北讃岐中継局(きたさぬきちゅうけいきょく)は岡山県玉野市の金甲山にあるNHK高松放送局の地上デジタルテレビジョン放送専用の大規模中継局である。香川・岡山の全民放とNHK岡山放送局の親局がある金甲山送信所内に設置されており、岡山県側にありながら対岸の香川県用に設置された、域外中継局である。この中継局の電波法に定める放送区域(1mV/m)は香川県土庄町、直島町、宇多津町、多度津町及び岡山県玉野市の全域並びに香川県高松市、丸亀市、坂出市、善通寺市、三豊市、小豆島町、岡山県岡山市、倉敷市及び瀬戸内市の各一部、約20万3千世帯である。完全に香川県向けの中継局であるが、中継局の位置する金甲山直下の玉野市は全域が、その周辺児島半島や児島湾岸は軒並み放送区域内である。北讃岐中継局は、後述の理由から、香川県内沿岸部に点在していたNHKミニサテライト中継局を集約して開局した形をとっている。前田山・西讃岐両中継局の優先受信地域の世帯(前田山・西讃岐世帯)の場合、アナログ放送時代に金甲山(北讃岐)を受信先としていた場合も、デジタル放送開始後、電波がより強力な、前田山や西讃岐の電波が入ることが多い。香川・岡山地区で地上デジタル放送が開始された2006年12月1日に、NHK岡山と民放の親局である金甲山送信所(北讃岐局と同じ敷地)、NHK高松の親局である前田山送信所(高松市前田山)と同時にデジタル新局として開局した。香川県沿岸部はアナログ放送時代から、テレビ放送において地形の問題を抱えていた。1950年代後半~1960年代当時、香川県内でも内陸部に位置するテレビ送信所(前田山送信所、西讃岐中継局など)の電波は、沿岸部の世帯にとって、地形の問題で受信しにくい状況にあった。そこで、海を隔てて見通しの利いた、対岸の岡山県側(金甲山送信所、笠岡中継局、児島中継局など)の送信所にアンテナを向けてテレビを視聴する世帯が多かった。1957年に開局したNHK岡山のテレビ放送は、前述の実情から、総合・教育とも香川県を放送対象地域に含めていた。民放もまた、放送対象地域にこそしていないものの、岡山・香川両県を意識した親局配置をしていたため、現在に至る乗り入れ構造がテレビ放送草創期から事実上出来上がっていた。その後1969年、NHK高松がテレビ放送を開始、香川県はNHK岡山の放送対象地域から独立する。1979年、岡山・香川両県の民放テレビ局は互いの放送局が相手県へ乗り入れることによって、放送対象地域を統合した。岡山県金甲山からの電波を受信する香川県沿岸部の世帯(以下「金甲山世帯」)にとっては、民放こそ岡山・香川を一つの放送対象地域としているため、香川県内の中継局を受信しているのと同じことであるが、NHKは岡山・高松それぞれの放送局からの県域放送であり、それぞれのローカル枠で異なる内容を放送するため、金甲山にアンテナを向けた場合、NHK岡山を受信することになり、自県向けの放送にあたるNHK高松を視聴できないと言うことになる。NHKは放送法により、管轄する放送対象地域全域で受信できるよう定められているため、NHK高松局はアナログ放送時代、沿岸部にミニサテライト中継局を数多く設置して対応していた。そのため、香川県内の「金甲山世帯」がNHK高松局を視聴する場合、金甲山向けのVHF・UHFアンテナセットとは別に、NHK高松用のUHFアンテナを1本、合計3本のテレビアンテナを設置する必要があった。2006年12月1日、香川・岡山両県での地上デジタル放送が開始された。これに伴って、NHK高松は先述のミニサテライト中継局をデジタル化する必要に迫られていたが、これらの多くは「金甲山世帯」対策の為に設置されたものであった。そこで、金甲山向けのUHFアンテナがそのまま使えて、なおかつミニサテライト中継局を大幅に削減出来ることから、NHK高松は金甲山に中継局を設置した。それが「北讃岐中継局」である。金甲山送信所から発射されるNHK岡山の電波は、岡山県方向に指向性がかけられているものの、香川県方向へも電波は漏れているため、それらの地域の大多数の世帯では、従来のアナログ放送同様、NHK岡山とNHK高松の双方が視聴できる。局舎はNHK岡山金甲山送信所(親局)と共用で、送信アンテナはNHK岡山アナログ総合塔の下部に設置されている。なお、この中継局の管轄は中国総合通信局である。同じ金甲山内に存在するRNC西日本放送やKSB瀬戸内海放送の親局のように、民放の送信所が設置場所に関わらず本社所在地を管轄する総合通信局(この場合は四国総合通信局)となるのに対し、NHKは本社に当たる「主たる事務所」が全放送局を一括して東京都にあるため、「従たる事務所」である地方の放送局の中継局であろうと単に中継局の存在する場所を管轄する総合通信局の管轄となる。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。