アルバート・W・ワイリー(Albert W. Wily)とは、カプコンのゲーム『ロックマンシリーズ』及び『ロックマンXシリーズ』に登場する架空の科学者。通称「Dr.ワイリー」。『ロックマン』シリーズにおける悪役として登場する人間の科学者。ロックマンの製作者であるライト博士とは旧友であったが、ロボットによる世界征服の野望を抱き、それを阻止しようとするロックマンと戦いを繰り広げていくこととなる。体型や容姿はライト博士と逆の要素が多く、太り気味のライトに対して長身で痩せ型、頭髪は頭頂部の辺りが禿げ上がっており頭側面の髪を伸ばしている。趣味は卓球だが、この卓球においてもライトに敗北した経験がある。恐竜が好きであり、『6』のメカザウルスや、外伝である『ワールド2』や『9』のワイリーマシンなど恐竜をモデルとしたロボットも作っている。また、『2』のエイリアンは子供向け怪獣図鑑のイラストをモデルにしているなど、やや子供っぽい趣味をしていることも伺える。シンボルマークは、○にDr.とWを組み合わせたデザインで、研究所とワイリーマシンのドクロ部分の額に必ずと言っていい程、マーキングされている。ドクロをあしらったデザインも頻繁に使い、自分の秘密基地(『2』以降)やワイリーマシン(番外編を除いた『4』以降)にこのデザインを必ずといっていい程取り入れる特徴があり(基地はドクロの他にも骨や爪のデザインの建造物も取り入れる傾向が多い)、『8』などでは自身のベルトのバックルもドクロをあしらっている。世界征服を考案し大規模な基地を何度も建造する一方で、新型戦闘用ロボットの製造を始めとする資金繰りに関しては、かなり苦労している様子が多々見受けられ、『5』のジャイロマンやチャージマンやクリスタルマン、『7』のターボマンなどといった低コストで製作したり、資金収集をする事を念頭にしたロボットも多く、『3』のシャドーマンや『5』のスターマンなど地球外の技術を利用したロボットも存在する。自分以外が製作したロボットを利用する事も多く、『1』ではライト博士のロボットを操り、『3』ではライト博士と共同開発し、『4』ではコサック博士の娘カリンカを誘拐してコサック博士が製作したロボットをロックマンと戦わせ、『6』においては世界ロボット選手権に出場していたロボットの内8体を洗脳して使い、『7』と『8』では作業用ロボットを戦闘用に改造し、ロックマン&フォルテでは博物館のロボット(内2体は『8』にも登場したワイリーのロボット)を利用し、『9』ではライトの開発した8体のロボット達をそそのかして暴れさせて、『10』ではロボットエンザに感染したロボットを暴れさせており、結果的に『10』までにワイリーが単独で製作したのは全78(ロックマンロックマンとロックマン&フォルテ含むと86体)体中半分にも満たないが、『4』以外の基地のボスは全て彼が作った(『4』の基地のボスの一部はコサック博士が作った)。Dr.ライトとは、ローバート工科大学電子工学科時代からの腐れ縁である。大学に在籍していた頃のワイリーとライトは、お互いに肩を並べる天才同士であると共に、誰よりもその実力を認め合う良きライバルであったのだが、やがて二人の間に溝が生じ始める事になる。ロボットの平和利用の理論を提案するライトとは対照的に、ワイリーの理論は常に独自性が強過ぎて、なおかつ過激的な物ばかりであり、大学の教授達にとって、理解し難いワイリーは俗に言う「異端児」とも呼べる存在であった。大学卒業後は、幾つかのコンテストでライトと競い合う事になるが、やはり周囲からは理解を示されず、ある意味でライトをも上回る天才であったワイリーは、いつも1番の座をライトに取られてしまい、自らは万年2位の座に甘んじざるを得なくなる。設定上、ワイリーの功績はなどがあり、ワイリーが2位を獲得したコンテストなどで1位を獲得したのが全てライトである。いずれも世界的に権威のある賞であり、天才っぷりを遺憾なく証明はしていたものの、この屈辱に我慢がならなかったワイリーは、やがてロボットのみに愛情を注ぐようになり、その後ロボット工学会から姿を消す(『ロックマンロックマン』では過激なロボット理論で学会を追放された事になっている)。そして、自らを理解しようとしなかった周囲への復讐として、世界征服を考案し始めた。そのような状況において、何らかの方法でライト博士が生み出した試作人型ロボット「DRN-000ブルース」がライト博士の元から去ったのを知ったワイリーは、ブルースに接触し彼を戦闘用ロボットへと改造するも、すぐに逃げられた。しかし、ライトの開発した人型ロボットの基礎の解析には成功し、その後、太平洋にてロボット工場を建設したワイリーは本格的に世界征服を実行に移す。