バトルテック () は、米国のゲーム会社FASA社が製作した未来世界を舞台にしたロボット兵器同士の戦闘を楽しむウォー・シミュレーションゲームやその派生作品のシリーズ名および商標名。初期の段階では設定や挿絵等を『ロボテック』や各種のジャパニメーションから流用(無断使用)していたため日本では混同されることも多いが、本作はそれらの作品とは別物の、完全オリジナルの世界である。ライセンスはFASA社が登録していたが、をへて、2008年からCatalyst game labs社が管理している。バトルテックシリーズはFASA社が1984年に発表したボードゲーム型のウォー・シミュレーションゲーム『バトルテック』を元祖とし、様々な追加ルール集やデータ集が発売された他、『メックウォーリアシリーズ』などのロボットアクションゲームやSF小説シリーズ、TVアニメーションが発表された。ボードゲームやコンピュータゲーム、ミニチュアゲーム、テーブルトークRPGの『メックウォリアー』などは日本語化されて日本でも展開されている。シリーズの元祖であるボードゲーム『バトルテック』は、1984年の初版発売時は『バトルドロイド』 (BattleDroids)のタイトルで発売され、ゲーム中に登場する人型ロボット兵器の総称もゲーム名と同じ「バトルドロイド」だった。しかし、「ドロイド」はジョージ・ルーカスとルーカスフィルムの登録商標であり、第2版からゲームタイトルを『バトルテック』に、機体の総称を「バトルメック」(メック)に変更した。は2001年に解散し、Battletechのライセンスが、に移管。WizKids社はミニチュアゲームとしてMechWarrior:DARK AGEを展開し、ホビージャパンが国内で販売を行った。『バトルテック』の初期の版では、日本のテレビアニメ『超時空要塞マクロス』のバトロイド、デストロイドや『太陽の牙ダグラム』のコンバットアーマー、劇場版「クラッシャージョウ」のハンターメカのメカニックデザインや設定などを無断使用しており、その点で非常に注目を集めた。特にバトロイドは、宇宙でも使用可能な気圏戦闘機に変形することができる高性能メック、『Land-Air 'Mech』(LAM)というそのままな設定とされ、『Aerotech』なる空戦用サプリメントに掲載された。なお、これは主に宇宙空間からの降下、戦闘機による近接航空支援や戦闘機同士の空中戦も扱ったサプリメントであり、LAMの扱いはそれほど大きくない。当時は米国内で日本製アニメーション作品への注目度が上がってきた時期であり、他方日本はまだこの時代、これらアニメーション作品の海外輸出を真面目に考えておらず捨て売りしていた。そのため、この盗用に関して目立った問題とは見なされていなかった部分もある。この盗用の件で、米国にてこれらの日本製アニメーションのライセンスを取得して再構成したアニメーション作品『Robotech(ロボテック)』を製作していたからデザインの使用停止を求められた。訴えは認められ、旧デザインのメックは「なかったこと」にして独自デザインのものだけが「メック」として残ることになる。アメリカ人デザイナーによる新デザインはカートゥーンアニメを思わせるデザインに無骨なテクスチャとなっており、この骨太なデザインセンスが「日本ロボットアニメのパクリ」というかつての悪名を払拭するくらいのインパクトと個性を出すことに成功しているともいえる。1992年に富士見書房より日本語版が発売されたボードゲーム『バトルテック』では、米国で書き直された新デザインのイラストは一切使用せず、『マクロス』のメカデザイナーである河森正治による新規オリジナルデザインが使用された。これらのメカデザインは、もともと河森がデザインしたデストロイド等の盗用されていた元祖のデザインとは似ても似つかぬ"日本風"に変更されて普及に一役買った。なお、元のデザインがそれとなく判るように意図的に似せているメックもあった。なお一部マニアは米国版の新デザインをかたどったソフビ製のフィギュアユニットを米国から購入、使用する風景も見られた。ボードゲーム『バトルテック』は、戦場を模したヘクスマップ上にメックのコマを複数配置して、メック同士を戦わせるという一般的なウォー・シミュレーションゲームの体裁をとっている。