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鳴尾事件

鳴尾事件(なるおじけん)は、1950年9月9日に、兵庫県武庫郡鳴尾村(現在の西宮市)の鳴尾競輪場(後の甲子園競輪場)で起こった騒擾事件。1950年9月9日の第11レース(B級選抜)は、実用車を使用して9車立てで行われたが、1周目を終えた時、ある本命視された選手より、クランクピンが緩んだのでレースをやり直したいと審判員に申告があり、自らはコースを離れてスパナで緩んだピンの締め直しを行った上でレースに復帰した。だがレースは中断されずに継続され成立し、結果として払戻金が11820円の万車券となった。この時点で観客からは罵声や怒号が上がったものの、審判部より同選手を審議対象にするとの場内アナウンスが流れたため、一部のファンを除いて騒ぎが収束するとともに、次の第12レースの車券も発売開始され、順調に発売されていた。ところが、審議結果の発表前より審判台周辺で警察官などと押し問答を繰り返していた一部のファンが、対象選手を1ヶ月の謹慎処分とするアナウンスが流れるや否や、金網を破って走路内に侵入して騒ぎ出したところ、他のファンも騒ぎ出してしまった。このため、場内警備に当たっていた他の警察官が応援に駆けつけたが、別のファンが警備が手薄になった投票所に殺到し、棒などで施設を破壊し始めるに至った。このため、これ以上の開催継続は困難と判断した主催者側は、第12レースの開催中止と車券の買戻しを発表し、事態の沈静化を図ったが、既に暴徒化していた観客は、待機中の消防車を奪ってガソリンを抜き取り、投票所に放火した上で侵入し、第12レースの売り上げ分を含む売上金の強奪を図った。事務所内に僅かに残っていた警察官は、現金強奪を図る暴徒に向けて威嚇射撃を行ったが、1名が流れ弾に当たって死亡し、騒乱は最高潮に達した。丁度この頃、応援に駆けつけた警察官やアメリカ陸軍のMPが到着して鎮圧を開始し、騒乱の扇動者や事務所に放火した多くの観客を逮捕するとともに、場内に留まっていたファンの場外への誘導に務め、騒乱発生3時間後の午後8時にようやく沈静化した。鳴尾競輪場は、この直前の9月3日に関西地方を直撃したジェーン台風のため、メインスタンドや投票所の屋根が吹き飛ばされた他、施設に大きな被害が出た。このため主催者側では明石競輪場で代替開催する事も検討したが、災害救援レースと銘打ち、収益の全てを災害復興資金に充てる事で開催に踏み切った経緯があったが、結果的に裏目に出た。事件直後より、新聞紙上では「競輪を廃止せよ」の論調一色となった。このため、9月14日に通産省は鳴尾競輪場での開催中止を指令するとともに、各競輪場の施設改善や騒乱発生防止対策の導入を指示したが、既に世論は政府にまで達しており、当時の吉田茂首相が関係閣僚と会見して競輪廃止の方針を確認した上、閣議了承するに至った。この結果、9月16日からの全国一斉の2ヶ月間の開催自粛を決定するとともに、政府内で競輪存続の是非を検討したが、最終的には競輪存続が決定した。しかしながら、世論では引き続き競輪廃止論が収まらなかったため、選手の資質の改善や開催方法の見直し、施設改善などの運営方法の改善を図るなどして競輪再開への環境整備に努め、11月15日に開催再開された。1951年には、日本共産党より競輪廃止法案が提出され、大差で否決されたものの、引き続き諸制度の見直しを行った。なお、騒乱の舞台となった鳴尾競輪場は、甲子園競輪場と名称を改めるなどして、同年にレースを再開した。また、この事件をはじめ、各地の競輪場や競馬場で発生した騒乱事件や、ギャンブルを社会悪と見る風潮から、1955年には、当時の河野一郎農林大臣が「公営ギャンブルの開催は土日に限定させるべき」という談話を発表し、事件の印象が強く残る関西地方の競輪場では、豊中競輪場や神戸競輪場、明石競輪場を始め、収益が好調であった大阪市の2競輪場も閉鎖されるなどの影響が出た。事件以前は競輪を「きょうわ」、「きょうりん」と発音していたが、鳴尾事件が発生した時に語られた揶揄(「狂輪」や「恐輪」など)を避けるため、事件以降は「けいりん」に改められた。さらに、鳴尾村は上述のようにジェーン台風による被害を受けて財政的に厳しい状態となっていたが、この事件で競輪の収益が断たれたこともあって危機的な状態となり、翌1951年4月1日に西宮市へ編入された。事件の発端となったクランクピンの緩みは、本来競走向きではない実用車(一般の商用タイプの自転車)を競走に使用していることから、この事件が発生する前から何度か発生していたといわれる。このため、事故報告書においては、自転車のクランクピンの材質に問題があり、弛緩防止のための材質変更などを防止策の一つとしてあげている。

出典:wikipedia

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