広報チューン(こうほうチューン)とは、自動車メーカーがマスメディア用の試乗車に特別な改造(チューニング)を施す行為、または施された改造そのもののことを指す俗語、業界用語である。広報チューンされた車両が存在するという噂には根強いものがあったが、それが確認された例は多くない。文献上で広報チューンの存在が確認出来るのは、福野礼一郎が報告した初代ソアラの事例、後述の土屋圭市のR33GT-Rの事例程度である。福野によると、初代ソアラの広報車のエンジンは設計寸法ぴったりの部品を吟味して組み立てられていた上、エンジンコントロール用のCPUも福野自身が購入した市販車のものとは異なっており、このCPUを福野の所有する個体に移植した所、最高速度が時速193キロから198キロに向上したとのことである。また広報車の最高速度は、福野が計測したところによれば時速203キロ以上であったとされる。元日産テストドライバーの三好俊秀によると、日産では広報車をメディアに貸し出す前に整備してベストコンディションにする仕事は実験部(=テストドライバー)の担当であったとされる。これは「もっとも設計値に近い、ベストな状態」にして貸し出すのが目的であったとのことである。ビデオマガジン・ベストモータリング1995年4月号の中で国産メーカーのスポーツカーによる筑波サーキットでのレースが行われた。出場8台中、日産・スカイラインGT-R(R33型)が広報車として2台参加して行われる予定だった。ところが、三菱・ランサーエボリューションIIIがトラブルで出走できず、代役として急遽、レギュラー出演者である土屋圭市が所有していたVスペックがエントリーすることになった。しかし、広報車のGT-R2台(清水和夫ドライブのR33型Vスペック、黒澤元治ドライブのR33型ノーマル)に比べて明らかに速さが異なり、広報車は8台中1位(Vスペック)と2位(ノーマル)で独走する中、土屋のVスペックはこの2台に対して1~2秒遅いベストラップでの周回を余儀なくされ三菱・GTO(桂伸一ドライブ)やトヨタ・スープラ(大井貴之ドライブ)と共に後方集団に埋もれることとなった。また途中から油温の激しい上昇に悩まされ、これ以上の走行はマイカーを壊すことに繋がるとして自主的にペースダウン、リタイアした。この際、日産自動車側からは、スポーツ走行を前提にオイルクーラー、nismo製のブレーキパッド、ブレーキ導風板のみ追加されていると説明がされていた。しかし、レース終了後に車体を調査したところ、実際にはそれどころでは無く、土屋の所有車に対し、広報車は車高リア5mm、フロントでは15mm下げられており、フロントキャンバー角に至っては土屋車より1度以上角度を付けていたと言う結果が測定された。この件に関して土屋は、「(広報車で取材してきて凄く良かった、)だから俺は買ったんだよ自分でさ。(なのに市販車と広報車で全然違うじゃないか)」「俺の他にもGT-Rを購入した人は2500人といる、そういう人達に本当の性能を明らかにすべき。」と、なだめようとする大井貴之を制して憤りを露わにした。また、ノーマルグレードのGT-Rをドライブしていた黒澤はレース途中からコメントを挟まなくなり、企画の最後に「(土屋)圭市の方はさ、自分で買った車でしょう?僕のはノーマルで。もうコメントしなくていいと思います。」と総括し、明らかに性能差があったことを含んだ発言をしている。
出典:wikipedia
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