プレイヤーは自軍の資金やメックの重量の制限内でメックの武装や装甲を改造できるのが特徴で、ゲームに使用することができるメックや武装パーツは数多くのエキスパンションセットを別個購入することで増やすことができた。この、「自分の好きなメックを作り出すことができる高い自由度」は他の類似ゲームに対する強烈な個性となっている。初版は1984年に『バトルドロイド』の名称で発売。以後、バージョンアップが繰り返され、いくつもの追加ルール(エキスパンション)も発売された。日本では1992年~1994年にかけてラインナップの一部が富士見書房より翻訳発売された。翻訳を担当したのはグループSNEの清松みゆき。日本語版では機体のデザインが河森正治によって描き直されている。ボードゲーム『バトルテック』はマニアックなカスタマイズ性(自由度の高さ)が特徴ではある。ただし、それゆえにゲームルールの複雑化を招いており、コアなマニアとそうでない者の評価の格差は激しい。「メカ物の発祥地」であるはずの日本では、逆に大きなブームを起こせなかった。本作は、日本語版翻訳を担当した清松がデザインしたソード・ワールドRPGにも影響を与えた。その大きなものがミサイルの命中本数表でありソードワールドにおけるレ―ティング表のアイデアに繋がる。武装カスタマイズの複雑さが本作の特徴だが、武器の命中判定はシンプルである。どの武器であっても、六面体サイコロ二個によって行われる上方判定で行う。武器毎に専用の細かい表があり、サイコロの出目と表をつきあわせることで敵機にどのような損害を与えたかが決定される。メック同士の戦闘は「射撃の雨を浴びせて敵メックの装甲、武装、その下の内部中枢やエンジン等を破壊して、ようやく敵メック一機を撃破する。そしてその間、自機も敵からの射撃の雨を浴び続ける」という力押しの射撃戦が基本である。ただし、バトルテックでも運が良ければわずか数発の命中で、搭載弾薬が誘爆し敵を撃破できる事はある。また、そういうシステムである以上、重装甲・重武装のメックが有利になる。『バトルテック』ではメックに設定された重量によって装甲や武装に限界が発生するため、基本的には重いほど強いという一般則がある(なお、機体の大きさや小ささはシステム上考慮されていない)。メックは重量が増すたびに鈍重になり移動力や回避性能が劣化するという弱点もあるため、軽量級が優位に立つシチュエーションもあるのはある。しかし、ゲームはアニメと違って、バランス上どんなに回避が高くても当たるときは当たるため、回避性能を強化して軽量級メックを強くするのは難しい部分もある。特に『バトルテック』をテーブルトークRPGとして遊ぶための拡張ルール『メックウォリアー』を導入すると、せっかく育てたキャラがあっけなく死んでしまわないように考慮が必要であるため、回避型より重装甲型の方がどうしても重用される傾向がある。メックは手、足、胴体、背部、頭部など、各部位ごとに耐久力が存在しており、敵からの攻撃によるダメージは命中した部位の耐久力を削ることになっている。また、武器も各部位ごとに装備でき、手にはライフルや剣を持ち、脚にはミサイルポッドや予備弾薬をつけるなどといったことも可能である。弾薬などを装備している部位が攻撃されると誘爆し大ダメージを食らうこともある。各部位ごとに自在に装甲を施す事も可能で、弾薬を積載し弱点となり易い場所は重点的に、多少破壊されても困らない所は装甲を削って重量を他に回す事も出来る。背部装甲を前面装甲に回せば「後ろから撃たれるとすぐ破壊されるが、とにかく前からの攻撃には強くする」といったカスタマイズになる。ただし頭部(コックピット)は装甲を厚くすることができないため、どのメックでも弱点となる。歩行兵器であるため、足へのダメージは致命的問題となる。ホバーエンジンを搭載していれば足の片方を失ってもかろうじて移動する事も可能だが、両足を失ったメックは逃げることができず撃たれるままになる。また、動けなくなったメックは鹵獲することが可能である。メックはこの世界ではオーバーテクノロジーの産物で、簡単に改造・製作はできないため、敵軍から奪ったメックはパーツ改造のための重要な資源になる。これは同時に、自軍のメックが敵に奪われると敵軍を強化するということにつながるため、両足が破壊されメックが動けなくなると敵に鹵獲される前に自爆してしまう等の保全機構がある。