フェロー諸島のバラッド（Faroese ballad、フェロー語: Kvæði）とは、フェロー諸島に伝わる古い民謡（バラッド）である。クヴェアイとも、フェロー諸島のバラードとも呼ばれることがある。バラッドは、チェーンダンス（, フェロー・ダンス）と共に謡われる。数百のバラッドが伝わっており、中には北欧神話に基づくバラッドもある。またフェロー諸島には、ルイーマ（, 複数形 rímur ルイムル）というアイスランドから伝わったと思しき民謡も残されている。このバラッドは、古代ノース人やヴァイキングの文化にその源を発しているといわれている。それらはヴァイキング入植地や国家で歌い踊り継がれてきたが、北ヨーロッパに訪れたキリスト教化の中で禁止されていった、あるいは時代の移り変わりと共に廃れていった、と考えられている。歌謡は、伝統的に口伝によって受け継がれてきたが、1800年代初頭から書き残され始めた。この口伝という伝統は、フェロー語を今に残す一助となった。最もよく知られたバラッドは、イエンス・クリスチャン・デュルフース () によって書かれた『長蛇号』() である。今日では、フェローのロックバンドティア（、チュールのこと）がこのバラッドを自身の曲に活用している。バラッドには、各行 (verse) の合間にある畳句（折り返し句、, chorus）の歌唱に、数百もの聯 () を付加し組み入れることが出来るという。

出典:wikipedia