ペミカン(英語:pemmican)は、カナダ及びアメリカに先住するインディアンたちの伝統的な食品。携帯保存食の一種。本来のペミカンは、加熱溶解した動物性脂肪に粉砕した干し肉とドライフルーツなどを混ぜ、密封して固めることで保存性を高めた食品である。毛皮交易の際に携帯保存食として、広く利用された。ペミカンの材料は、使用可能なものなら何でも用いられた。例えば、ペミカン用の肉としてしばしばアメリカバイソン、ヘラジカ、シカ(アメリカアカシカやなど)の肉が使われた。果物は、クランベリーや(ザイフリボク属)がよく使われた。チェリー、スグリ 、セイヨウカマツカの実、ブルーベリーが使われたペミカンは、インディアンたちの間でもっぱら冠婚葬祭などの特別な場合に、現在でも食べられている。パウワウにも供されることが多い。脂肪分の少ない肉と骨髄の脂肪で作られたペミカンが最上級とされるなど、毛皮交易時代のペミカン購入者の間では厳格な仕様が存在していた。語源はクリー語の「ピミーカーン」 (pimîhkân) で、「pimî」は「脂肪」を意味する。ロバート・スコットやロアール・アムンセンのような極地探検家の間で、高カロリー食品として利用された。適切に包装されたペミカンは、長期間保存することができた。多くの場合砕いた極地用ビスケットとともに湯に溶いて一種のシチューであるフーシュとして供された。日本においても、大学山岳部などによる長期に及ぶ冬季登山などにおいて、伝統的によく利用されている(た)。日本の登山者が手作りするペミカンは、本来の物とは異なり、現地での調理の手間の省略や燃料の節約のための、簡易料理の一種といえる。近年では、市販のレトルト食品が発達し、利用されるので、ペミカンを知らない者も多い。作り方は、出発前に、肉(豚肉・鶏肉など)と野菜(タマネギ・ニンジン・ジャガイモ・ピーマン・キノコ・ニンニクなど)を細かく刻んで、調味料(塩・胡椒など)で味付けして、ラードもしくはバターで炒め、油脂で具材を包み込んで密封するように、ジップ袋や容器に入れて、冷凍庫で冷やし固めて保存しておく。溶けては意味がないので、夏には向かず、冬向けの食品である。冬ならば現地で、数日から1週間程度、保つとされる。食べ方は、現地でコッヘル(アウトドア用の鍋)で、お湯を沸かして、ペミカンを投入して溶かし、練って食べるか、もしくは、お湯で薄めて、(シチュー用やカレー用などの固形・粉末)ルーや味噌(汁粉末)などの調味料を加えて、シチューやカレーや豚汁などにして食べる。パンに挟んで食べることもある。そのまま齧って食べることも出来る。イギリスの北極探検隊は、犬ぞりを引く犬に牛肉で作られたペミカンを与えた。このペミカンは「ボブリル・ペミカン ( pemmican)」、または単純に「犬用のペミカン」と呼ばれた。成分は2/3が蛋白質、1/3が脂肪であり、炭水化物は含まなかった。このペミカンは蛋白質の割合が高すぎて犬の健康に良くないことが後に確かめられた。アーネスト・シャクルトンの帝国南極横断探検隊(1914年-1916年)の隊員たちは、船が氷塊に阻まれ身動きが取れなくなった時に犬用のペミカンを食べて生き延びた。米軍は19世紀後半のインディアン戦争において、ビーフジャーキー、ピノーレ(コーンミール)とともに、ペミカンを軍用糧食に採用した。米軍は第二次世界大戦中に軍用糧食としてペミカンを参考に「ペミカンビスケット」を開発した。これは小麦・大豆・トウモロコシ・牛肉・レバーをペースト状にし、焼き上げた物であった。がネブラスカ州オマハで製造販売しているビーフジャーキーと、カリフォルニア州のインターマウンテン・トレーディング社(Intermountain Trading Co. Ltd.)が製造販売しているスナックバー型の携帯食に「ペミカン」というブランド名が使用されているが、どちらも上記の伝統的なペミカンとは異なる食品である。カカオ豆の脂肪分であるカカオバター(融点が34~36℃)から作られたホワイトチョコレートを溶かし、砕いたナッツ類(例えばピーナッツには30 g中に7.5 gのタンパク質が含まれている)とドライフルーツを混ぜ、型に入れて冷やし固めた物を、ペミカンの代用品とすることができる。高カロリー食品であり、そのまま齧って食べる。家庭で手軽に作ることができ、純植物性なのでベジタリアンにも適している。
出典:wikipedia
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