メック戦闘にとっては足への攻撃は基本であると共に、もっとも警戒しなければならない問題である。メックの特徴として挙げられるものに「熱」というものがある。このゲームではメックが何か行動をするたびにメックに負荷がかかり熱ポイントがたまっていく。熱は一定時間ごとに多少は排熱されていくが、戦闘中は排熱される熱ポイントよりも蓄積される熱ポイントの方が大きくなることの方が多い。メックの動力は核融合炉であり、機体の温度上昇は融合炉暴走を招くため、熱ポイントがある一定以上たまると安全装置が働き自動停止(シャットダウン)する可能性が発生する。指定された熱ポイント以上になる度に自動停止判定を行わなければならず、判定に失敗すると自動停止となる。戦闘中にシャットダウンしてしまえば、再起動までのわずかな時間ではあるが、好き勝手に撃たれ放題となってしまう。そのため、シャットダウンが起こらないように戦闘の合間合間でメックを休息させながら戦う必要がどうしても出てくる。一部、熱の心配をする必要の無い機体も存在するが、その様な機体には必ずと言って良いほど「初心者向けだが攻撃力不足」のレッテルが貼られている。なお、メックをシャットダウンさせる安全装置は解除できるが、その場合は余程温度管理を徹底しないと、熱ポイントがたまりすぎると今度は自爆の可能性がある。ボードゲーム版の『バトルテック』にはテーブルトークRPGとして遊ぶための拡張ルール『メックウォリアー』が存在する。これは日本語版も富士見書房より1993年に発売されており、リプレイ集やシナリオ集なども出版されていた。日本語版はボードゲーム版と共に現在では絶版。テーブルトークRPG版ではメックのパイロットをプレイヤーキャラクターとして創造することができ、パイロットの能力によりメックの戦闘性能が大きく変わるようになっている。もちろん、メックで戦っていないときの「戦士の日常」も普通のテーブルトークRPGのように楽しむことができ、より「日本のロボットアニメ」的な展開を楽しみやすくなっている。成長の要素もあり、キャラクターがメックの操縦に習熟してくさまやメックを改造して強化していく過程、また戦闘によりメックを失い(失機してしまい)新たな機体を得るまでの屈辱の日々などは、様々な戦場ドラマを生み出せるようになっている。テーブルトークRPG版では、プレイヤー1人につき1人のパイロットと1人のバックアップスタッフ(メカニックなど)をキャラクターとして創造し、その2人のキャラクターを同時に動かすのが基本である。バックアップスタッフもキャラクターとして操れるのは、パイロットの能力がメック戦闘に偏りがちで、メックに乗っていないシチュエーションのシナリオを楽しみにくいからという配慮である。設定的には、メックパイロットはたとえ傭兵と言えども、騎士階級に当たるため雑用はやらない、とされている。ただし、後のバージョンではパイロットのみをプレイヤーキャラクターとして操ることに変更された。プレイヤーキャラクターは全員で一つの小隊を組みミッションにあたる。プレイヤーキャラクターは1人につき1台のメックを持つ。つまりメック戦闘では1人のプレイヤーは1台のメックのみを操ればよいので、複数台のメックを管理して戦いあうボードゲーム版より管理は楽なものになっている。一方でゲームマスターは敵勢力のメックを全て1人で管理せねばならず、場合によってはボードゲーム版より管理に負担がかかることもある。ミニチュアゲーム版は2002年に『メックウォリアー:ダークエイジ』の名前でWizkids社より発売された。日本語版もホビージャパンより同時発売している。同じくWizkids社が発売している『メイジナイト』や『』と似たルールが使われており、キャラクターのステータスやダメージをミニチュアの台座にあるゲージをクリックすることで管理できるゲームになっている。そのため、攻撃のたびにキャラクターシートやデータカードを参照したり、受けたダメージの記録などを行う必要がない。ルールはかなりシンプルでバトルテックの他のメディアに比べると軽く遊ぶことができる。『メックウォリアー:ダークエイジ』ではこのゲージが二種類あり、通常のダメージとは別に「熱の溜り具合」も管理するようになっていて、「メックらしさ」は十分に味わうことができる。