ウスバカミキリ(薄翅天牛、薄翅髪切、"Megopis sinica")は、鞘翅目カミキリムシ科に属するカミキリムシである。本種の和名は上翅の厚みが薄く、透けたように見えることに由来する。日本産のカミキリムシではシロスジカミキリ、ミヤマカミキリ に次ぐ大型種で、体長は30~58mmに達する。ただし体格の 個体変異が大きく、大きなメスは60mm近くになるが、小さいオスは30mm程度にとどまる。体は全体にやや扁平。頭部〜前胸背板は荒い点刻が密生する。カミキリ亜科共通の特徴として大顎は頭部下方ではなく前方を向く。メスは産卵行動以外でも産卵管が尾端から露出している。体色は暗褐色、又は赤みがかった茶色。一部離島を除く日本全土に分布。成虫は5~9月に出現、最盛期は6〜8月である。また、同じ亜属に属し近縁なトゲウスバカミキリは南西諸島と八丈島に分布し、7月下旬が成虫の活動する最盛期である。夜行性。飛翔性が高く、灯火によく飛来する。日中は自らが育った食樹、または産卵場所となる衰弱木や立ち枯れの洞や樹皮下に潜み、夜間それらの樹表を歩き回る。野生状態でははっきりした後食行動が殆ど観察されないが、飼育下では果物や糖分の多い液体を食べることがある。また、尿素からなる白いチューブ状の糞を盛んに排泄する。彼らは非常に気性が荒く、複数の個体を同じ容器に入れるとたちまち激しく噛み合って触角や脚を欠損する。野生状態でも不完品の個体が珍しくない。幼虫は各種広葉樹、針葉樹の衰弱木、生木枯死部、立ち枯れ、倒木の材部を食害し穿坑する。これら食樹は材木として利用されるような状態の良いものではないため、本種は他のカミキリムシのような林業上の重要害虫とは見なされない。孵化から羽化までは数年かかるとされる。終齢幼虫が何齢なのかはよくわかっていない。ヨーロッパや世界各国では本種の仲間の幼虫がかつては食用にされ、日本でも昔、カミキリムシの幼虫を”てっぽうむし”と呼んで、食していたが、本種もその中に入っていた。ジャン・アンリ・ファーブルは自著『昆虫記』の中で、古代ローマで珍重された食材「コッスス」とは学名コッススのボクトウガではなくウスバカミキリ類の幼虫のことであると断定している。本種をはじめとするカミキリムシは、ノコギリカミキリ類に入り、これらの種は害虫として嫌われるカミキリムシと違い、顎が前部の方を向き、食性が枯れ木や、地中の倒木などなので、害虫としてしばしば問題視されるカミキリムシに比べれば、食用とされた以外にはあまり人馴染みが無く、知られていない部分も多い。近縁種として日本ではトゲフチオオウスバカミキリ(八重山諸島)、トゲウスバカミキリ(南西諸島、八丈島)を産する。また、ウスリーオオカミキリが宮崎県で採集された記録があるが、わずか3例(しかも内2例は死骸が拾われただけ)であり、土着個体かどうか疑問がある。近縁種はノコギリカミキリや、寒冷地に属する事では珍しい巨大甲虫であるウスリーオオウスバカミキリ、前翅が長くなく、後翅と腹部が見えているコバネカミキリに、カミキリムシ特有の発音が出来ないクロカミキリなどがいる。南半球の熱帯雨林には多種多様な種が多く、アゴヒゲウスバカミキリのように大顎に毛が密集した種や、オオキバウスバカミキリのような大顎が巨大な種に、タイタンオオウスバカミキリという世界最大種のようなものまで、非常に数が多い。
出典:wikipedia
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