『黄昏色の詠使い』(たそがれいろのうたつかい)シリーズは細音啓によるライトノベル。『イヴは夜明けに微笑んで』以下一連のシリーズ(#既刊一覧)が、富士見ファンタジア文庫(富士見書房)より出版されている。イラストは竹岡美穂。第一作『イヴは夜明けに微笑んで』は第18回ファンタジア長編小説大賞佳作受賞。このライトノベルがすごい!において、2008年度の第9位、2010年度の第6位を獲得した。特定の触媒と詠を用い、任意の物体や生物を呼び出す名詠式と呼ばれる召喚魔法が存在する世界を舞台にしたハイ・ファンタジー。名詠式の専門学校に通う生徒たちを中心に、名詠式にまつわる事件と謎、それらを通じた少年少女の成長が描かれる物語。名詠式で唱えられる、作者独創のセラフェノ音語という架空の言語が特徴的である。本作において中心的な設定となるのが名詠式である。これは任意の物体(生物を含む)をその場に召喚する技術であり、高度に体系化されている。召喚に際しては、対象の物体と同じ色の触媒(カタリスト)と、その物体の名前を讃える讃来歌(オラトリオ)を用いる。呼び出されたものは同色の光を放つ名詠門(チャネル)から現れる。名詠は誰でも学ぶことができるが、専門的に名詠をおこなう者は名詠士と呼ばれる。名詠式は対象物の色相により5つの系統に分かれる。基幹となる色は、赤 (Keinez)、青 (Ruguz)、黄 (Surisuz)、緑 (Beorc)、白 (Arzus)。生徒は、この中の一つを専攻色として選び、学んでいく。それぞれの色ごとに理論が大きく異なるため、複数色の修得は困難で、一般的に一人が生涯に修得できるのは、三色が上限とされる。名詠式は初歩的なものから困難なものまであり、それぞれランク付けされている。最上級を第一音階名詠(ハイ・ノーブル・アリア)といい、以下、第二音階名詠(ノーブル-)、第三音階名詠(プライム-)、第四音階名詠(コモン-)と続く。一般に、位の高い名詠式ほど、大きく複雑な形状の物体や、強力な名詠生物を呼び出す(=詠びだす)ことができる。触媒としては「絵の具」「画用紙」「宝石」「炎」「糸」「絨毯」など色さえ合えば大抵の物が使用できる。しかし、特定の触媒を使用しなければならない特殊な名詠式も存在する。讃来歌は通常の言語ではなくセラフェノ音語を用いる。名詠式に熟練することで、第二音階までは讃来歌を使わなくても名詠できるようにもなる。名詠式で呼び出された生物を名詠生物と呼び、主に戦闘や物資などの運搬に使役される。とくに第一音階名詠で呼び出されるものは真精と称される各色の支配者級の生物であり、強大な力を有する。位の高い名詠式で呼び出された名詠生物ほど強力だが、稀に下位の名詠式で、上位の名詠式で詠び出せる名詠生物を凌ぐ力を持つ個体を詠び出せる場合もある。そのような特異な名詠生物を自在に呼べるセンスを持つ名詠士は、大特異点と称される。名詠式によって召喚された物体を送り返す技術も確立されており、反唱(はんしょう)と呼ばれる。名詠生物が暴走した際に必要となる技術であり、これを職業的におこなう一族が祓名民(ジルシェ)である。なお、完全習得した際には祓戈の到極者の称号を得ることができる。反唱の際にも対象と同色の触媒が必要である。既知の五色体系に加え、ストーリー最初に第六の体系となる「夜色名詠」が、また中盤から「灰色名詠」「空白名詠」「虹色名詠」といった未知の体系の存在が示される。エルファンド名詠学舎に通うイブマリーの家は、平均寿命が短かった。そしてイブマリーもまた、自分が短命だと悟っていた。死ぬ前に、生きていた証を何か一つ残したい。その思いを名詠式に賭けた少女は、既存の五色には存在しない、新たな名詠式を構築しようと決意する。しかし、そんな在りえないものを認める者は誰もおらず、学園側からも完全に否定され、孤立した学園生活を送るイブマリー。そんな日々の中、ふと口ずさんだ、まだ誰にも聴かせたことのない名詠式の「詠(うた)」をクラスメイトのカインツに聴かれてしまう。悔やむイブマリーだったが、意外にも彼は、他の誰もが受け入れなかった未完の名詠式を、興味深く素直に聞き入れてくれたのだ。実は、カインツも同じく、名詠式では不可能とされる、五色全ての名詠式の修得という無謀な夢を持ち、そのことを彼女だけに打ち明ける。無理にも等しい夢を持つ二人は互いに惹かれあい、そのとき一つの約束を交わす。時は流れ、カインツが大人になり、世界に勇名を馳せる頃。名詠式専修校のトレミア・アカデミーに通うクルーエルは名詠式に悩みを抱えていた。自分は何のために名詠式を学び、その力を将来の何に役立てるのかと。目標もなくその価値も見出せない、漠然とした気持ちで日々を送る彼女のクラスに一人の転入生がやって来る。その名はネイト。彼にはどうしても完成させたい名詠式があるという。それは、かつてイブマリーが命を賭けて遺した異端の名詠、夜色名詠式だった。作中に登場する世界的に有名な11人の天才。各分野において優秀な者をクラウスにより見出されて編成された組織。一人一人が「異端」であることと、構成人数が11人であることにかけて「イ短調」と呼ばれるようになった。ここに載ってない人物(番号)は、老齢などの理由で主立って活動しないメンバーである。
出典:wikipedia
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