なお、この熱の溜り具合を管理するゲージはメックのミニチュアの台座にのみついていて、一般戦闘車両や歩兵師団のミニチュアの台座にはついていない。しかし、日本では大きなブームを起こすにはいたっていない。トレーディングカードゲーム版は1996年にウィザーズ・オブ・ザ・コースト社から発売された。スターターパックにはカード60枚、ルールブック1部、6面ダイス1個が付属している。なおこのゲームは日本国内では、主に英語版が輸入されて発売された。日本語版は発売されていない。パーソナルコンピュータおよびコンシューマゲーム機向けのゲームソフトシリーズが各社より展開されている。バトルテックのコンピュータゲームとしては1988年にメック戦士を主人公としたRPG『BattleTech: The Crescent Hawk's Inception』(Infocom社)が初となる。それ以降はメックの操縦シミュレータ系のアクションゲームがほとんどで、自身がメックに搭乗し、僚機とともにミッションをこなして行く「メックウォーリア」や、メック部隊を指揮して敵地進攻のミッションをクリアして行く「メックコマンダー」、Xbox用アクションゲームの「メックアサルト」といったタイトルで発売されている。コンピュータゲーム化の権利はボードゲーム版の権利を持つFASAよりインフォコム社、アクティビジョン社、Microprose社、FASA Interactive社、マイクロソフト社等様々なパブリッシャーに許諾されていたが、2007年に解体されたFASA Interactive社よりボードゲーム版のデザイナーだったジョーダン・ワイスマンが権利を買い戻し、Smith & Tinker社を設立して旧FASAのゲームの権利を管理している。2009年にはSmith & Tinkerより許諾を受けたカナダのPiranha Games社が7年ぶりのシリーズ新作の発売を発表した。コンピュータゲーム版では、僚機との連携が重要となる。僚機に指示を出して安全な標的を殲滅している間、自分はターゲットとなる隊長機を撃破したり、敵を貶めるためにあらかじめ僚機を伏兵とし、機関停止させてセンサーに引っ掛からない状態で待機させ、敵を誘き出した所で味方機に攻撃させたり、などの戦術も可能である。僚機もろとも敵陣に切り込んで、その圧倒的火力で打ち倒す事も可能である。逆にプレイヤーの側が停止状態でセンサーに掛からなかった敵に背後から攻撃される事もある。メックの多くは前面よりも背面装甲の方が薄い。なお、ボードゲームでは原則として全て見えている状態でプレイするので、自ら機関停止させることはない。アーケードゲームのバトルテック。日本のスーパーファミコンにも移植された。ロボット搭乗シミュレーターとしてのゲームの基本的な仕組みは本作品で確立されている。PC-98およびX68000シリーズ用。日本で発売された時は『バトルテック~奪われた聖杯~』というタイトルだった。主人公は惑星世界の次期当主で、当主の座を狙う親族の陰謀で故郷を追放され、当主の証である聖杯を取り戻すストーリーとなっている。ストーリー本筋ではアドベンチャー形式の選択肢が表示され、正しい選択肢を選ばないと即ゲームオーバーとなった。また、制限期間内に聖杯を取り戻せないとエンディングに辿り着けない仕様となっている。Windows95用。バトルテックのゲームでありながら、従来の中心領域が舞台ではなく、それまでとは全く違ったバトルメックが登場する。氏族という謎の戦士たちが別の世界で抗争を繰り広げるという番外編のような異色のストーリーで、ウルフ氏族、ジェイド・ファルコン氏族の抗争を描く。どちらの氏族でもプレーでき、それぞれ違ったミッションがプレーできる。氏族の正体はこの後に発売された「メックウォリア 2 傭兵部隊」で明かされることになる。なお、時代的には「傭兵部隊」よりあとになる。Windows95用。舞台は再び中心領域となる。プレーヤーはかつて共に戦った傭兵部隊の隊長から、バトルメック「コマンドー」とかなりの大金を遺産として受け継ぐ。プレーヤーはこれを元手に傭兵部隊を立ち上げる。戦国時代である今、ドラコ連合、ライラ共和国、恒星連邦はもとより、辺境の小国でさえ傭兵の助けを欲している。