カエサル 155mm自走榴弾砲(カエサル155ミリじそうりゅうだんほう)は、フランスの155mm自走榴弾砲である。CAESARとは、フランス語の(砲兵システム搭載トラック)のアクロニムであり、読みは共和政ローマのガイウス・ユリウス・カエサル(Gaius Julius Caesar)と同じ綴りであることに由来する。従来の自走榴弾砲が全周式の密閉砲塔を有しているのに対して、このカエサルは砲をトラックの荷台に“車外に露出させる形で”搭載しているのが最大の特徴であり、砲の操作は全て車外から行う。この設計によって全周密閉砲塔を装備する従来型の155mm/152mm自走榴弾砲に比べていくつかの大きなメリットを得ることができた。まず従来型の自走榴弾砲は重量が25t〜45t前後であるのに対して、カエサルは17.7tと2/3〜1/2以下にまで大幅な軽量化を実現したため、C-130 ハーキュリーズやエアバス A400Mなどの中型輸送機による空輸を可能とし、緊急展開部隊への配備を容易なものとした。布陣や撤収に要する時間も1分と短い。また、一般に装輪式車両は装軌式と比較して安価であるが、カエサルは車体に既存のトラックを利用することで調達費や整備維持費のさらなるコストダウンを実現した。なお、車体は6輪のものを使用しているが、8輪タイプの車体を使用したモデルも現在開発されている。反面、従来型の自走榴弾砲と比べていくつかのデメリットが存在するが、そのほとんどは装甲で覆われ密閉された砲塔が存在しないことによるものが大きい。水平射角が限定され、砲撃時に榴弾の破片や小火器の弾丸、NBC兵器などから乗員や砲手を保護する能力が低い。さらに車体に積める砲弾や装薬の量が少なく(車体中央に砲弾・装薬それぞれ18発分の収納スペースがあるのみ)、構造上、自動装填装置は装備不可能なため砲弾の装填は人力で行う必要があり、連射速度は低い(FH-70やTRF1に装備されているような半自動式補助装填装置は搭載可能)。特に短時間に大量の砲弾を発射するバースト射撃時のそれは牽引式榴弾砲とほぼ同レベルである。また、カエサルは軽量故に射撃時の反動を車体重量で相殺しきることができない。そのため、射撃時には車体後部に設置された牽引式榴弾砲のような脚を地面に食い込ませる必要がある。同じ理由で砲の旋回角を大きく取りすぎると車体のバランスを保てなくなるため、砲の旋回角は左右各15度ずつに制限されている。以上の点から、カエサルは良い意味でも悪い意味でも「牽引式榴弾砲と従来型自走榴弾砲の折衷案的な自走榴弾砲」であるという見方が可能である。砲の最大射程はベースブリード榴弾を使用した場合42km、ロケット補助榴弾なら50km以上に達する。
出典:wikipedia
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