『不思議惑星キン・ザ・ザ』(ふしぎわくせいキン・ザ・ザ、露原題: "Kin-dza-dza!")は、1986年発表のソビエト連邦のディストピアコメディー・SF映画。モスフィルム製作、ゲオルギー・ダネリヤ監督、ゲオルギー・ダネリヤ、レヴァン・ガブリアゼ脚本。135分のカラー映画である。ロシア人の間でカルト的な人気を集め、同国民は作中のユーモラスな対話をしばしば真似する。ソ連全土で1570万人の驚異的な観客を動員。その後も世界中でカルト的人気を博し、日本でも上映された。監督自身の手になるアニメ版『』が、2013年に公開された。上映時間は100分。舞台が21世紀はじめに移され、登場人物にも一部変更がある(マシコフとゲデヴァンが、それぞれ世界的チェロ奏者のウラジーミル・チジョフとその甥でDJ志望のトーリクに変更)。1980年代の冬のモスクワが舞台。「ヴォーヴァおじさん」()ことマシコフと「ヴァイオリン弾き」()のグルジア人学生ゲデヴァンは、異星人を名乗る裸足の男の持つテレポート装置によって、キン・ザ・ザ星雲の砂漠の惑星プリュクに飛ばされてしまう。地球へ帰るための2人の長い旅が始まった。星の住民は地球人と同じ姿をしており、見かけによらぬハイテク技術と、地球人類を風刺したかの様な野蛮な文化を持っていた。彼らはテレパシーが使え、通常の話し言葉は「クー」と「キュー」のみで、後者は罵倒語、前者がそれ以外を表す。しかし彼らはすぐにロシア語を理解し、使うことができる。社会はチャトル人()とパッツ人()という2つの人種に分かれており、支配者であるチャトル人に対して被支配者であるパッツ人は儀礼に従わなければならない。両者の違いは肉眼では判別できず、識別器を使って区別する。この星を支配しているのは武器を使って好き勝手に威張り散らしている「エツィロップ」と呼ばれる警官たちである。プリュクの名目上の為政者はPJ様()と呼ばれ、人々は彼を熱烈に崇拝するが、自身は無害で無口な人物に見える。プリュクにおける燃料は水から作られたルツ()というものである。自然の水は取り尽くされ、飲み水は貴重品となっており、ルツから戻すことでしか手に入らない。プリュクではマッチ棒(の上の化学物質)が非常に高価なものであり、カツェと呼ばれて事実上の通貨となっており、所有者は特典が受けられる。ディストピアな設定はソビエト社会の寓意的描写ではないかと言われる。実際ダネリヤの監督としての高い評価が、この奇妙で曖昧な映画がソビエトの厳しい検閲を通り抜けた唯一の理由であると言われている。作中では解説が若干省かれているので解りにくく、理解するには前後の伏線を注意深く頭に留めておく必要がある。
出典:wikipedia
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