数学において、 個の元をもつ有限体 上で定義された非特異射影代数多様体 の合同ゼータ関数 (congruent zeta function) (または局所ゼータ関数 (local zeta function))とは、 を の 次拡大体 上の の(有理)点の数(定義方程式の解の個数)としたとき、で定義される。変数変換 を行うと、これは の形式的冪級数としてで定義される。あるいは同じことだが、 が定義に採用されることもある。言い換えると、合同ゼータ関数 とは、有限体 上で を定義する方程式の の 次拡大体 における解の数の生成母関数が、 の対数微分となるような関数とも定義できる。有限体 が与えられたとき、自然数 に対し、拡大次数が である体 が同型を除き一意に存在する。 上の多項式からなる方程式系、あるいは、代数多様体 が与えられると、 における解の数 を数えることができ、その生成母関数を作ることができる。局所ゼータ関数 の定義は、 が に等しくなるようにする。つまり、とする。は、生成母関数 の微分に等しい。まず、一点からなる多様体を考え、多様体の定義方程式を とする。この定義方程式は、拡大次数 がどのような値であっても、方程式の解の数は、 となる。このことから全ての に対し、形式的べき級数の各係数が である場合と、 を一点からなる多様体として取ることとが対応する。従って、は、 に対する対数の展開であり、となる。さらに興味深い例は、 を 上の射影直線(projective line)としたときである。 が 個の元を持つとすると、この多様体は 個の点を持ち、この 個は無限遠点と考えるべきである。このことから、となり、が充分小さいとき、となることが分かる。この場合には、となる。これらの関数を最初に研究したのは、1923年のエミール・アルティン(Emil Artin)であった。彼は、超楕円曲線の場合の結果を得て、さらに曲線一般への適用として、理論の主要な点を予想とした。この理論は、F. K. シュミット(F. K. Schmidt)とヘルムート・ハッセ(Helmut Hasse)により開発された。 局所ゼータ関数の非自明で最初な例は、カール・フリードリヒ・ガウス(Carl Friedrich Gauss)のの論文 358 により、暗に与えられていた。虚数乗法をもつ有限体上の楕円曲線の特別な例は、円分の方法(cyclotomy)により、それらの解の個数を数えることができる。定義やいくつかの例については、も参照。 と の定義の間の関係は、多くの方法で説明することができる(例えば、以下の の無限積の公式を参照)。実際は、(一般の代数多様体に対しても、)この方法は、 が有限体上の楕円曲線 の場合のように、 は の有理関数となっている。関数 は多重のとなっていて、大域的ゼータ関数(global zeta function)を得る。これらは、異なる有限体を意味していて、 が全ての素数を渡るときの体 の族の全体を意味している。これらの関係の中で、変数 は が代入される。この はディリクレ級数に使われる伝統的な複素数変数である。詳細はハッセ・ヴェイユのゼータ関数を参照。このように理解すると、例で使われた 2つの場合の の積は、formula_14 と formula_15 となる。 上の非特異な射影曲線 に対し、 を曲線 の種数とし、 を曲線を定義する次数 の多項式とすると、となる。と書くと、有限体上の曲線のリーマン予想は、となるということを言う。例えば、楕円曲線の場合は、2つの根を持っていて、根の絶対値が であることを容易にしめすことができる。楕円曲線のハッセの定理は、2つの根が同じ絶対値を持ち、このことは(楕円曲線の)点の数の直接的な結果であることを言っている。アンドレ・ヴェイユ(André Weil)は1940年頃、このことを一般的な場合に証明した ("Comptes Rendus" note, April 1940) が、代数幾何学を建設するために多くの時間を注ぎ込んだ。このことから、彼はヴェイユ予想へ至り、グロタンディエク(Grothendieck)はこの予想の解決のため、スキーム論を開発し、最終的に予想は後に、ドリーニュ(Deligne)により証明されることとなった。一般論の基本公式については、エタールコホモロジーを参照。この式は、フロベニウス写像に対するレフシェッツ不動点定理の結果である。ここに formula_20 は、 個の元を持つ有限体 上の有限タイプの分離的スキームであり、 は formula_21 のコンパクトな台を持つ幾何学的フロベニウス作用である。formula_21 は の代数的閉体への formula_20 のリフトである。このことは、ゼータ関数が の有理関数であることを示している。である。ここに、積は の閉点 全てを渡り、 は の次数である。局所ゼータ関数 は の変数変換を通して、複素数変数 の関数と見ることができる。上で議論した が多様体 の場合は、閉点は formula_25 上の点 の同値類 のこととなり、2つの点の同値とは 上で共役なこととなる。 の次数は の座標により生成される の拡大次数である。無限積 の対数微分は、容易に、上で議論した生成母関数と見なすことができる。すなわち、である。
出典:wikipedia
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