クラブチーム(Club Team)とは、スポーツチームにおける運営形態の一種であり、スポーツ分野において企業ではなく、地域や出身校を背景とした有志により運営される同好会組織を指す。クラブチームは、会員による個人会費や後援会組織、支援企業などからの広告料収入、地元自治体等からの支援により運営されるのが一般的である。また、日本ではこの他にもスポーツ振興くじ(toto)からの配当金による助成もある。地域のコミュニティの中で行われるスポーツ組織には、スポーツ少年団から主婦や高齢者の余暇活動まで様々なものがあり、地域活性化に貢献する側面を有する。ドイツでは、こうした地域活動の中からサッカークラブが生まれてきたと言われる。実際、ヨーロッパでは、古くから行政区分や職業、学校、教会などといった共通の交流機会を持った人々が主体となって、彼ら自身が文化的なスポーツ活動を行う際の場として結成していた。場合によっては一つの団体が複数のプロ・アマチームを運営している事も珍しく無い。歴史的に著名なプロサッカークラブの中には地域の総合型スポーツクラブのサッカー部門から派生したものも多く、現在でもチームの運営形態によってはFCバルセロナなどの様にサッカー競技以外のスポーツ活動に携わっている事も少なくない。日本では、1907年に結成された野球チームである函館太洋倶楽部が最初のクラブチームとの説がある。その後は企業スポーツの隆盛に伴いクラブチームは衰退した。1993年のJリーグ誕生(Jリーグ百年構想)や1990年代に発生したバブル景気崩壊などによる企業スポーツの縮小傾向(実業団チームの相次ぐ休廃部や整理統合)が続くと、実業団チームの受け皿として地域住民や地域企業全体でチームを支える地域クラブチームが注目された。2000年の新日本製鐵での実業団の解体と堺ブレイザーズを始めとする地域クラブチームへの移行は、クラブチーム化の手本となった。社会人野球においては、バブル崩壊後の時期に既に日本野球連盟に所属するクラブチームの数が実業団の数を上回っており、平成20年頃には4分の3をクラブチームが占めている。湘南ベルマーレスポーツクラブのように、他種目のチームを保有する総合型スポーツクラブを志向する団体もあるものの、ほとんどのクラブチームは単一の種目のみを扱う。一つの総合型スポーツクラブが、多様な種目やレベルのチームを保有する欧米と異なる点である。実業団スポーツは、福利厚生施設として企業内に練習施設が整備されたことで発展した経緯があり、昭和時代から比較的クラブチームが発達したゴルフ、水泳、フィギュアスケートなどは、まず民間の練習施設があり、それを核にチームが形成された側面がある。実業団廃部後の受け皿として地域クラブチームを形成しても、練習施設が確保できなければ、いかに地域密着を唱えてもチーム力を保つことは難しい。実際、2001年に廃部となった雪印アイスホッケー部が地域クラブチームとして存続を試みた際も、会社の練習場を失った結果、1年で日本リーグから撤退した。また公共施設の利用に頼る中小のクラブチームにとって、練習場所や時間の確保は容易でない。相次ぐ実業団の廃部は、一企業の経営判断で名門チームが消滅させられることを明示した。これに対して、地域全体でチームを支える地域クラブチームは、安定した基盤を持ってチーム運営ができるものと考えられている。しかし地域経済の低迷が進む中、大企業ですらチーム運営できない状況で、地域密着を唱えるのみで中小企業や個人からスポンサー支援が得られるわけではない。実際は、多くの地域クラブチームでのスポンサー資金は十分でなく、運営は不安定である。例えば大昭和製紙北海道硬式野球部は1994年にヴィガしらおいとしてクラブチーム化し、その翌年には都市対抗野球大会にも出場したものの、1997年に大昭和製紙からの出向社員の受け入れを凍結して廃部となった。また、1998年の横浜フリューゲルスの消滅は、大手スポンサー企業1社が撤退しただけでチームの身売りや消滅に至り得ることを示した。地域クラブチームは、地域密着の名の下にスポンサー支援を得るためには、普段に交流イベントなどを行なわなければならない。これは、チームの選手がスポーツ活動に専念できない可能性を示している。実際に神戸9クルーズの監督が、練習に専念できないことにより運営サイドと対立したこともある。
出典:wikipedia
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