江原 正士(えばら まさし、1953年5月4日 - )は、日本の声優、俳優、ナレーターである。神奈川県出身。81プロデュース所属。血液型はO型。東京都立千歳丘高等学校卒業後、東宝芸能アカデミーに通い演技を学ぶ。ミュージカル路線転換前で新劇も上演していた劇団四季に所属し、セリフの発声法など演技の基礎を磨く。その間に観劇した舞台での西田敏行の演技に感動し、約3年間在籍した四季を退団して劇団青年座映画放送部に移籍する。映画放送部だったため主に出演していた舞台は青年座が主催する青年座劇場の公演ではなく、地方巡業した緒形拳主演の『王将』や神保共子・井川比佐志・西田敏行出演の『セチュアンの善人』など当時青年座のプロデューサーだった金井彰久が企画・製作した作品、その他民音や労演等の演劇鑑賞団体が企画した作品といった外部の舞台劇だった。そして青年座の仕事で1979年の『若草物語』でローリー役を演じ声優デビューした。その後別の劇団への移籍を経て、1981年から劇団員が吹き替え声優として活躍することが多い劇団昴 に所属し、昴の公演や商業演劇などの舞台俳優として活動する傍ら、俳優として大河ドラマや2時間ドラマなどに出演したり、映画の吹き替えなど声優としても活動していた。次第に声優業が仕事の大半を占めるようになったため舞台への出演が少なくなり、1990年に退団後81プロデュースに所属し、以降は主に声優として活動している。フジテレビで月曜深夜に放送されていた『二か国語』には顔出しで出演し、毎回1本の海外映画を紹介した後その中の台詞を取り上げ、番組独自の翻訳で解説進行するキャスターを1994年から2002年まで8年間務めた。2015年12月に千葉県柏市で行われた数学者 秋山仁と女優 由美かおるのライブをプロデュースするなど声優とは違った一面も見せている。役を作り込みシリアスな役からコミカルな役、陽気な役柄から冷酷非道な悪役まで、役柄を問わない多彩な演技力を持つ。洋画吹き替え、アニメーションなど媒体を問わず幅広く出演する。数多くの洋画吹き替え作品に出演しており、トム・ハンクスをはじめ、ウィル・スミス、ウェズリー・スナイプス、エディ・マーフィ、ビル・マーレイ、ロビン・ウィリアムズなどを持ち役としている。過去にはアレック・ボールドウィンやアンディ・ガルシアも担当していた。一般的な話しのスピードより速く喋ることもできるため、普段のスピードを仮定して翻訳されている台本では台詞が足りなくなることが多く、そのときは台詞を現場で足してもらったり自分で足したりするという。アドリブも得意であり、数々の作品で披露している。また吹き替えを演じる際は、演じる前に役者の事を十分にリサーチした上で演技を行う。役の入り込み方として、台本が届いてから何度も読み返していくとだんだん演じている俳優になりきっていくことができ、さらにそこからその俳優が演じようとしているキャラクターになることができると語った。本番に向けての練習方法として、台本を各シーンごとに集中的に見て、画面を見ながら台詞を言えるようにしているという。そして演じる声の高さは仕込みと呼ばれる演じる準備の段階で決め、その後は場面ごとに変えることはないとも話し、その理由を「声の高さにこだわりすぎ、伝えたいニュアンスが飛んでしまうことを避けるため」であると語った。他に『ターミネーター2』のT-1000など全編を通して台詞が少ない役を担当するときでも、その場の空気を感じるため、朝から晩までスタジオにいて緊張感を保つという。また、静かな役の場合は、はじめは静かにしてだんだんと声量を上げていくとも述べた。担当することが多い俳優について、特に担当回数が多いトム・ハンクスに関しては演技に何度も感服を受けて、好きになった俳優と語っており、『フォレスト・ガンプ』『レディ・キラーズ』などのコミカルな演技から『ダ・ヴィンチ・コード』『プライベート・ライアン』のようなシリアスな演技にかけてまで声を務めており、ハンクス独特の鼻声の喋りが、本人そっくりに声を吹き替えていると評価が高い。吹き替えを演じる上で、最も集中力を必要とする俳優の1人としてもハンクスを挙げており、「よくわからない喋り方をしているようで、実はものすごくコントロールしていて、役への集中力もある」、「それを合わせないと平板になってしまう」と理由を語った。ロビン・ウィリアムズに関しては、彼はストレスの強いしゃべり方をするため、そのアクセントを日本語に合わせるため仕込みに相当時間をかけると語った。