コムスター通信には常に様々な危険な任務の依頼が公募されており、プレーヤーはそれらの中から好きなミッションを選んでいき、金を稼いで部隊を大きくしていく。任務は護衛、破壊工作、敵の全滅、秘密任務などバラエティに富み、依頼の中には海賊の罠など詐欺まがいのものまである。また時間の経過概念もあり、一方の任務を受けるともうひとつの任務は受けられないなどリアリズムのあるものとなっている。依頼主からの報酬のほかに、ミッションの中で破壊した敵メックをスクラップ業者に売却したり、敵メックを無傷で捕獲すればただでメックやメックウォリアが手に入る。また、メックウォリアを求人したり解雇することも可能。一人で任務を遂行することも、ランスを組んで戦うことも可能であり、簡単な経営シミュレーションと本格的なロボットFPSの両建により、自分がバトルテックの世界の中の傭兵隊長になった気分が味わえるようになっている。物語の中盤からストーリーは急転し、「メックウォリア 2 ~31st Century Combat~ 」で登場した氏族が謎の侵略者として登場する。やがて氏族の猛威を防ぐため、中央星域全ての国家が一時的に連合を組み、プレーヤーもその全面戦争の渦中の中で活躍していくことになる。なお、傭兵ランキングで常にナンバー1として表示されているのは、小説「バトルテック」の主人公「グレイ・デス軍団」である。バトルテックの中でかつてないほどの壮大なスケールの大戦争を描いた作品であり、その後のバトルテックの世界観を一変させた。Windows95/98用。メックウォリア 2 傭兵部隊で描かれた氏族と中心領域連合軍の大戦争「ツカイードの闘い」の直後のストーリーを描く。この戦争でそれまで中心領域の人類を見下していた氏族たちもお互いの実力を認め、中心領域の国家と和解した。しかし、いまだ徹底抗戦を唱える氏族も少なくなかった為、中心領域軍は氏族の根拠地「ストラナメクティ」とスモークジャガー氏族の拠点「ハントレス」に侵攻し、いずれも陥落させる。プレーヤーはエリダニ軽機隊の傭兵となり、惑星「トランキル」に潜むスモークジャガー氏族の残党と戦う。「メックウォリア 2 傭兵部隊」のような自由度はなく、一本のストーリーにそったミッションをこなしていく作品である。CD版のほかに当時としては珍しかったDVD版も発売された。ゲームとしての出来はロボットFPSとして最高峰だった。しかしバグもあり、パッチを当てないとクリア不可能なミッションもある。Windows用。舞台は再び中心領域の惑星となり、連邦=共和国の内戦を描く。前作同様、自由度は無く、一本のストーリーに沿ってミッションをこなしていくが、最後に選択肢が現れて選んだ選択肢で結末が変わるマルチエンディングを採用した。グラフィックも大幅に向上しており、夜間に出撃する事が出来る。また、ビジュアルシーンでは実写撮影された人物が登場する。PCゲームやコンシューマゲームで展開しているコンピュータゲーム版のバトルテックシリーズとは別にアーケードゲーム版のバトルテックも存在する。「Virtual World」により、8人程度が同時にプレイできる「メック操縦リアルタイムシミュレータ・アトラクション」としての「Battletech」が運営されている。一時は日本国内の大都市にも『バトルテックセンター』()の名称で展開されていたがすでに撤退している。アメリカではバージョンアップが繰り返されながら維持されている。コクピットを模した密閉できる乗り込み形の筐体を使って、1人が1体のメックを操縦し、最大8人でリアルタイム対戦できる。操縦席に備え付けの低性能のマイクとヘッドホン、またはプレイヤー持ち込みによるインカムセット等で、互いに情報を交換しあってチームバトルを行うこともできる。プレイヤーは初めてのゲームの場合はパイロット登録が必要で、登録を行うとコールサイン、IDナンバーを記載したIDカードを取得できた。搭乗予約に使用、搭乗回数によるルーキー・スタンダード・ヴェテランというランク分けが行われており、店舗側予約端末がその管理を行っていた。上級モードでは、ユーザーが70を超えるオプションスイッチやフットペダル、複数モニターを設定する事により、操縦桿にある複数のトリガーを各搭載武器に自由に割り振る事ができ、メックの上半身を戦車の砲塔のように旋回させ、進行方向以外の位置の目標を射撃する機能も使用可能になる。