おサイフケータイは、携帯電話に埋め込まれたFeliCaチップ(ICチップ)を使ったサービス、およびこのサービスに対応したモバイルFeliCaチップを内蔵した携帯電話機、携帯端末の総称。「サイフ」とは称しているが、下記のとおり必ずしも売買の電子決済のみに用いられるものではなく、その用途は多岐にわたる。雑誌などで一部「お財布ケータイ」などといった誤記が見られるが、正式な商標・サービス名称の表記は「おサイフケータイ」である。システムの開発を行ったNTTドコモ(以下ドコモ)の登録商標(日本第4825451号ほか、全7件)であるが、携帯電話による決済インフラ自体の普及を優先させるため、囲い込みを行わず他社にもシステムや商標権がライセンスされ、ドコモ(2008年6月30日まで存在していたグループ内地域各社含む)、KDDI(連結子会社の沖縄セルラー電話を含む)、ソフトバンクモバイル(MVNO提携先のディズニー・モバイル・オン・ソフトバンクを含む。以下ソフトバンク)、ワイモバイル(ウィルコム沖縄を含む)の4キャリアともこの「おサイフケータイ」の名称を使用している。このため、他キャリアの紹介カタログやウェブページでは、脚注に「『おサイフケータイ』は株式会社NTTドコモの登録商標です」という記述がある。「おサイフケータイ」で提供されるサービスは、Edyをはじめとした電子マネー、各種会員証、量販店のポイントカード、鉄道やバス・旅客機の乗車券(乗車カード)・航空券、クレジットカードとしての利用など多岐にわたる。携帯電話本体のバッテリーからの電源供給によって動作し、携帯電話そのものを専用アプリを通じてFeliCaのUIとして利用することができる。さらに、ネットワークに接続したリーダー/ライター機能も内蔵しているため単独でFeliCaの読み書きができるだけでなく、他のカード・携帯機器等のFeliCaチップとのデータ交換も可能である。また、多数のサービスを1台の携帯電話で利用することが可能である。2007年(平成19年)現在、非接触IC内蔵の携帯電話が市場商品化されているのは日本だけであるが、NTTドコモはNear Field Communication (NFC) Forumに参加して国際標準化に向けて活動している。おサイフの名のとおり電子マネーとして店舗、自動販売機やインターネット通信販売での支払いの用途を中心に、乗車券・チケット・ポイント・会員証など、さまざまな用途に使われている。FeliCaチップを採用している電子マネーサービスEdyや東日本旅客鉄道の乗車カードSuicaなどが、おサイフケータイに対応している。これらの事業者にとっては、カード保有者の裾野を大きく広げることができるほか、モバイルサイトを通じたネット通販での買い物を支払まで携帯で完結できる、カードへの入金をiモードなどを用いて携帯電話だけで完了することで入金の手間をユーザーが省くことができる、従来書き込まれた情報を表示する機能がなかったカードに携帯電話の画面が付くことで、チャージ金額や利用履歴などを確認できる、iモードなどと連携したポイントサービスや最新情報の提供ができるなどのメリットがある。少額、あるいは端数金額の決済が容易である電子マネーの特徴を生かし、ゲームセンターでのゲーム料金の決済に利用される例もある。また、量販店のポイントカードや各種プリペイドカード・会員証など、1990年代から爆発的にその種類が増えたプラスチックカード類は、消費者・販売店双方にメリットがある一方で、全てを管理し持ち歩くことが消費者にとって大きな負担となっていた。おサイフケータイでは、それらサービスを1台の携帯電話に一本化することができる。2015年(平成27年)12月時点で、ヨドバシカメラのポイント還元・全日本空輸のマイル還元などが対応した。その他、電子チケットをネットワーク上からダウンロードし、おサイフケータイ対応携帯電話を「航空券やイベント入場券の代わり」にすることでチケット発行の手間を省くサービスや、複製困難な無形の鍵として、マンションの鍵に採用する事例もある。また、カード機能とは直接関わらないが、FeliCaチップに個別に内蔵されている独自の情報を利用して、高度なセキュリティ機能を実現できることから、おサイフケータイ対応携帯電話にクレジットカードの子カードとしての機能を付帯させるサービス「eLIOオーダー」をソニーファイナンスインターナショナルが提供していた。