そして日本人にはわかりにくい、人物のモノマネやギャグをよく披露するウィリアムズに対して、彼自身によるモノマネもあんまり似ておらず、彼に似せようと思うのではなく彼がやろうとしているキャラクターをつかむようにして演じているという。ウィリアムズを初めて吹き替えた『グッドモーニング, ベトナム』で「アメリカ側の勝手な正義感」をアドリブにより表現し、制作局から賞が贈られた。『ミセス・ダウト』のフジテレビ版では、普通なら原語を流用するオリジナルのスクリプトにも記載されていなかった冒頭の早口気味なイタリア語の歌も、翻訳を担当した松崎広幸が昔から江原と親しく、松崎が「速く喋れる江原さんだから歌ってもらおう」と耳から起こす形で歌詞を採って、吹き替えで歌うことになった。その歌を吹き替える際に、ウィリアムズは独特のタメが入るため、尺どおりに歌うとうまく合わないといい、ウィリアムズのタメをつかむために、電車に乗っているときにも歌を聴いたりするなど、歌を合わせるのに苦労したと語った。『アンドリューNDR114』では、ウィリアムズが演じるロボットのアンドリューを、吹き替えでロボットであることをどのように表現するかが大きなポイントで、その役作りとして最初はぎこちない話し方で喋り、アンドリューがバージョンアップしてだんだんと人間味を帯びてきたとき、人間的な表現で自然な台詞になるようにしたと語った。また、エディ・マーフィは台詞を言うテンポがあるため演じやすく、イメージでいうとダフィー・ダックのような感じであると語り、逆にビル・マーレイは、台詞が言いっ放しで演技のテンポがバラバラなため、それにあわせるのが難しく、前述のロビン・ウィリアムズはその中間であるとも述べた。ウェズリー・スナイプスについては、よく喋るが首や目の動きにアクセントがあり、それに合わせるように喋るとうまく合うと語った。ウィル・スミスに関しては、『メン・イン・ブラック』で初めて吹き替えを担当することになり、ラッパー出身で当時俳優としては新人だったため日本ではあまり知られていなかったスミスの「独特なノリとキレのいい若々しいキャラクター」に魅力を感じたという。そこで、映画の設定の新人エージェントである点を意識して「人のいいノリのいい若者」という役作りを行い、表情豊かなスミスの台詞あわせについてかなり努力したと語った。同業者からは台本への書き込み量の多さでも知られる。土井美加や牛山茂と同じように、ディズニーキャラクターを多く演じているが、ポニー、バンダイ発売のビデオではすでに絶版になっている。ただし、モーティマー・マウスの声と、『美女と野獣』(ルミエール役)のようにブエナビスタジャパン発売のビデオで江原が演じたキャラクターの声は今でも聞くことができる。またディズニーのライバルと言えるワーナーでもルーニー・テューンズにおいて、旧録ではダフィー・ダック、旧録・新録ともにシルベスターを担当しており、洋画アニメでも多彩なキャラクターの声を務めている。特技は殺陣。趣味はドライブ、小さい文房具集め。性格は気さくで明るく、話好きで収録の合間にはよくスタッフや他の声優と話をしているという。山寺宏一は2003年の『宇宙船レッド・ドワーフ号』声優インタビューで、江原を「語りたがる人」と述べている。また、『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』で共演した森田成一によると芝居の熱量がすごいという。昔は半健康オタクで、自分で浄水した水をドイツ製水筒に入れて持ち歩いていたと語っている。その他に『えいご漬け 文法/語順』の解説・例文を担当した英語教材編集者の鈴木希明によると英語の発音が抜群で、江原のマネージャーは、江原は耳がすごくいいと語った。1998年当時のインタビューで仕事が休みのときは新しい映画を映画館で鑑賞すると語り、そのときは字幕版で見るという。理由として、その吹き替えを後に自分がやる場合があり、人の吹き替えを見ると違った方向の演技にしてしまう性があるためだと語っている。自分が吹き替えた作品も、「反省点が気になりすぎてしまい、ほとぼりが冷めるまで見ることができない」とも語った。収録では、ライブ収録という複数の声優が掛け合いで演じることが好きだと語った。ライブ収録時の感覚をジャズのグルーヴ感に近いといい、自分と映像と相手が三位一体となって呼吸し、それが合った瞬間にグルーヴが生まれるとも語り、演じているその相手に感動するという。1人で収録することが多くなった現在でもライブ収録を意識し、何回も収録することがあるという。