熱中症(ねっちゅうしょう、"hyperthermia"、俗に "heat stroke, sun stroke" ということが多い)とは、暑熱環境下においての身体適応の障害によっておこる状態の総称である。本質的には、脱水による体温上昇と、体温上昇に伴う臓器血流低下と多臓器不全で、表面的な症状として主なものは、めまい、失神、頭痛、吐き気、強い眠気、気分が悪くなる、体温の異常な上昇、異常な発汗(または汗が出なくなる)などがある。また、熱中症が原因で死亡する事もある。特にIII度の熱中症においては致死率は30%に至るという統計もあり、発症した場合は程度によらず適切な措置を取る必要があるとされている。また死亡しなかったとしても、特に重症例では脳機能障害や腎臓障害の後遺症を残す場合がある。熱中症は、屋内・屋外を問わず高温や多湿等が原因となって起こり得る。湿球黒球温度 21〜25℃あたりから要注意になるといわれている。国立衛生研究所の資料によると、25℃あたりから患者が発生し(段階的に増え)、31℃を超えると急増する。日射病とは違い、室内でも発症するケースが多い。高温障害で、日常生活の中で起きる「非労作性熱中症」と、スポーツや仕事などの活動中に起きる「労作性熱中症」に大別することが出来る。下記の熱中症の分類は臨床医療の現場で混乱を招くため、熱中症I度・II度・III度と記すように日本神経救急学会の熱中症検討委員会により改定された。年々増加傾向にある。発症者を年齢層別で見てみると65歳以上の人が半数以上で、年齢が高いほど発症率が増している。年齢帯ごとに発生が多い場所(特徴的な場所)は次のとおり。なお日本において、熱中症については厚生労働省、文部科学省、環境省でそれぞれ指導・対策が公表されている。出典:新潟大学保健管理センター『熱中症とは何か』より引用し改変病態生理学に基づいた国際分類では下記のような用語が用いられている。専用施設ではなく空調設備も無い学校の部室や稽古場等では、夏場になると室温が高くなり練習量の多寡とは関係無く熱中症が発生しやすくなる。根本的には環境温度を熱中症を発症する温度以下にすることである。しかし、熱中症を発症の危険性がある温度環境下で過ごす場合は、人に対する対策が必要である。厚生労働省による『H27熱中症予防リーフレット』などにれば、下記の例が予防策として上げられている。運動時における予防策として日本体育協会により下表の様な「熱中症予防の為の運動指針」が掲げられている。全身の冷却が行われるが、応急処置として体表面体温の低下の為に冷却輸液、氷嚢や蒸散冷却、胃洗浄などが用いられ、同時に血液中の電解質バランスを正常にするための輸液、人工透析も行われる。2015年に日本救急医学会から『熱中症診療ガイドライン2015』が発表され、ガイドラインに沿った治療が行われる。前述「熱中症の重症度分類」表 II度とIII度は医療現場での対処が行われ、中枢神経症状、肝・腎機能障害、血液凝固異常などの臓器障害を呈しているならば入院治療が必要となる。更に、基礎疾患の既往、服用薬歴、意識レベル、自力歩行の可否、食事の摂取状況など様々な視点から治療方針の判断が行われる。特に、III度重症患者では短時間で深部体温を平常体温にまで下げる必要があるため、水冷式のジェルパッド、心停止後症候群治療時に使用される低体温療法用装置、血管内冷却カテーテルが用いられ、有効性が報告されている。鑑別が必要な疾患として注意が必要なのは糖尿病、高血圧の既往歴を有する場合で、低血糖発作、心筋梗塞や脳梗塞などの血管梗塞の症状を誤認し適切な対応が遅れる例が報告されている。重度の熱中症になった場合、深部体温が上がって高発熱状態になった段階で徐々に脳細胞が死滅するとされる。仮に救命できたとしても、間脳の視床下部に存在する体温調節中枢に永久的な障害を残す場合もある。もしも体温調節中枢に障害が残ると、以後、極端な高温や低温に対する耐性が低くなってしまう。この他、幻覚、視力低下、構音障害(吃り、呂律が回らない)、運動障害、意識障害、肝機能低下、痙攣、等の後遺症が残った例もある。イヌは汗腺が少ないため特に5月から10月にかけて熱中症にかかりやすいとされている。散歩の際には地面から体までの距離が人よりも近く舗装道路からの反射熱がイヌに大きな影響を及ぼすため注意が必要とされている。高温多湿地域であるギニア出身のオスマン・サンコンは「熱中症」に該当する症状はギニアで聞いたことがなく、日本に来て初めて知った。
出典:wikipedia
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