しかし、ライトが家庭用ロボットであるロックを戦闘用に改造したロックマンによって、最初の計画は失敗してしまうが、ワイリーは懲りずに世界征服計画を実行に移していく事になり、ロックマンやライトとの因縁も永きに渡り続いた。学生時代やその後から世界征服を始める以前のライトとの交流については詳しく明かされておらず、どのようなロボットの研究や発明を行っていたかは不明である。漫画作品『ロックマンギガミックス』では作者オリジナルの学生時代が登場し、すでに心の奥底で「ロボットに心を持たせる」ことを夢見ており、そんな折にライトが「力への安全のため、ロボットに心を持たせる必要性」を大学の教授達に問うが全く理解されない様子を見て、自分も同様の考えを持つことを明かし、彼と友人となって共同でロボットの人工知能を生み出したとなっていた(この際のデザインは『ロックマンエグゼ』シリーズに登場した若き日のワイリーをモデルにしている)。なお、シリーズ生みの親の一人であり初期設定を担当したA.Kは、この漫画作品を呼んで「ライトとワイリーの過去の描写は、自分がイメージしていたものとほぼ同じ」と感心している。性格は、目立ちたがり屋でプライドが高い。また、プライドの高さの一方、非常にしたたかで狡猾な面もあり、ロックマンに負けたや否やすぐ土下座して見逃してもらおうとするのが伝統となっており、必要とあらばロックマンやライト博士のお人好しさを利用することも厭わず、自分の作ったフォルテからその点が嫌われ、不仲が表面化した『パワーバトル』以降の彼からは「じじい」呼ばわりされている。だがその一方、変なところでミスをしたり自分の作ったメカに欠陥が多いなど、土下座と共にどこかコミカルな性格として描かれている。またプライドゆえか、本当に恩を感じた際は仇で返すことは無いらしく、一応ながら生みの親と認め緊急の際には助けに来るフォルテを必要以上に咎めず、『10』のエンディングではロックマン達に命を救われたため、ちゃんとその借りを返している(番外編ではあるものの、『スーパーアドベンチャーロックマン』でも心の底ではロックマン達を憎からず思っている描写がある)。このような「どこか憎めない悪役」としての描写がある反面、非道な悪人としての振る舞いをすることもある。『ロックマン&フォルテ』で自らの行動に躊躇するキングを強制的に洗脳し戦わせたり、『9』ではロックマンをその優しさにつけこんで罠にかけ、「死ね!」という言葉まで浴びせている。各漫画家の解釈によって大きく異なる。池原しげとの漫画では、「冷酷な悪の親玉」という側面が強調されており、多くの人命を犠牲にしてでもロックマンやライト博士を倒そうとしたり、「戦闘用ロボットに心など必要がない」「ロボットは世界征服の道具に過ぎない」という発言にその様子が見られる。出月こーじの漫画版では、コミカルな場面が強く、冷酷さもありつつ、どこか憎めない人物である。特に『ロックマン&フォルテ』では、自分の基地が破壊されてしまったことで宿敵のライト博士やロックマンに泣きついたり、居候先のライト研究所でライトットやロールと生活感溢れる衝突を繰り返したり(ライトットの部屋の大半を勝手に自分のエリアにしている)、その描写が強い。しかし、ロールに爆弾付の拘束着を着せさせ、ロックマン諸共爆殺しようとしたり、自分が造ったロボットであるキングに見限られ撃墜されるなど、卑怯さや器の小ささも描かれている。有賀ヒトシは『ロックマンシリーズ』でお気に入りキャラクターはワイリーであると公言しており、ワイリーを大きく扱った作品が多い。有賀の解釈は、90年代の『ロックマンメガミックス』ではコミカルな場面が多く見られるが、シリアスな展開が多くなるシリーズのストーリー佳境(特に『ロックマンギガミックス』として掲載分)ではそれ以上に「科学者」としての側面を強く描いている。人類に憎悪を向けている(美女は好きなようだが)反面、ロボット全般に注ぐ愛情は強く、捨てられた玩具ロボットを復活させたり、部下であるロボットが窮地に陥っても決して見捨てようとしない、などの行動にその様子が見られる。「心を持ったロボットを創造した者」としての責任感は誰よりも強く、兵器として生まれたスカルマンだけを封印していながら「ロボットは友人」と語ったコサック博士は偽善だと言い切ったり、修理をためらうライトに激昂して「ロボットに心を持たせた理由を思い出せ」と詰め寄るなど、責任感と矜持を強く持った人物として、作中で見せ場も多い。また、衛星や瞬間移動転送装置を独力で作る、会話をしながら高速でナンバーズの修理をこなすなど、「異能の天才」ぶりも他者に比べ、かなり強調されている。