吹き替え製作は1本の作品を創作することに等しいかという質問がされたときは、芝居のリアリティを掘り起こすという意味では完全な創作であると語った。そして、吹き替えはスタッフとキャストのチームとして製作するもので、キャストだけではなく製作スタッフからも意見を聞いたほうがいいとも述べた。また、吹き替えるときはただ俳優の口の動きに合わせるだけではなく、ドラマ性も失わないようにすることも大事だと語っている。アドリブに関して、ゲームなどではリアルな会話にするため空白部分を埋める目的と役のイメージを補強するために、吹き替えでは元のニュアンスだと見ている人に伝わらないようなときなどに入れているという。またアドリブを入れるときの秘訣を聞かれたときには、不要ならばアドリブ部分を編集で消してもらう気持ちで、恐れずに入れることだと答えた。共演することが多い堀内賢雄によると、『宇宙船レッド・ドワーフ号』の吹き替えでは各声優が音響監督の向山宏志と演技や考えたギャグなどキャラに合った台詞への修正、アドリブの方向性を話し合っていたがその中でも江原は一番回数が多かったといい、多忙のため別録りだった山寺宏一を除いたメンバーでの収録時に向山と江原が毎回長く話し合っていたため、堀内は度々待たされていたと話した。江原自身は台詞を変更することについて相談した結果、音響監督によっては全部元に戻すよう言われたこともあったと述べた。テレビの洋画劇場で吹き替え新録がテレビ局ごとに頻繁に行われていたころ、エディ・マーフィ、ロビン・ウィリアムズ、トム・ハンクスなど江原が担当した俳優を、同作品の別の吹き替え音源で担当することが多い山寺をライバル視しているかという質問に対して、「配役は上の人が決めるため、やりたいと思ったからやれるものじゃないので、当事者である役者同士は意識してないと思います」と答えた。アニメのインタビューでは若者が持つ「青春のパワー」を描いていることに言及することが多く、若い人たちがアニメを通して「青春期のエネルギーをなんらかの方向性を持って沸き立たせていけると嬉しい」と語った。普段も携帯しているデジタルカメラなどのデジタル家電が好きで、スタジオなどで撮影した写真を編集して配ったりしている。また『NARUTO -ナルト-』で共演している同じくデジタル家電好きの伊藤健太郎と収録の合間にその話題で盛り上がっているという。2005年のオー!NARUTOニッポン出演時には文房具も好きだと話し、新宿の『NARUTO -ナルト-』の収録スタジオに行く途中にある大きな文房具店で、世界各国のマニアックな文房具を探すことが日課となっていると語った。テレビアニメ『それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』では美形の敵役「メオ・トロルのフーリガー」を演じていたが、この役が気に入っていたらしく、江原から届くメールの署名が「フーリガー司令」となっていたと高山みなみが語っていた。『NARUTO -ナルト-』のマイト・ガイ役では、アドリブを盛り込み台本通りに演じたことがほとんどなく、収録のときには既に台詞を暗記していて、台本を持たずに演じているとうずまきナルト役の竹内順子が語っている。それについて本人は「ガイを演じる際はガイになりきってしまうため、彼が言わないような台詞をアドリブで変えてしまう」と説明した。『かいけつゾロリ』で江原が演じたガオンは、山寺宏一が演じたゾロリのライバルとして登場する。このガオンは、原作者の原ゆたかが『カウボーイビバップ』の大ファンで、作品で山寺演じる主人公スパイクのライバルである江原演じるアンディを見て「彼のようなキャラクターを、『かいけつゾロリ』にも登場させたい」とインスパイアされて生まれたキャラクターであり、アンディと同じく江原がガオンの声を演じることになった。フジテレビで放送されていた『ゴールデン洋画劇場』では様々な役の吹き替えを担当していたが、二枚目の役はもっと若いころにやりたかったと語っている。中でも『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のトム・クルーズを担当することになったときは、普段担当することがないタイプであるため焦ったといい、この役について本人は「(ヴァンパイアという)お化け」として割り切っているという。しかし個性派俳優を担当することが多く 正統派の二枚目俳優を担当することが少ない江原自身は、『スピード』のキアヌ・リーブスなどの役が来ると嬉しいとも語った。