(2011年2月28日終了)この決済方法はクレジットカード番号を一切入力せず、FeliCaチップ内蔵の情報のみを使ってやりとりを完了させるため、技術的にも高セキュリティであり、ユーザーも安心感を得ることができる、と説明されている。パソコン上でのサービスはカードリーダー/ライターPaSoRiを利用して行う。おサイフケータイは決済機能をはじめとする複数の機能を携帯電話に一本化するプラットフォームであるため、携帯電話を紛失・破損したり、盗難に遭った場合のリスクがある。盗難におけるリスクは従来のクレジットカードなどにもみられる問題であるが、多種の電子マネーなどが携帯電話に内蔵されることで、ユーザーは多くの手続きを自己防衛のために求められる。おサイフケータイは携帯電話の電波が入らない場所でも各サービスの基本機能が利用できるように設計されているため、携帯電話を盗難、あるいは落とした際、携帯電話回線を停止しても携帯電話に登録されているクレジットカード・プリペイドカード・定期券などの機能は同時に停止しない。従って利用者は、自ら各サービス事業者に連絡を取り、使用停止の手続きを行わなくてはならない。なお、特にクレジットカードに対する抵抗感の根強い日本においてこれらの不安点を解消するために、電話回線やメール着信を通してFeliCaの機能をロックする機能を持つ端末も発売されており、消費者の保護をアピールしている。紛失・盗難の際は各事業者に連絡することで利用停止ができるが、携帯本体の機能としてあらかじめ設定しておくことにより遠隔でおサイフ機能含め携帯の全ての機能をロックすることができる。また、普段はICカードロックをかけておき、使用する時だけ解除する(解除後あらかじめ設定した時間が経過すると、自動でロックがかかる機能もある)ことによって盗まれても遠隔操作なしにおサイフ機能を使わせないことができる。モバイルSuica・nanacoは電話でセンターに連絡することで利用停止ができ、smartplus・QUICPay・iD等のクレジットサービスの場合はセンターに連絡した日から60日遡って被害額が全額補償される。一方身分証明書として会員証や社員証・鍵などに用いる場合、認証を行う側からみれば、携帯電話を拾った者になりすましをされるなどのリスクも考えられる。従来の身分証明書では顔写真など券面に盛り込まれていた情報をどのように盛り込むかが課題である。また、従来から提供されていた非接触ICカードサービスのプラットフォームには、カードを挿入することを前提とした設計がなされているものもあるため、従来のインフラが利用できない場合もある。入金機などにカードが挿入できないことから、おサイフケータイではオンライン上でチャージを行うことを前提としたサービスが一般的であるが、この場合、携帯電話のバッテリーが切れたり、電波の入らない場所ではチャージは行えない。すべてのシーンで安心して利用できるサービスの提供に、今後とも工夫が必要とされるが、最も普及している情報端末である携帯電話に導入される電子の「おサイフ」として期待は大きく、多くのビジネスモデルが提案されている。おサイフケータイのFeliCaチップは携帯電話の内部に固定されており取り外しが出来ない。SIMカードやmicroSDカードのような物理的なデータ移行は出来ない。修理・機種変更の際にはSuica, EdyなどFeliCa内のデータを各サービス会社に預け、修理後・機種交換後にデータを戻す必要がある。Edyのように個人情報・クレジットカードの再登録が必要なケースもあり手続きは煩雑であるが、キャリアによってはFelicaの一括移行サービスを行っている(移行に非対応のサービスもある)。iPhoneでは、2016年発売のiPhone 7 / iPhone 7 Plusの日本向けモデル(A1779, A1785)が、FeliCaチップを搭載し、Apple Payが利用できる。iPhone7以前の機種でも、NTTドコモでは「おサイフケータイ ジャケット01」を別途購入することで使えるようになる。
出典:wikipedia
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