カブトエビ(兜蝦、兜海老、Triopsidae)は、鰓脚綱葉脚亜綱背甲目カブトエビ科に属する甲殻類の総称。淡水性の原始的な小型甲殻類。名前にエビとついているがエビ類ではない。日本国内では以下の3種が生息する。アジアカブトエビは在来種と考えられるが、残りの2種はいずれも移入種で、1916年、香川県でアメリカカブトエビが発見され、その後各地で発見されている。関東・中部地方以西に広く分布している。なお、アジアカブトエビも中国からの帰化動物という研究もある。日本では6-7月、水田などに大量発生する。水田への注水後10時間程度で孵化が始まり6日程度継続して孵化する、孵化から10日程度で産卵を行い 1 - 2ヶ月の短い一生を終えるが、成長速度と生存期間は水温で大きく変化する。水温が21の場合、アジアカブトエビは8日目、アメリカカブトエビは10日目、ヨーロッパカブトエビは16日目から産卵をする。水田の水抜きで水が枯れる頃には泥中に卵が残っている。他の地域では頻繁に干上がるような浅い水たまりや池に生息することが多く、乾燥に強い耐久卵を持ち、水田の様な環境に適応したものと考えられる。大きさは2 - 3cmで、頭部の形状はカブトガニに似ている。丸い背甲の裏面に多くの脚を持つ。いずれも鰭状の鰓脚で、歩行に適した足は持たない。雑食性で、泥中の動植物の遺体の破片や小型藻類、プランクトンを泥と共に捕食する。細長い腹部とその先から鞭状に伸びた2本の尾は、ホウネンエビによく似ている。分類上ミジンコ類と近縁。カイエビやホウネンエビとも比較的近い。これらはいずれも甲殻亜門鰓脚綱に含まれる。いずれも頭部には発達した第2触角、胸部には多数の鰓脚を持ち、鰓脚を甲羅に包んだ構造をしている。カブトエビの場合、甲羅は平らに開いて背甲となり、第2触角の先から触角状の突起が伸びて、外見上の触角となっている。カブトガニと比較、もしくは混同され、子供用の図鑑等で「クモに近い動物」といった解説がされていることがあるが、誤りである。カブトガニはエビよりクモに近いが、カブトエビは甲殻類であり、クモよりはエビに近い。しかし、十脚目のエビ類とは類縁関係は遠い。ただ、両者とも、原始的な特性を現在に受け継いでいる生きた化石であることは共通している。カブトエビ科 Triopsidaeこの類は甲殻類の中でも古い形質を残したものと考えられている。分化した当時から現在までほぼ同じ姿を保ち続けた生きている化石である。その生きている化石の特徴としてノープリウス眼がある。大きな目が二つついているように思われるが、真ん中に小さな目があり、全部で三つ目である。これはノープリウス眼が成体にも残っているものであり、原始的特徴と見なされている。水田の雑草を食べるほか、水田において餌の捕食あるいは産卵のため、水底の泥をかき混ぜる事で水が濁り、濁りによって光が遮られ、雑草の発芽と生長が抑制される。その為「田の草取り虫」とも言われている。水田雑草の除草を目的とした場合、生存期間が最も長いアジアカブトエビが最適とする研究がある。また、有機農法を行っている水田では水のpHが低い為、孵化しても死滅するとする研究もある。
出典:wikipedia
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