また、上級モードだと、メックの機体温度が上昇した場合、安全装置が働き自動停止してしまうので、テンキー入力により、強制的に安全装置を解除する必要がある、キー入力に失敗するとシャットダウンというメッセージとともにメックが緊急停止、ミサイルやマシンガン系の実弾に引火して自爆という憂き目に遭う。なお、これは武器の強制排除で回避が可能である。1ゲーム終了後には、モニターに客観視点でのリプレイが表示され、各プレイヤーに戦闘経過がプリントアウトされ参加者によるデブリーフィングが行われる。米国で稼動が開始されたのは1990年。1992年には日本にも登場した。「バトルテック」関係のコンテンツでは最も早く日本上陸を果たしている。大型で高価な筐体が使用されていたために、当時の一般のゲームセンターの多くでは設置することはできず、「バトルテックセンター」と呼ばれるこのゲーム専用の屋内型アミュースメントが都市部中心に作られていた。日本では標準的な設定で1プレイ1000円という高額な設定で、店によっては500円の場合もあった。バトルテックセンターは日本では短命に終わってしまったが、その後にも「鉄騎」や「機動戦士ガンダム 戦場の絆」など類似したコンセプトのゲームは発表されている。また、コミック「BREAK-AGE」の元ネタにもなっている。アメリカでは多数の小説シリーズが発表されており、スター・ウォーズシリーズやスター・トレックシリーズに匹敵する広大な世界観を形成している。なお、日本では富士見ドラゴンノベルズでグレイデス軍団シリーズの翻訳と、富士見ドラゴンブックでリプレイのキャラクター達を主役にした小説が発表された他、富士見ファンタジア文庫から「バトルテック・ノベル」として小説化されたのみである。ゲームの舞台となるのは西暦31世紀の銀河系である。西暦2060年ごろ人類は地球を飛び出し、銀河中に居住可能な惑星を見つけたり、テラ・フォーミングを行い、「星間連盟」という広大な星間文明圏を築いていた。宇宙船によって惑星間の移動も簡単に行え、通信も極高周波発生装置(HPG)という技術によって恒星間のリアルタイム通信も行うほどで、人類は栄華を極めた。しかし各惑星間の紛争拡大、独立、鎖国により星間連盟は徐々に弱体化していく。2766年、かねてより星間連盟首長の座を狙っていたステファン・アマリスが反乱を起こし、当時の連盟首長のリチャード・キャメロンとその一族を虐殺して連盟首長の座を簒奪する。これに対し、リチャードの摂政でSLDF(星間連盟防衛軍)の総司令官アレクサンドル・ケレンスキーが反撃し、内戦が勃発した。11年にも及んだ内戦はケレンスキーの勝利に終わり、簒奪者アマリスと彼の一族は処刑される。だが、この内戦が星間連盟を崩壊に導いた。ケレンスキーは有力な五大公を集めて会議の開催を呼びかけるも、五大公は応じず、逆に自身が新たな連盟首長であると互いに主張しあい、自らの私設軍の戦力を増強し始めた。この有様にケレンスキーは失望し、2784年、自身を支持するSLDFの将兵たちと共に辺境宙域に「大脱出」していずこかに去っていった。ケレンスキーの「大脱出」によって五大公の野望を妨げる最後の重石が取れ、2787年に連盟首長の座を巡る継承権戦争が勃発する。継承権戦争は初期の頃はNBC兵器の無差別投入などの暴挙が行われ、数多くの惑星が死の星にされた。そして、31世紀、中心領域が『バトルテック』の主要な舞台になる。この中心領域ではクリタ家をはじめとする「五王家」同士が数百年の長きに渡って勢力争いを繰り広げている。打ち続いた戦乱によってしだいに技術が廃れてしまい、主要な物語の舞台となる31世紀には社会が大きく荒廃している。そのため、人類が宇宙に出て栄華を極めた西暦2千数百年代頃の科学技術はオーバーテクノロジーとして扱われており、メックもその過去の超技術の産物の一つである。各王家はそれぞれの軍隊を揃えているもののその規模は小さく、戦いの主役は契約を交わして戦う傭兵達となっている。傭兵はチームを組んで戦闘契約を結び、契約主から依頼された戦闘をチーム単位で行う。各チームの個々の傭兵の戦闘能力にはばらつきが見られるため集団戦闘を行い互いをカバーする。また正規軍とは異なり非正規戦闘などにも手を染める。