ゴールデン洋画劇場で演じた中で気に入っている作品は、ジェームズ・ウッズの『サルバドル/遥かなる日々』とロビン・ウィリアムズの『グッドモーニング, ベトナム』だと答えた。前者はたくさん喋った最初の作品で原語でもアドリブが多かったため、吹き替えでもかなり台詞を足したといい、江原本人はウッズの最高傑作だと語っている。後者は、アメリカの正義を表現するため「オレたちは君たちを助けに来たんだ!」という台詞をアドリブで入れ、それが放送で使われたことが嬉しかったという。インタビューで声優になるきっかけを聞かれた際に、声優として最初にもらった仕事の『若草物語』のローリー役については常にアップで写っていて台詞が少なく等身大で合わせやすかったが、その劇団では声優としての仕事はそれっきりだったと答えた。別の劇団に移籍後、前の劇団ですでに声優デビューしていたことでプロ扱いになっていたため、そのキャリアを抹消しデビューし直すことになった。しかし、その後すぐにもらった吹き替え収録の際に、最初の仕事のようなアップで喋るシーンがない白黒のフランス映画だったためどこで喋っていいかわからず、全然違うところで喋るなど失敗を重ねたために結局その劇団では在籍中二度と声の仕事がもらえず、劇団昴に移籍するまでしばらく干された状態だったと語った。2012年のインタビューで印象に残っている作品を聞かれたときは、印象に残る作品はたくさんあるがふと思い出した作品が『3人のゴースト』で、心温まる作品だと答えた。そのインタビューでは、吹き替え作品で共演が多かった野沢那智や若手を含めて好きな人はたくさんいるが、中でも前述の『3人のゴースト』や『アンタッチャブル』などで共演した富山敬の仕事への真摯な姿勢を模範にしたいとも語った。※太字はメインキャラクター。1979年1987年1988年1989年1990年1991年1992年1993年1994年1995年1996年1997年1998年1999年2000年2001年2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年 2009年2010年2011年2012年2013年2014年2015年1986年1988年1989年1990年1991年1992年1993年1994年1995年1996年1997年1998年1999年2000年2002年2004年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2015年1988年1989年1991年1992年1993年1994年1997年1998年2001年2002年2003年2005年2006年2007年2012年2014年2016年1994年1995年1998年1999年2000年2001年2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年2015年2016年アレック・ボールドウィンアンディ・ガルシアウィル・スミスウィレム・デフォーヴィンス・ヴォーンウェズリー・スナイプスエディ・マーフィカート・ラッセルジェームズ・ウッズジョン・C・ライリーチャーリー・シーンテッド・ダンソントム・ハンクスニコラス・ケイジビル・マーレイブルース・キャンベルマーティン・ショートマーティン・ローレンスマイケル・ダディコフロビン・ウィリアムズ1976年1985年1986年1987年1988年1989年1990年1991年1992年1993年1994年1995年1996年1997年1998年1999年2000年2001年2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年2015年2016年不明1984年1987年1989年1990年1991年1992年1993年1994年1995年1996年1997年1998年1999年2000年2001年2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2013年2015年2016年1989年1993年1996年2011年2012年1989年1990年1991年1992年1993年1994年1995年1996年1997年1999年2000年2001年2002年2003年2004年2006年2007年2008年2009年2010年2012年2015年2016年以下はすべて「漢詩をよむ」講師の宇野直人との対談方式
出典:wikipedia
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