『超力戦隊オーレンジャー』(ちょうりきせんたいオーレンジャー)は、1995年(平成7年)3月3日から1996年(平成8年)2月23日まで、テレビ朝日系列で毎週金曜17:30 - 17:55(JST)に全48話が放送された、東映制作の特撮テレビドラマ、および作中で主人公たちが変身するヒーローの名称。本作品から、改めて『秘密戦隊ゴレンジャー』『ジャッカー電撃隊』の2作品がスーパー戦隊シリーズに含められた。これにより本作品は『ゴレンジャー』から数える形で「スーパー戦隊シリーズ20周年記念作品」として放送され、シリーズの転換点となった。モチーフには「古代文明」が選ばれ、動物型メカのようにわかりやすい形でデザインに落とし込んでいる。また、オーレンジャーは神秘的な「超力」を備えた戦士であるため、ゴーグルの意匠「★■▼〓●」はESPカードを元にしているという文献がある一方で、鈴木武幸プロデューサーは、それぞれ数字の「5、4、3、2、1」を表しており、超力とは超能力のような非科学的なものではなく、科学の粋を集めた力なのでESPカードとは趣旨が異なるという旨の発言をしている。作中の時代設定は1999年と設定されている。原点回帰を念頭に、戦闘のプロ集団である『ゴレンジャー』などと同じくメンバーを職業軍人と設定し、メンバーがレッドを「隊長」と呼ぶなど、ハードな作風が指向された。また『カクレンジャー』などで行われていたレッドの非リーダー化、名乗り上げの中心をその回の主役が行うといったパターンを廃し、従来のレッドはリーダー、誰が主役であろうとレッドが中心という『ジュウレンジャー』以前のパターンも復活している。その傾向はオープニングの出演者紹介にも反映されており、レッドが単独で紹介されるのに対して、グリーンとブルー、イエローとピンクは2人まとめて紹介されるというシリーズ中でも珍しいフォーマットとなっている。スーパー戦隊シリーズ最後の東通ecgシステムを採用した作品となった。シリーズ20周年ということもあり、1995年3月21日には関東・関西ローカルながらも戦隊をメインとしたバラエティ特番『不滅の戦隊ヒーロー大全集』が放送された。だが放送開始前後にカルト教団・オウム真理教が引き起こした、地下鉄サリン事件などの「フィクションを凌駕するような現実の悪の出現」という社会情勢に影響される形で、当初のハードでシリアスな路線を途中で断念し、コミカル要素の導入を余儀なくされることとなった。『特撮 NEW TYPE THE LIVE』2012年1月号で、高寺重徳は制作途中に役者側から路線変更によるキャラクターのブレに関して「どうしたらいいのか」と相談され、それを上手く作品に反映出来なかったのは悔しかったと語っている。平均視聴率は4.5%と伸び悩んだが、商品面での売り上げ(ロボットや武器以外の関連グッズを含んだ売り上げ)は歴代戦隊では最高(鈴木プロデューサー談)であり、総売上額151億円・内バンダイの玩具売上額も80億円と歴代の戦隊の中でも非常にハイレベルな数字を残している。東映の大坪通夫によると「他の番組が大人をターゲットとするのに対し、作品を3 - 6歳に特化し、子供に対し非常にわかりやすい作品にしたことが玩具成功の要因」であり、メインターゲットである子供たちの支持を受け、商業展開としては成功を収めている。6億年前に存在した超古代文明。その副産物さである機械生命体が突如反乱し、暴動が鎮圧してから幾壮年。西暦1999年、月面にその拠点を置くマシン帝国・バラノイアは地球支配を果たすべく再び人類に宣戦布告を 行う。全面降伏に応じない人類に対して世界の各都市に壊滅的打撃を与えたバラノイアの次のら標的は日本に向けられた。だが人類はこの脅威に屈することなく国際空軍(U・A)のメンバーからの選抜チームさ、 「U・A・O・H=オーレンジャー」を編成。超古代文明が残した「超力」を武器にバラノイアに立ち向かう。人間と機械の戦いは、6億年前の英雄キングレンジャー/リキや、謎の魔神ガンマジンの参戦、そしてバラノイア内部の内紛と世代交代を経て、より激しさを増していった。超古代文明の残したロストテクノロジーを利用して戦う国際空軍の特別チーム。通常オーレンジャーと言った場合こちらを指す。全員が超力を操り、投射される力の形は自身のゴーグルとスーツデザインに反映する。U.A.O.H.とは、"the United Air force OHranger"の略称。英語の略語としては最後のHにも.