紀伊山地の霊場と参詣道(きいさんちのれいじょうとさんけいみち)は、和歌山県・奈良県・三重県にまたがる3つの霊場(吉野・大峰、熊野三山、高野山)と参詣道(熊野参詣道、大峯奥駈道、高野山町石道)を登録対象とする世界遺産(文化遺産)。2004年7月7日に登録された。世界遺産として登録された「道」の先例であるサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路のあるスペインガリシア州と和歌山県とは両古道の姉妹道提携を締結している。具体的には、以下に登録資産の一覧、および、登録資産と日本国内法上の文化財指定の対応を示す。登録資産のうち、「吉野・大峯」、「熊野三山(補陀洛山寺除く)」、「参詣道」のうち「大峯奥駈道」および「熊野参詣道」の一部は吉野熊野国立公園に含まれる。また、「高野山」および「熊野参詣道」の一部は高野龍神国定公園に含まれる。熊野古道の世界遺産登録範囲を追加する申請が2016年(平成28年)1月にユネスコ世界遺産センターへ提出され、トルコのイスタンブールで開催される第40回世界遺産委員会で審議予定であったが、クーデター未遂事件により審議延期となった。追加対象は、中辺路から北郡越、長尾坂、潮見峠越、赤木越、小狗子峠、かけぬけ道、八上王子跡、稲葉根王子跡、阿須賀王子跡、大辺路から富田坂、タオの峠、新田平見道、富山平見道、飛渡谷道、清水峠、二河峠、駿田峠、闘鶏神社、高野参詣道から三谷坂(丹生酒殿神社等)、京大坂道不動坂、黒河道、女人道。追加区間の総延長は40.1kmあり、沿道自治体としては橋本市・上富田町・串本町が加わる。三重県尾鷲市で遺産登録地域の地権者が、抗議の意を込めて所有山林の立ち木に落書きをしており問題になっていた。一般的ないたずらの落書きとは違い、抗議が目的であるために強硬な措置は取られず話し合いにより解決する方向だった。これは、地権者に対する事前説明がなされずに遺産登録されたため、市教育委員会や市側の対応に不信感を持ったことによる抗議行動であった。抗議文は、平成21年にこの地権者の手によって消去された。遺産本体部分やその緩衝地帯、さらには(世界遺産には含まれないが)その周辺地域での損壊が絶えない。特に、参詣道跡である熊野古道周辺でそれが著しい。また、世界遺産登録後、観光客の殺到によって一部の遺産では荒廃が進んでいるとの指摘もある。2005年1月、関西電力は果無山脈に風力発電のための風車を建設する計画を発表した。果無山脈は遺産にも緩衝地帯にもあたらないが、熊野古道から容易に眺望しうるため景観に悪影響を与える恐れがある。また、果無山脈それ自体が近隣の河川(熊野川、日置川、富田川、日高川)の分水嶺となっており、工事による河川への悪影響が懸念されている。中辺路・大辺路を中心に2002年頃から数度にわたり、地元自治体の公共事業(古道の整備を目的とする)、古道とその周辺での植生の刈り払いが何度か行われたが、景観の悪化や、貴重な照葉樹林の損失など、むしろ弊害が大きく批判の対象となっている。加えて、いくつかの事例には和歌山県が関与している他、国の緊急地域雇用創出特別基金事業の下で行われた県の公共事業「緑の雇用事業」の一環であるものもあるなど、行政当局の遺産保護に対する姿勢や「縦割り」の弊害を問う声があがっている。2011年に、熊野速玉大社の所有に掛かる山林が、同大社や新宮市教育委員会などの許可を得ないまま無断で伐採されていたことが判明した。地元住民から「日当たりが悪い」などの苦情を受けた地元森林組合が、森林の一部を伐採していた。2005年3月、和歌山県世界遺産条例が制定された。
出典:wikipedia
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