それぞれの傭兵チームは独立採算制となっており補給は私費となるため戦場で撃破した敵のメックの部品回収がパイロットの重要な任務となっている。また科学技術が失われつつあるためメックの新規製造は困難になっている。この時代でのメックの補充は、過去の遺跡から発掘したり、敵軍から奪うことによって行われるのが基本である。しかし、3028年に過去の技術の情報が集約されているメモリーコアが発見された事で、かなりの技術が復興し、メックや気圏戦闘機の新造や新規開発が可能となった。その一方で2784年の「大脱出」によって銀河辺境に逃れた人々の末裔である「氏族(Clan)」が辺境宙域に存在して、各々の氏族間で小競り合いを繰り返している。3050年、大同団結した氏族が中心領域へ大規模な侵攻を行い、一時は中心領域の30%が氏族に占領された。しかし、3052年の惑星ツカイードでの戦いで氏族は敗北、3060年には逆に中心領域の連合軍が氏族の本拠地である惑星ストラナメクティに侵攻し、氏族による中心領域制圧作戦を中止に追い込んでしまう。この激しい戦いでは、1つの氏族が完全に滅ぼされてしまっている。中心領域では大脱出後の大規模な戦闘により社会が荒廃したため、メック技術の低迷が激しかった。一方の氏族の社会には、このような技術が良く保存されているため、一般的に氏族の機体のほうが性能が良いという形で描かれている。最大の特徴はオムニメックと呼ばれる高性能メックが存在している事で、中心領域のメックを圧倒する性能を持っている。氏族は各々が動物に由来する名前を持っており、各々がメック戦士(ウォーリア)を中心とする社会を形成、生産者や技術者はそれら戦士に奉仕する形となっている。氏族社会はアレクサンドル・ケレンスキーと彼の息子の語録を神格化する事で特殊な精神社会(思想的には武士道に通じる物が在るとされる)を形成している。その語録の解釈をめぐって氏族間の見解の相違から小競り合いを繰り返してはいるが、社会全体を巻き込む戦乱は社会を混迷や絶滅に追い込みかねない事から、主にメックを用いた決闘という形に紛争調停の手段を求めており、「強い氏族こそが正しい」とする思想の元、氏族を挙げての強い戦士の育成に力を注いでいる。一般に中心領域のメック戦士は集団での戦闘を得意としており、氏族のメック戦士は名誉を重んじる為、1対1での戦闘を主力としている。また、氏族では格闘戦は不名誉な行為と見なされており、格闘を行う事はほとんど無い他、一撃必殺を重視して実弾兵器を主流にした兵装を好んでいる。3052年のツカイードの戦いでは、格闘戦に弱いという弱点と補給線を絶たれて兵器を運用する事が不可能になった所を衝かれ、格闘戦用兵器とエネルギー兵器を主力にした中心領域のメックに完膚無きまでに叩き潰された。3060年以降、一部の氏族は中心領域の国家と和解し、中には氏族ごと中心領域の国家に移住してきたものもある。3067年、ワード・オブ・ブレイクが“聖戦”と呼ばれる大戦を引き起こし、NBC兵器の無差別投入や非武装の市民の虐殺を行うなど、中心領域全域に破壊と殺戮の嵐が吹き荒れた。3081年にワード・オブ・ブレイクは氏族と継承国家の総攻撃で完全に滅ぼされるが、中心領域には重い傷跡が残される。そんな中、ワード・オブ・ブレイク打倒に中心的役割を果たしたデヴリン・ストーン(ワード・オブ・ブレイクの強制収容所から脱走したことは分かっているが、過去の記憶を奪われた謎の人物)が、地球を中心として「スフィア共和国」を建国。平和と軍縮の時代となった。しかし、3130年、ストーンの引退を機に再び戦乱の時代となり、これが「ダークエイジ」の世界観となる。単にメックとも呼ぶ。スターリーグ時代に開発された人型マシン。身長は10m前後のものが主流だが、重量は20t前後から100t以上まで様々である。原子力を直接運動エネルギーに変換させる技術を用いており、強力なパワーを持つ。3030年代あたりまでは技術自体が失われており新開発は難しく、スターリーグ時代から親から子へと受け継がれる財産である。神経反応ヘルメットと呼ばれる特殊なヘッドマウントディスプレイをかぶり、脳波によって人間が自分の体を動かすのと同じように操作できる。かぶらなくとも静止状態での射撃などある程度の操作は可能である。所有者以外がかぶると脳を焼き尽くす電流が流れるようになっており、メックを強奪するのは困難である。