が付くのが正しく、国際空軍所属車両の一部でもU.A.O.H.と表記されている。変身前の5人の名字には超力の形である文字が含まれており、桃だけ名前にパーソナルカラーも含まれている。地球を支配し、人間を奴隷にしようと企む冷酷無比な機械生命体の帝国。古代地球文明が作り出した一体の機械生命体を始祖として設立した。住民はマシン獣と呼ばれる種族。外宇宙にあるバラノイア星を本土としているほか、ドローラ星などの他惑星にも侵略の手を伸ばしている。帝国には人間や動物などの有機生命体は一切存在せず、無機物のみによって構成されているが、アチャやマルチーワなど一部は人間の姿に化けることができる。繁殖方法は文字通り「作る」ことであり、解っているだけで夫婦の性能を組み合わせた次世代を作るか、作戦の都合で作られた者がそのまま一般市民扱いされている。皇帝自らが地球侵攻の総指揮を執っており、月の裏側の巨大な前線基地に常駐している。その基地から直径1000メートルの巨大戦闘空母・バラクティカに乗せて、マシン獣や戦闘機タコンパスを出撃させる。終盤において暗黒素粒子の力でオーレンジャーに完全勝利し、地球侵略を成し遂げ、地球支配を果たすことに見事成功した。しかし半年後、復活したオーレンジャーとキングレンジャー、ガンマジンにより、カイザーブルドントたちが倒され、マシン帝国は完全に滅び去った。なお、46話から47話までの間に半年が経過したのは地球と宇宙では時間の流れが違うため「ウラシマ現象」が発生したためである。 アチャとコチャなどを除く幹部たちのネーミングはいずれも犬の名前をもじったものとなっている。オーレンジャーの力の源は「TH(テトラヒドロン)エネルギー」である。これは空気や大地などあらゆる場に満ちる大自然のエネルギーで、いわゆる「ピラミッドパワー」も、THエネルギーの一種とされる。元々THエネルギーには生物の細胞を活性化させる作用があるが、ある種の適性を持った人間に限り、THエネルギーによって内在的な力が引き出され、特別な能力を発揮するようになる。この力を「超力」と呼ぶ。超力は人間の身体能力を30 - 40倍にも高めるほか、様々な超常現象を引き起こし、死者を蘇らせることさえあるという。Vシネマ『激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー』では「5人揃わないと超力が全開しない」という裕司の台詞があるが、テレビ本編ではそのような描写はなく、裕司 = オーブルー1人でバラノイアのマシン獣・バラリベンジャーを倒す場面もある。各自のゴーグル部分に手を当てることで取り出し、それぞれの図形が盛り込まれている5人の専用武器。超力を集中することで必殺技を発動する。スターライザー以外は第2話から登場。第6話・第7話から登場。5人がそれぞれ操縦するマシン。超力の5つの古代遺跡に刻まれた伝説上の動物や古代の像をモチーフにしている。多くの場合はスカイフェニックス、そして後述する牽引形態のタウランダーとレオローダーによるチャリオットフォーメーションで出撃するが、牽引されている2機も単独での走行は可能。当初は三浦参謀長が開発していたが、彼がバラノイアの手中に落ちてしまい、最終的にオーレンジャーの5人がマニュアルに従って完成させた。操縦席にストレージクリスタルを装着することで性能が上昇する。これら5機はオーレンジャーロボへの合体機構を持つ。第33話から登場。5人それぞれに配備されたロボ。各オーレンジャーのパーソナルマークを模した姿をしている。オーレンジャーの個人武器とキングスマッシャーを有し、胸部からはビームを発射。合体技として、5体が胸から同時にビームを発射するブロッケンファイヤーがある。三田裕司役の合田雅吏、丸尾桃役のさとう珠緒(放送当時は珠緒)の出世作となった作品であり、この両者の成功はとりわけ芸能界で大きな注目を集めた。星野吾郎役の宍戸勝はメンバーで唯一子役から活動している。スーパー戦隊シリーズは本作品以前から、若手アクション俳優の登竜門的存在としてそれなりに意識されていたが、これ以降オーディションへの応募者が増加し、特に戦隊メンバーの配役については競争率が上昇するなど、まさに狭き門となっていった。現在では俳優や俳優志願者はもとよりモデル、グラビアアイドル、さらには元スポーツ選手まで多種多様な若手芸能人がオーディションに参加している。リキ役には当時中学1年生だった山口将司を起用。この他、『ゴレンジャー』『ジャッカー』に出演していた宮内洋が戦隊の指揮官として起用された。