ヒーローインタビューとは、団体スポーツにおいて、試合で活躍し勝利に貢献した選手に対して試合終了後に会場で行うインタビューのことである。当該試合の放送権を持つ放送局が実施する「フラッシュインタビュー」の一種として実施されている。ヒーローインタビューを最初に始めたのは、日拓ホームフライヤーズから身売りによって変わったばかりの日本ハムファイターズ、1974年のこと。背景には当時黒い霧事件などの影響でパ・リーグ全体の観客動員が低下しており、観客席を盛り上げようとファンサービスの一環として始めたものであった。試合で勝利した後に球団職員がインタビュアーとなって選手1人を呼び出してインタビューを行うものであったが、あまり定着せず早々と終わった。だが、そのヒーローインタビューがメディアに着目され、1970年代後半に試合の中継を担当した放送局のアナウンサーがインタビュアーとなる現在の形が出来上がった。そしてこれがプロ野球、さらにスポーツ界全体に広がっていった。試合終了後、その試合の勝利に貢献した選手をメディアが1、2名選んで行う。例えば野球の場合、決勝打を打った、あるいは最も多く打点を挙げた選手や、勝利投手などが選ばれる。ホームチームが勝利した場合のインタビューでは大人数が呼ばれることもある。アウェー(ビジター)チームが勝利した場合、2人以上呼ばれることは基本的にない。複数名の場合、1人ずつインタビューを行う。マン・オブ・ザ・マッチ(当該試合の最優秀選手賞)が設けられている場合はその選手が対象となり表彰式と併せて実施されることが多い。選手によってはインタビューを受けるのみならず様々なパフォーマンスを披露することもある。優勝決定戦や国際試合などでは勝利監督インタビューも合わせて行う(チームや放送局によってはレギュラーシーズンの公式戦でもスタジアム内通路のフラッシュインタビューゾーンなどで独自に監督インタビューが放送される場合もある)。ヒーローインタビューは勝利チーム側のベンチや応援席のファンが多くいる前、野球では当該チームの内野スタンド前(読売ジャイアンツの東京ドームや広島東洋カープの旧広島市民球場・マツダスタジアムでの開催ではホームベース付近)、サッカーではメインスタンド前(横浜F・マリノスの日産スタジアム・ニッパツ三ツ沢球技場での開催ではゴール裏)で通常行われる。屏風が付いた可搬式の小型ステージ上でインタビューを受けることから「お立ち台に立つ」という表現が使われることが多い。ただし、お立ち台があるのは原則としてホームチームの選手がインタビューを受ける場合のみであり、また地方開催ではホームチームであってもチームや開催地によってはお立ち台がない場合もあるが、お立ち台がない場合も含め、ヒーローインタビューを受けること自体を指して「お立ち台(に立つ)」と称することも多い。北海道日本ハムファイターズ・福岡ソフトバンクホークスの場合はインタビューされる選手をウグイス嬢又はスタジアムDJがコールし、選手が使っている登場曲でお立ち台へ向かう。基本的には試合を中継したテレビ・ラジオ局が同じヒーローインタビューを流しており(ただし主に地上波民放テレビでは放送時間の都合により実況アナウンサーが「インタビューの途中ですが…」と言い音声を切り替えて飛び降りる場合もある)、インタビュアーは通常、それらの局のアナウンサー(主にレポーター)から代表して担当する(プロ野球では主にその日の地上波テレビ中継を行う放送局の担当アナウンサーが多い。Jリーグではスカパー!向け中継のレポーターを出す)が、プロ野球では読売ジャイアンツ・阪神タイガースなど球団によってベンチレポーターとは別のアナウンサーを出すこともある。また、チームによってはスタジアムDJがインタビュアーを担当する場合もある。外国人選手の通訳は所属チームの専属が務める。現在では横浜DeNAベイスターズの「第二ヒーローインタビュー」のように独自に選手を選んでインタビューを行う場合もある。また、J1リーグではスカパー!とは別に地上波などで中継される場合、別々にインタビューが行われる場合もある(この場合、一方はスタンド前、もう一方はフラッシュインタビューゾーンでインタビューを行う)。大型映像装置(オーロラビジョンなど)を完備している会場ではインタビューの様子が映されることが多い。2005年頃からは、ホームチームが勝利した場合に球団マスコットのぬいぐるみなどを付けたマイクをヒーローインタビューに使用している球団も出てきている。また、現在ではお立ち台に、スポンサーロゴが描かれたインタビューボードが付いている場合、あるいはチアリーダーやマスコットが整列してインタビューを盛り上げる事もある。