい、英語:recovery position)とは、応急処置において要救護者の処置後(一次救命処置と二次救命処置の間など)に取らせる姿勢のこと。回復体位は、救急医療などの現場に於いて失神している・または「意識がもうろうとしている」など意識障害のある要救護者の生命の安全を図るためのもので、急な様態の変化などが起こっても大事に至らないよう配慮された姿勢である。姿勢としては図に示したとおり横向け寝であるが、横向け寝一般と異なる点として、頭をやや後ろに反らせて、できるだけ気道を広げた状態に保つ。また無意識に寝返りしたり痙攣して仰向けやうつ伏せになったりしないよう、膝は軽く曲げ、腕は下側の腕は体前方に投げ出し、上側の腕でつっかえ棒をする要領で横向け寝状態を支えるようにする。横向け寝が推奨される理由としては、仰向けにすると嘔吐によって胃の内容物が出てしまった場合に気道を塞いで窒息するおそれがあるためで、これを予防する上で嘔吐にも対応し易い体制をとらせるものである。また呼吸も仰向けより横向き寝のほうが負担が少なく楽であるなどの理由もある。なお戸外やコンクリート床などの上に寝かせると、ことのほか地面に体温を奪われ体力を消耗し易い。衣服でも新聞紙や段ボールでも、可能な限り要救護者の下にひいて体温が奪われるのを防いだほうが良い。適用される状態は、熱中症や外傷によるショック状態・溺れて人工呼吸などにより息を吹き返した後などである。また狭心症など何らかの発作を起こし必要な薬を与えられて様態は安定するも心身ともに疲れきっている場合などにも同じような体勢で休ませることがある。熱中症では体温を下げるために着衣を緩め風通しを良くして濡れタオルなどを宛がった状態で、外傷では止血して出血が収まった後にこの姿勢をとらせる。各々の応急処置の詳細内容は、それぞれの項を参照してほしい。泥酔状態(急性アルコール中毒)でも突発的に嘔吐することがあるため、酔って寝込んでしまった場合にも望ましい姿勢である。一端この姿勢で休ませた後、意識や気力が回復して自力で移動できるか救急車など病院への輸送手段が到着するのを待つなどする。二次災害を予防する上で、この姿勢をとらせるのはしばらく休ませておける安全な場所に限られる。例えば交通事故などでは要救護者を事故車から十分離した歩道や道路脇まで移動してから、熱中症では涼しい木陰や建物の中など直射日光が当たらない場所、火災や地震などでは倒壊や出火・延焼する恐れのある建物から十分離れた場所である。場合によっては風雨に晒されない場所が望ましく、戸外で周囲に休める場所が無い場合(戦場や遭難している状況など)ではテントやシェルターの設置を含めて考慮する必要もある。落ち着いて休めるよう、できれば少しでも静かな場所が望ましい。ただし転落の危険があるため、階段の上やベンチの上など高い場所は要注意である。なお様態が急変した場合に備えて、できる限り目を離さない方がよく、戸外の場合では応急処置が済んで助けを他に呼びに行く場合でも、状況に対応できる者を近くに残したほうがよい。どうしても状況が許さない場合は、木陰やテントないしシェルターなど、最低限環境から身を守れる場所でこの体位を取らせる。
出典:wikipedia
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