本作品の敵組織であるバラノイアは、レギュラーが着ぐるみのキャラクターのみで構成される組織であり、その影響もあって多数の声優が起用された。ナレーションには『ゴレンジャー』等のナレーションを務めた田中信夫を起用したが、それまでの作品よりもナレーションの出番が少なかった。脚本陣はメインライターに4作続行の杉村升を中心に、上原正三、高久進、曽田博久、井上敏樹と、いずれも当時までの歴代スーパー戦隊シリーズでメインライターを務めた実績のあるメンバーが全員集結し、とりわけ曽田は5度に渡る新ロボ登場の回を担当している。このうち杉村、上原、高久の東映特撮作品への参加は本作品が最後となった他、演出陣では東條昭平、小笠原猛といったメンバーが本作品を最後にスーパー戦隊シリーズを退き、監督キャリアが15年に及んだ小笠原にとっては最後の監督参加作品となった。またプロデューサーも、『太陽戦隊サンバルカン』以来長年に渡り本シリーズに携わり、長寿番組へと導いた鈴木武幸が本作品を最後に引退し営業に専念することになった他、シリーズの基礎を築いた吉川進プロデューサーも、本作品の終了後東映を定年退職し東映ビデオに移った。その反面、現在の東映特撮演出陣の中心メンバーである田﨑竜太がデビューし、長石多可男が『地球戦隊ファイブマン』以来4年9ヶ月ぶりに監督に、山岡淳二が『光戦隊マスクマン』以来8年ぶりにアクション監督でシリーズに復帰を果たすなど新旧交代著しい作品となった。当初、長石は番組序盤から参加予定だったがVシネマの制作スケジュールの関係で序盤からの参加が叶わず、半年遅れとなる第32話からの参加となった。キャラクターデザインは阿部統やマイケル原腸が前年より引き続き起用された他、大畑晃一、森木靖泰、原田吉朗といった東映特撮とも縁のあるデザイナーが脇を固める形となった。このうちメインデザイナーの阿部以外は、同時期の『重甲ビーファイター』にも並行、あるいはスライドする形で参加している。敵組織であるバラノイアのデザインは「スチームパンク」というキーワードを元に、アール・デコの要素も取り入れられるなどレトロな方向性が押し出されているのが大きな特徴となっている。劇中音楽は東映作品でも馴染みの深いベテランの横山菁児が担当。サントラは「交響組曲」の体裁が採られ、シリーズ初の海外(フランス・パリ)でのフルオーケストラ録音が行われた。挿入歌でもオーレンジャーロボのテーマソングの作曲を『大戦隊ゴーグルファイブ』以来の参加となった渡辺宙明が手がけた。特番などによる放送休止・順延は以下の通り。東映スーパーヒーローフェアの一編として上映。同興行にて最後に上映されたスーパー戦隊の劇場版でもある。キャッチコピーは「超力変身! 地球はオレたちにまかせろ!」監督の「こばやしよしあき」は前作『カクレンジャー』にも参加した小林義明と同一人物であり、諸般の事情から平仮名表記となっている。同作品に登場した怪人のうち、ジャグチャックはのちのTVシリーズ第31話でバラジャグチとなって復活、その際に同作品の出来事についてもわずかながら言及されている。作品的には反戦色の強い不条理劇といった趣であり、戦隊シリーズの劇場用作品としてはひと際異彩を放っている。詳細は各項目を参照。『オーレVSカクレンジャー』以降、これらVシネマ作品はスーパー戦隊Vシネマとして定番化した。後楽園野外劇場で全6公演行われた。ビーファイターは夏以降最終公演まで出演した。特に最終公演ではシャドーの死などもあり、オーレンジャー達よりもドラマの中心を担うことが多かった。最終公演・最終日のみ土屋圭輔と土屋大輔が共演し、最後の舞台挨拶はTV俳優が総勢15名登場した。後楽園ゆうえんちの後楽園野外劇場でのオーレンジャーショーでは、当時20周年としてゴレンジャーとの共演を果たした(同時期『重甲ビーファイター』の共演も含む)。これまで『バトルフィーバーJ』以来後楽園でのスーパー戦隊ショーではスーパーヒーロー大集合と題された、現役戦隊ヒーローと昔の戦隊ヒーローが共演するというお正月イベント恒例となっていたが、この年で終了。その代わりとして、翌年からは現役作品の素顔の戦士が登場する卒業公演イベントが行われるようになった。2015年現在までに、以下の専門局・動画配信サービスにて再放送・配信が行われた。各作品における詳細はそれぞれの項目を参照。
出典:wikipedia
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