さらに、抽選で選ばれた観客に対して、インタビューを間近で楽しんでもらい記念撮影もするというファンサービスを施すチームもある。なお、インタビューを始める際に「放送席、放送席」と連呼するが、これは中継放送中にインタビューを挿入するための各局音声スタッフに向けての合図であり、1回目でボリュームを上げて2回目で確認を行っていたためである(1回目は音声スタッフのみが聞くことができた)。現在ではインタビュー前に音声側の準備も進めているため、必ずしも連呼することはなくなっている。一方で、「放送席、放送席、そして○○ファンの皆様」(○の中には勝利チーム名が入る)などと観客及び視聴者に向けても呼びかける場合もある。北海道日本ハムファイターズでは放送席といわず「(主催球場)にお越しのファイターズファンの皆様、そして北海道・全国のファイターズファンの皆様」などの文句から始まる(北海道コンサドーレ札幌のホームゲームにおいてヒーローインタビューを担当するSTVアナウンサーの文句もほぼ同じである)。ヒーローインタビューが試合会場内に流れるのは基本的にはホームチームが勝利した場合に限られる。場内に流れない場合はテレビ・ラジオの放送でしか聞くことはできない(放送局によっては、ホームチーム敗戦時はテレビ・ラジオでも放送しない場合がある)。ただし、一部の会場ではファンサービスとしてアウェー(ビジター)チームが勝利した場合もヒーローインタビューが場内に流れることがある。2002年頃にパ・リーグの試合でビジターチームのヒーローインタビューを流すようになった。一時期、日本ハム、ロッテ、ソフトバンクの3球団はホームチームのファンへの配慮からビジターチームのヒーローインタビューを場内に流すことを原則として取りやめていたが、現在では全てのパ・リーグ球団の主催試合にてビジターチームのヒーローインタビューが場内に流れている。セ・リーグではパ・リーグに追随する形でビジターチームへのヒーローインタビューを場内に流すようになり、2015年現在、DeNA、ヤクルト、巨人、中日がビジターチームへのヒーローインタビューを場内に流している。しかし、阪神と広島は常にホームチームのファンが圧倒的多数であるためか2015年現在、場内に流す形でのヒーローインタビューは行っていない(広島は2012年シーズンは実施していた)。なお、流す球場でもホームの時に比べて音量を抑えたり、ビジョンにインタビューの様子を映し出さないなど、ホームチームのファンに対し一定の配慮をしている場合が多い。ビジターチームがその試合を以って優勝を達成した場合や勝利したビジターチームに属する選手がその試合で大記録を達成した場合、原則ビジターのインタビューを流さない会場でもヒーローインタビューが場内に流されることがある。一例として、中日の主力打者・立浪和義が自身のプロ1年目と開場1年目が重なる(巨人の本拠地)東京ドームで2000本安打を達成した2003年7月5日、山本昌・大塚晶文のリレーで中日が勝利した事もあり、ドーム側の配慮でドーム全体に聞こえるヒーローインタビューが行われた。基本的にアウェーチームのヒーローインタビューは場内には流れないが、2003年のJ2神奈川ダービーの試合においては、アウェーのヒーローインタビューも場内に流されたことがある。ヒーローインタビューは、以下の場合には原則として行われない。個人競技の勝者に行うものは「勝利者インタビュー」と呼ばれる。勝利者インタビューは表彰式と併せて行うことが多く、競技によっては表彰台でインタビューする場合もある(F1など)。プロボクシングではリング上で勝利者インタビューを行うが、タイトルマッチで引き分けに終わった場合でも、チャンピオンの防衛となるためインタビューは行う。一方、チャンピオンが計量で失格になり王座剥奪されるも試合に勝利した場合は、王座は空位になるためインタビューは行われない。また、世界タイトルマッチで早いラウンドでKO勝利を上げるなど放送時間に余裕がある場合は、実況席に招いて、あるいは控え室と中継を繋いで実況担当アナウンサーと談話を交わすこともある。中央競馬では「勝利ジョッキーインタビュー」として重賞競走が実施される場合に行われるが、地上波でのテレビ中継の放送時間を踏まえた検量室でのテレビ用のものと、グリーンチャンネル・BS11などで使うJRA公式映像、並びに会場のファンに向けて、ウィナーズサークル(GIクラスは芝馬場)で開催する一般公開用の2回行われる。なお、2013年の有馬記念などでは、表彰式典の前座にウィナーズサークルで優勝騎手の公開インタビューが実施され、これは地上波でも放送された。