ワイリーマシン(一部媒体では「ワイリーマシーン」とも)とは、ゲームにおいて最終ボスまたは終盤のボスとして登場する、Dr.ワイリー自身が乗り込み操縦する巨大な戦闘メカのことである。ロックマンに追い詰められたワイリーが自身の技術を集め製作した決戦兵器であり、いずれの作品も非常に戦闘力が高い。各作品ごとに「ワイリーマシン○号(○には作品のナンバリング数が入る)」という名称が付く。第1作目『ロックマン』では、ロックマンの存在及び基地に潜入して自分の元までたどり着くというのは完全な想定外であり、慌てたワイリーが急造した戦闘メカだったとされている。そのため、後の作品のマシンよりも無骨な外見をしており、自身のUFOをドッキングして乗り込むため脱出装置が無いなど、後の作品とは異なる点が多い。『ロックマン2』以降はロックマンの強さを警戒した上で事前に製作・用意しておいた戦闘メカとなっており、外装などもしっかりしている。前述のように『ロックマン4』以降はドクロを模したデザインになるとともに、マシンを破壊されても戦闘能力を持った脱出装置ワイリーカプセルが登場するようになった。このワイリーカプセルは、脱出装置でかつワイリーマシンよりも小型であるにも関わらず、ワイリーマシン以上の強さを持つことが多い。また、作品によっては『5』の「ワイリープレス」や『6』の「Xクラッシャー」のようなマシン・カプセル以外のメカが登場することもある。ワイリーマシンの多くは飛行メカとなっており、一定の間隔を浮遊移動しながら火器による攻撃を行うというのが主だが、歩行して移動する3号や7号、戦車型の5号、飛行型でも恐竜を模した9号やドクロ繋がりで海賊船のような意匠となった10号など様々なバリエーションがある。『ロックマンワールド』シリーズなど外伝作品では、ナンバリング作品とはまた異なったデザイン・性能のワイリーマシンも製作している。詳しくは各作品のページを参照。『6』以外は弱点となる場所を攻撃しないとダメージを与えられないのが特徴(『6』だけはどこに攻撃してもダメージを与えられる)。ライバルであるライト同様、人間としては既に故人であるが、エックスと共にもう一人の主役であるゼロの製作者であり、現在も各所で暗躍している様子が伺える。なお、『ロックマンX2』におけるサーゲスの説明文によると、作中の時代では「戦闘用ロボットを創造(つく)り出し世界を恐怖に陥れたマッドサイエンティスト」として知られている。実際に作中でも『ロックマン』シリーズにおけるコミカルなキャラから一転して「冷酷な科学者」という面が強くなっている。一方で手段と目的がすり替わった節も見受けられ、ゼロの夢において彼が「生きがい」と述べたのは復讐や世界征服ではなく彼の敵そのものである。『X2』でゼロの製作者であることが判明すると共に、ゼロを修理したサーゲスがエックスを「ライトの忘れ形見」と呼んだ事からその存在が見え始め、『X4』でゼロ編のムービーで彼のシルエットが登場しているなど、数タイトルにその存在感を匂わせていた。『X5』では、本格的にその存在を匂わせる展開が多くなっており、シグマの背後にワイリーが協力者として存在している(シグマ曰く「パートナーというより同志」)事が明かされる。また、決戦の場となった「ポイント11F5646」…別名『零空間』は、ワイリーが晩年を過ごしたと思われる秘密基地であった可能性が高く、ステージセレクト画面の紹介の映像ではノイズが掛かっているものの、ワイリー基地の特徴である髑髏状のシルエットが描かれている。ボス戦では背景に巨大な『W』のシンボルマークが描かれていたり、かつてワイリーが開発したイエローデビルに酷似したシャドーデビルが防衛システムになっている等、よりワイリーの基地であった事を匂わせる展開が多くなっている。『X6』に登場したアイゾックも、サーゲスと同様にワイリーと同一人物であるような言動をしている(声優まで同じだった)。主にストーリー中で破壊されたゼロの強化修復及びゼロの覚醒を目的に行動している。余談ではあるがXシリーズではロボットという単語が死語となり消滅した世界であるが彼はゼロの事を最期までロボットと呼んでおり、エックスの事も「出来損ないのオールドロボット」と罵っている。なお、『ロックマン&ロックマンXオフィシャルコンプリートワークス』にて稲船敬二は、「『サーゲス=ワイリーなのか?』とよく聞かれる」と発言し、それに対しての答えは曖昧だったが、遠回しながらワイリーとサーゲスは「同一人物かもしれない」という旨を言っていた。