これは所有者によって事前に登録された「解除キー」となる一連の動作を行うか、高価で入手困難な暗号解読装置を使用することでのみ回避できる。所有者のミスなども考慮して、電流は致死量には達しないよう設定されていることが多い。メックの操縦には相当な訓練が必要であり、バトルメックを自在に動かせるようになった戦士を「メックウォリア」と呼ぶ。メックウォリアが操作するバトルメックは、地上では無敵に近い存在であり、メックとまともに対抗出来るのはメックと一部の兵器のみである事から「戦場の覇者」とも呼ばれる。メック4機で構成される小隊を「ランス」と呼び、通常はこれが最小の戦闘単位である。中隊は指揮小隊・火力小隊・偵察小隊の3個小隊(計12機)、大隊は3個中隊、連隊は3個大隊が正規の編成だが、必ずしも定数を満たしているとは限らず、例えば1個大隊+1個中隊で「連隊」を自称する例もある。小隊指揮官は中尉、中隊長は大尉、大隊長は少佐、連隊長は大佐だが、傭兵部隊にあってはこれも半ば自称に過ぎない。士官学校に相当するメック戦士養成校が継承国家各地に存在し、卒業生は士官(少尉もしくは准尉)扱いとされるが、養成校を卒業したからといってメックを継承できるわけではない。メックを持たないメックウォリアは予備パイロットとしてチャンスを待つか、整備兵になるのが普通である。元ネタ通りに3段変形が可能で柔軟な戦いができる高性能メック。元ネタのデザインは削除されたが、ルールそのものは存続して、「聖戦」の時代にも新型が登場している。欠点としては重量の一部を可変機構に廻さなければならない為、同クラスの機体より基本能力が低い(普通は装甲が減らされる)事と、パイロットがメック技能と併せて戦闘機技能も持たなければならない為、器用貧乏になる事。大気圏内外で飛行する戦闘機。メックと同じ技術で製造された戦闘機で、メック同様、技術の再発見以前は新たに機体を製造する事が出来ない。空から攻撃するので、重量が同じならメックより強力と言われている。宇宙船から地上へ降下するための小型宇宙船(2,000tから20,000t程度)。小型といってもバトルメック数体~数十体と気圏戦闘機数機を搭載するほどの容積があり、歩兵部隊や戦車なども搭載される。ワープ機関を積んだ航宙船は恒星系の外に係留されるのが普通で、恒星系内は降下船が使用される。地上での拠点としての役割もある為、強力な武器と装甲が施されている。現実の戦車や装甲車が発展したもの。この時代の戦車は陸戦の主力がメックに移った為に、偵察や哨戒、輸送などの補助的な役割を担っている事が多い。メックよりも構造が単純なので現在でも製造が行われており、中にはメックを一撃で撃破するほどの性能を持った戦車も存在する。カーニィ=フチダ(K=F)機関と呼ばれるワープエンジンを搭載した宇宙船。複数の降下船を接続して恒星間航行を行う。かつては強力な武装が施された宇宙戦艦とも呼べる船も存在したが、継承権戦争で多くが破壊され、民間用の弱武装の船が大多数である。また、メックや気圏戦闘機同様、航宙船を建造する技術も失われた為、航宙船を直接攻撃する事はタブーとなっている。メインエンジンは核融合炉が使用されているが、大半の船は、いったん止めると再起動させる方法が分からないということで、数百年以上も核融合炉の灯を点けっぱなしにして運用されている。ワープエンジンへのエネルギー供給は、時には直径数キロにも及ぶ「帆」を広げ、恒星からのエネルギーを吸収することで行われる。特に急がない限り、これに一週間程度かかる。後の版で登場する、いわばパワードスーツ。連盟時代に起源をもつが、氏族の一つが復活させ、氏族から捕獲した機体を元に中心領域でも生産されるようになる。ゲーム上、一個小隊(4-6人)で1ユニットとして扱われる。バトルアーマーより大きいが、バトルメックよりも小さい(2-9トン)。氏族の新兵器だが、使用に当たっては、視覚を電子的に強化する手術を受けねばならず、しかもこの手術がはっきりと健康に害がある。このため、氏族の中でもあまり受けが良くない。バトルアーマーと同様、ゲーム上は小隊単位で扱われる。日本語訳された製品のみを記す。
出典:wikipedia
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