イスラーム教徒による性的マイノリティー迫害(イスラームきょうとによるせいてきマイノリティーはくがい)は、イスラームの教義との関連をめぐり激しい議論がかわされている分野である。歴史的に見て、ペルシアやトルコ、インドなどでは性的マイノリティー(主として同性愛者)に対して寛容な雰囲気が強かった。権力者の多くは美少年の小姓を抱えてさえいた。しかし現在ではイランに於いて同性愛者が死刑に処されるなど、イスラーム圏における性的マイノリティー、とりわけ同性愛者に対する待遇は劣悪であるといえる。国連で同性愛者への差別規定を廃止するよう求める決議案がイスラーム教国の反対に依り可決を見送られたこともある。これに対して、保守的イスラームの擁護者からはクルアーンやハディースを挙げてこれらの人権侵害を正当なものとする意見が出され、それに対して反イスラーム主義者はイスラームに於いて性的マイノリティーの権利の擁護は不可能だと断じた。但しリベラール・イスラムの存在や歴史的には性的マイノリティーへの寛容がイスラーム圏でも見られたことから、このような二項対立を疑問視する意見もある。イランでは同性愛は犯罪行為であり、被疑者が同性愛の事実を認めた場合死刑を含む刑罰で罰せられる。実際に処刑者も数多く出ており、国際社会の厳しい非難を浴びている。これは、ムハンマドやアリーが同性愛者を処刑したハーディス(伝承)に基づいたイスラーム法の同性愛者処刑規定をそのまま国法としたものである。イラン国内で同性愛者は、その性的指向を隠し生活しており、亡命者も数多く出ている。亡命が拒否された場合、イランに送還され死刑に処される危険性もあり、日本や欧州などでこのような亡命者の取り扱いをめぐって時折論争が起こることがある。また、前大統領のアフマディネジャドもホモフォビアの人物として知られており、このような差別政策を継続していく姿勢を明らかにしていた。エジプトでも同性愛者を含む性的少数者は厳しく迫害されており、たびたび摘発と逮捕が行われている。しかしイランに比すればやや状況は良好であり、死刑が執行されることは無い。サウジアラビアでは、同性愛者は宗教警察に当たる勧善懲悪委員会によって取り締まられる。発覚した場合逮捕され、ソドミー罪として死刑に処される。ガンビアの現大統領であるヤヒヤ・ジャメはイスラーム原理主義者としても知られ、同性愛者に対して激しい憎悪を燃やしている。2008年5月には、国内の同性愛者に対して国外退去か死刑かを選ばせる通告を発した。シリアとイラクの一部を占領し独立を主張しているイスラーム過激派組織「イスラム国」(ISIL)はシャーリアを都合よく解釈し同性愛者30人以上を殺害しているとされる。
出典:wikipedia
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