ライトと同じように自らをプログラム化しレプリロイドに自身の記憶を移植する事で実体化し、ライトのロボットであるエックスを破壊する事、そしてゼロを自分の予定した形へ戻すことを画策しているようである。この時代におけるワイリー最大の悪行は、自身最後のワイリーナンバーズのゼロに「ロボット破壊プログラム」というワイリー以外の製作したロボット(この時代におけるレプリロイド)への破壊衝動を暴走させ、かつそのプログラムおよび組み込まれたロボットの意識を半不滅的なコンピュータウイルスにする凶悪なシステムを組み込んでいたことである。これによって暴走したシグマ達が人類への反逆を起こし、後の時代で「イレギュラー戦争」と呼ばれる世界を破滅寸前にするほどの戦乱の原因を作ってしまった。しかし、その破滅はゼロではなくプログラムが移ったシグマが引き起こすこととなり、皮肉な事にシグマが起こした破壊によってゼロはワイリー自身の思惑とは逆の方向(ライトが製作したエックスの親友)に進み、未来を描いた作品においては世界を救った英雄として語り継がれてしまう。ライバルであったライトの意思を継いだプログラムも、ゼロの出自に気付いていたようだが、彼がエックスを支える「友」であり続けて欲しいと願った結果、何の処置もされる事は無かった。最終的に『ロックマンゼロシリーズ』において、ゼロは「エックスが信じているから、彼の信じた人間も守る」としてエックスの意思を代行し、本来のボディであったオメガを自らの手で破壊した挙句、その人格(データ)を受け継いだコピーのボディでさえも、自らを犠牲に最後まで世界を守り貫いて戦いを終わらせるという、ワイリーの思惑とはまったく逆の結果となってしまった。ファーストネームである「アルバート」の名を冠する人物が登場する。だが、直接的な繋がりについては不詳。第一作に同名の人物が登場するが、関係は不明。『エクゼ』シリーズ自体が他のシリーズと繋がっていないが、これまでのシリーズとは全くの別人としてワイリーが登場する。ネットワーク犯罪を行う悪の組織・WWW(ワールドスリー)の首領であり、デザインなどはこれまでのシリーズを踏襲しているがモノクルを着用しているなどの差異もある。元々はニホン国の科学省に所属する科学者であり、ロボット工学の権威である天才科学者である。かつてはその才知を社会発展に使うことを何よりも誇りとし、人格的にも優れていた、科学者の鏡ともいえる存在であった。同シリーズの主人公・光熱斗の祖父である科学者・光正博士(劇中ではすでに故人。『エクゼ』シリーズにおけるライト博士で、名前はライト(Light:英語で「光」)を日本語にしたもの)とは親友同士であり、彼と共に同作のネットワーク社会の基礎を築き上げた(ロボット工学者ゆえにコンピュータやプログラムなどの電子工学にも非常に長けていた)。だがしかし、それによってニホンおよび世界はネットワーク開発に力を入れるようになり、ワイリーは研究の場を失ってしまう。自分を追いやったネットワーク社会を恨み、失意の中で新たな活動の場を求めていた中、大国アメロッパ(アメリカに相当する国家)の軍から軍事ロボットの開発を行うことを依頼されて、そこで出会った軍人であるバレルの父と親友になる。彼との交流で心は癒され、徐々に憎しみは緩和されていったものの、バレルの父の戦死によって抑えられていた憎しみが爆発、WWWを結成して、ネットワーク社会の破滅を目論み始めた。社会への憎しみからほとんどの作品で終始悪に徹しているものの、心の奥底ではまだ優しさや良心を失っておらず、非情になりきれない行動や人類へ希望を捨てきっていない様子が各所で見られて、父親を失ったバレルの父代わりとなって愛情を持って育て、彼からは深く敬愛されていた。同時に人格者の面も失っておらず、部下からの人望も非常に厚く、ゆえに優れた人材が彼の下に集まっていた。最終作『エグゼ6』の最後にて、野望が潰えると共に優しさがまだ残っていることを指摘されて善へと帰還し、同時にようやく憎しみから解放されて改心することができた。その後は、再び社会貢献のために研究を始め、ネットワーク社会の更なる発展に大きく寄与した。本編シリーズとは異なり家族の存在が判明しており、『エグゼ4』および『エグゼ5』に登場する悪の科学者・Dr.リーガルは実の息子である。リーガルはワイリーが悪に堕ちたのをきっかけに父を嫌い始め、父を捻じ曲げたとして彼もまたネットワーク社会を憎むようになってしまっていた。ワイリーはそれを「自分が原因でリーガルの道を誤らせた」と悔やんでおり、最終的にバレルなどの協力でリーガルを救い、記憶喪失になった一科学者という形で善の道に正している。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。