日本国内の主要マラソン大会では上記の勝利者インタビューに加え、(特にオリンピックなどの国際大会選考レースを兼ねる場合)日本人最高位の選手に対してもインタビューを行う。ただし、中継放送終了が迫っている場合は後者のみとなる場合が多い。放送時間に余裕がある場合、もう1人上位(大抵は2番手)の日本選手に対してもインタビューを行うこともある。また、ゴール付近に放送用ブースがある大会では、日本選手最高位を放送席に呼び実況アナウンサーらと談話を交わす場合もある(日本選手優勝の場合は表彰ステージでインタビューを受けた後に放送席に呼ぶ)。日本陸上競技選手権大会では各種目の優勝者が決勝終了直後にNHKのアナウンサーからインタビューを受けるが、オリンピック選考会を兼ねる場合は参加標準記録を満たして出場が内定あるいは濃厚とされる選手のみ受ける。なお、派遣設定記録が新設された2013年からはこの記録を期間中に満たせば8位以内でも内定が得られるため、その際にインタビューを受ける場合もあり、同年の男子100mでは優勝した山縣亮太に加え2位ながら派遣設定記録を既に突破していた桐生祥秀もインタビューを受けた。日本選手権水泳競技大会では国際大会選考レースを兼ねる種目において優勝者に加えて出場内定を獲得した選手がインタビューを受ける。大相撲では通常は横綱・大関に勝利した力士が、NHKのアナウンサーからインタビューを受け、千秋楽では優勝・三賞受賞力士も受ける(今場所における幕内の勝ち越し第1号でも受ける場合あり)。優勝力士の場合は「優勝インタビュー」という。幕内優勝インタビューは以前は他と同様控え室で受けていたためテレビ・ラジオでしか聞けなかったが、現在では表彰式の賜杯授与の直後に土俵下で公開されている(千秋楽前日までに優勝が決まった場合は、これまでどおり控え室で受けている)。珍しい例では、千代の富士貢が1,000勝を達成した際にインタビューを受け放送された。女子の場合は「"ヒロインインタビュー"」となるのだが、女子の団体プロスポーツが多くないことと語呂の悪さもあり一般的な呼称とはなっていない。女子のスポーツ大会にもかかわらず、インタビュアーが「それではヒーローインタビューです。」と言ってしまう事例も存在する。現在日本女子プロ野球機構においては「シンデレラインタビュー」と呼んでいる、阪神甲子園球場で開かれる高校野球全国大会では1回戦-準決勝までは、テレビ放送、及び新聞マスコミ用のみに球場内の通路に設えたインタビュールームを使い、勝利監督はNHKの、勝利チームの殊勲者1・2名は民間放送(選抜高等学校野球大会は毎日放送、全国高等学校野球選手権大会は朝日放送)のアナウンサーが行い、放送においてもNHKは監督、民放は殊勲者のインタビューのみを放送する(放送されなかった側の局はアナウンサーが談話を代読する)。準決勝のみ、NHKは勝利監督のインタビュー後に選手のインタビューをし、民放は選手のインタビュー後に勝利監督のインタビューをする。但し決勝戦はこの体裁をそのまま生かした形で、場内ベンチ前にて公開共同インタビュー(式次第は優勝監督→優勝チームの殊勲者若干名)で行われる。全国高等学校サッカー選手権大会では勝利校へのインタビューは全部の試合とも放送のほか、会場の場内放送にもそのまま流れる。準々決勝まではその試合でベンチレポートを担当した共同制作43社のアナウンサーの代表(大抵は地元の参加局のアナウンサー)、準決勝以後はベンチ・応援席レポーターとは別のアナウンサーが進行する(但し録画中継である場合は、PK戦にもつれた時、放送時間の都合で一部編集・割愛する場合がある)。全国高等学校ラグビーフットボール大会では勝利校へのインタビューはMBS、J SPORTSそれぞれ分かれて行う。MBSは会場で場内放送にも流れるインタビューを行うが、J SPORTSはインタビュールームにて、当日最終戦を除き後続試合ハーフタイムに行われる。決勝はMBS・J SPORTS共同で行う。駅伝では優勝チームインタビューとして、アンカーのみならず全走者のうちインタビューまでにゴールに到着した選手(アンカーの1区前走者がいない場合が多い)、それに監督も加えてインタビューを受ける。2010年代以後ヒーロー、あるいは優勝者はその勝者インタビューの前後に、テレビカメラのレンズに自らのサインを添える行為も多くみられている(元々は1990年代よりテニスで広まっていたパフォーマンス)。
出典:wikipedia
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