『大巨獣ガッパ』(だいきょじゅうガッパ)は、1967年(昭和42年)4月22日に公開された日活製作の日本の怪獣映画である。「ガッパ」は劇中に登場した怪獣の名前。カラー、シネマスコープ。日活が当時の「怪獣ブーム」に乗って製作した唯一の怪獣映画であるが、後述のガッパの特徴や、企業・科学者の倫理のみならず、仕事に猛進して家庭をないがしろにする親など家族をテーマに据えた内容から、怪獣映画の中でも独特の存在感を持つ作品である。日活では初の本格的特撮怪獣映画であり、ストーリーはイギリスの怪獣映画『怪獣ゴルゴ』(1961年)を下敷きにし、いくつものプロットが作成され、2本のパイロットフィルムを経て、完成作品に至った。ゴジラやウルトラ怪獣など、他社の怪獣作品が積極的に建造物を破壊するのに対し、ガッパはあくまで行く手を阻むもののみを破壊する。これは、「子供に見せる映画として、破壊に快楽を求めさせてはいけない」という意図的な演出である。「怪獣が主人公らの機転によって怒りを静め、空港から飛び発って南の島へ帰る」という結末は、東宝の『モスラ』に似ている。また、日本製の怪獣映画としては数少ない、人類・怪獣ともにハッピーエンドを迎える作品となっている。本作は、社団法人「映画輸出振興協会」による輸出映画産業振興金融措置の融資を受けて製作された。なお、米軍の扱いであるが、カーラジオから「対策本部が自衛隊と米軍に撃退協力を依頼」「まもなく攻撃が始まる予定」と言及されるに留まっている(セリフのみで映像での登場は無い)。熱海城で戦闘機がガッパを攻撃するシーンでスタジオの天井が写ってしまっているカットがある。週刊誌『プレイメイト』記者の黒崎浩は、カメラマンの小柳糸子、そして東都大学生物学助教授・殿岡らと共に、プレイメイト社長・船津の命を受けて南太平洋の探検を行っていた。この探検には、会社が創刊5周年記念で計画中の南国をイメージした一大テーマパークを実現させるため、生物採集や現地人のスカウトの意味もあった。長い航海の末、噴火中のキャサリン諸島オベリスク島に謎の石像を発見した一行は島へ上陸。一行は島民達に遭遇するが、戦前日本の統治下にあったか、あるいは戦時中日本軍の占領下にあったらしく、彼らの一部は日本語を理解でき、「日本人が帰ってきた」と手厚い歓迎を受ける。そんな中、先の石像が気になった黒崎は少年・サキにその件を尋ねる。サキは黒崎と糸子を連れ、その場所へと案内する。やがて3人は巨大な石像の元にたどり着く。と、突如として発生した地震によって石像は倒れ、その跡には洞窟の入り口が出現した。サキの制止も聞かず、黒崎と糸子は中へと入っていく。島の地下には巨大な地底湖があり、巨大な骨、そして2メートルほどの大きな卵があった。さらに、卵が孵化し、思わぬ獲物に喜んだ黒崎はガッパの怒りを恐れる島民の反対を押し切って、日本へ連れ帰ってしまう。子供が連れ去られたことを知った親ガッパは怒りに荒れ狂って島の集落を襲撃する。一方、東京へ着いた黒崎らは子ガッパを調べるうちに自分の所在を遠隔地の仲間に伝える能力があることを知る。その頃、国籍不明の飛行物体2機が出没。殿岡はその飛行物体を「親ガッパではないか?」と直感する。そしてついに2羽の親ガッパが相模湾からその巨体を現す。2羽は熱海市のホテル街を蹂躙、出動した自衛隊を、口から吐く4000度の高熱線で焼き尽くして退け、河口湖湖底に潜伏する。ガッパは瞬く間に人々の話題をさらい、ガッパを特集した『プレイメイト』は大ヒットする。誌の売れ行きに喜ぶ船津。時を同じく、米海軍の潜水艦に救助されて島から来日したサキは子ガッパをすぐ親に返すよう説得するが、糸子以外誰も応じない。一方、弱点である不協和音で河口湖から追い出されたガッパは日光を経て国道4号に沿って子ガッパのいる東京に向かう。東京全滅が懸念される中、サキの「子ガッパを返せは親ガッパはおとなしく帰る」という言葉通り、黒崎らは子ガッパを羽田空港で解放。やがて子ガッパの鳴声に誘導されて現われた親ガッパは再会を喜び、まだ飛べない子ガッパに飛び方を教え、夜明けの空を3羽で南を目指して飛び去っていく。太い胴体から手足、尻尾にかけて全身が三角形の鱗で覆われ、背中に大きな羽根のついた姿をしており、陸・海・空に適応している。オベリスク島の守護神的存在と考えられる。オス・メス(夫婦 = 父・母)に加えて、子供まで存在するという極めて希有な怪獣である。夫婦間の関係は当然良好であるが、子供を思いやる感情は人間を上回るものを有する。巨大怪獣であるが故の都市破壊は行うが、それは人間に連れ去られた子供を奪い返すための必死の行動であり、さらに怪獣の親子が再会を喜び抱擁するシーンを描くという手法で親子の情愛を表現しており、怪獣映画としては珍しく叙情的な作品でもある。
出典:wikipedia
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