中華人民共和国の高速道路網は中国国家高速公路網(National Trunk Highway System、NTHS)と称される。中国の高速道路の総延長は、2015年末現在約123,000kmで。近年は年平均で約6,000km以上の高速道路が建設されており、2009年には4,719kmが建設されている。中国で最初に開通した高速道路は1988年に上海市で開通した滬嘉高速道路である。その後北京と河北省の石家荘を結ぶ京石高速道路が開通したが、これ以後1993年まで建設された高速道路はほとんどなかった。1992年以降、中国では2010年までに35,000kmの中国国家高速公路網を構築するという計画(五縦七横)が立案・実施され、5つの南北方向の道路と7つの東西の道路から成る12の高規格幹線道路の構築が目標とされた。計画は前倒しされ2009年末には既に65,000kmの高速道路を含む382万kmの道路が完成していた。2005年1月13日、交通部部長であった張春賢は、五縦七横構想の次の構想として今後30年間で人口20万以上のすべての地方中核都市を相互に連絡する85,000kmの高速道路のネットワーク(7918構想)を建設すると発表した。それは北京から放射状に伸びる7つの路線と国内を南北に結ぶ9路線、東西に結ぶ18路線から成る構想で、全長のうちの68,000kmは幹線道路、17,000kmが5つの地方環状道路である(ただし、中国政府の支配下にない台湾における計画線も含まれる)。また2つの平行ルートと30個以上の相互接続路線が含まれる。この構想では32,000kmの高速道路が、華中及び西部地方で構築されることになっている。1989年1月1日の段階で147kmのみの整備にとどまっていたが、2009年12月31日には、総延長6.5万kmの高速道路網が整備され、2007年の1年間だけで日本の高速道路の総延長に匹敵する8,300kmが建設されている、アメリカ合衆国を超え世界最大規模に拡大する計画が立てられている。高速自動車国道ネットワーク構築の総予算は2兆元(およそ31兆円)と見積もられている。2005年から2010年までの年間投資額はは約1400億元(2兆1000億円)から1500億元(2兆2000億円)、2010年から2020年までの年間投資額は約1000億元(1兆5000億円)で推移するとされる。建設資金は車両にかかる車両購入税、通行料金、地方税、省債、国内投資および海外からの投資が充当されている。他国の高速道路システムと異なって、NTHSや7918構想の道路の大部分が省政府との契約に基づき民間企業が投資する有料道路となっている。民間企業は債券と株式を通して資金調達を行い、通行料金により投資回収を行う。中国共産党と国務院は有料道路の建設資金を賄うために、ガソリン税(国税)を課す法案を全国人民代表大会に提出したが、これは否決されている。中国ではかつて「モーターウェイ(motorway)」も「ハイウェイ(highway)」も併せて「フリーウェイ(freeway)」と称した。「フリー」とは交通が自由に流れている、すなわち交差地点は各車線が分離され、高速道路上の交通は信号機や一時停止標識のような交通制御施設によって規制されないことを意味している。しかし多くの人々が通行料金を徴収する高速道路であるにも係らず「フリー」を「無料である」と誤解したため1990年代に「エクスプレスウェイ(expressway)」の名称で統一された。現在使用される「ハイウェイ」は高速道路を意味しない単語として使用されている(中華人民共和国の国道参照)。また中国では国家高速(国家級高速公路、路線番号標識「GXX」)と省高速(省級高速公路、路線番号標識「SXX」)、城市快速公路という区分も存在する。三者はほぼ同一であるが、城市快速公路は主に都市部に整備された高規格道路である。本文中では三者を高速道路として扱うものとする。中華人民共和国道路交通安全法は、2004年5月1日に全国の高速道路の制限速度を110km/hから120km/hに改定した。しかし地方の高速道路では制限速度改定に時間がかかっている箇所もあり一部では従来の110km/hとなっている。最低速度制限は70km/hであるが、追越車線の最低速度制限は100km/hから110km/hと別に定められている。最低速度違反および最高速度違反は交通法規違反とされる。1990年代半まで免許取得1年間未満のドライバーの高速道路の運転は禁止されていたが、2004年5月1日現在では許可されている。右側からの追越し、速度違反、非常通行帯(または路肩)の不法走行などの違反者は交通法規違反とされ、特に右側からの追い越しは厳しく警告される。中国の高速道路では簡体字中国語および英語による道路標識が整備されている(京石高速道路の一部を除く)。中国の高速道路の標識は、日本、スイス、米国の高速道路同様、緑地に白文字を使用して表記される。路線番号標識は、上部に赤の背景に白文字で「国家高速」、下部に緑の背景に白文字で、路線番号を示す「GXX」が記載されている。インターチェンジの案内標識はそれぞれ出口の3,000m、2,000m、1,000mと500m手前、出口の直前、出口自体にあり、インターチェンジのかなり手前から表示されている。各インターチェンジには、次のインターチェンジまでの距離の案内標識もある。サービスエリアおよびパーキングエリアは、交通量の多い高速道路では高密度に設置されており、特にガソリンスタンドの密度は高い。標識は、インターチェンジ、料金所、サービスエリア/パーキングエリア、ジャンクションが代表的なものであるが、「車間距離確認」の標識も設置されている。2秒ルール(もしくは中華人民共和国の法律では、少なくとも100mの車間距離)を保持するためのものである。速度監視区間における取締り箇所には多くの場合標識が設置されている(京瀋高速道路の北京区間には、カメラの上にも警告標識が設置されている)が、速度取締装置のダミーも存在している。またドライバーに減速を促す標識、坂路に関する警告、非常通行帯の通行の禁止、あるいは路面の異常に関する標識が存在する。また追越車線を示す標識も設置されている。英語表記は大部分は問題ないが時々誤った表記も見られる。高速道路ではデジタル表示機の整備が進められ、スピード超過に対して注意喚起、道路工事状況、交通渋滞情報、天候情報、迂回路などを表示する。中国の高速道路のインターチェンジには番号が割り振られており、通常起点を1番とした通し番号となっている。しかし京石高速道路では河北省に0番インターチェンジが存在する。インターチェンジの一部には補助インターチェンジ(例:No.14A、14B)を併設しているところもある。高速道路はほぼすべて有料である。料金は1kmあたり約0.5中国元で、最低料金(例えば5元)は距離にかかわらず適用される。高速道路による標準的な金額より高い場合(津薊高速道路は1kmあたり0.66元)や安い場合(京石高速道路は1kmあたり0.33元)も存在する。通行料金に係らず高速道路は高規格で建設され、また渋滞の発生とも無関係である。高速道路計画は交通部により計画建設される。中国の高速道路は省政府による直接投資を採用せず、銀行あるいは予定される通行料金収入を担保に証券市場より資金を調達した営利の企業(官民一体となった企業体)による建設、運営される。この方式を採用する理由としては地方政府の税収が限定的であり資金調達能力に限界があるためである。また、高速道路建設は中国共産党と国務院の政策が不一致となった稀有な例である。1990年代末にガソリン税によって公の幹線道路の建設資金を調達する立法化が求められたが、全国人民代表大会によって否決されている。ほとんどの高速道路はカード方式を採用している。高速道路(あるいは高速道路の有料区間)への入口では、入線カードがドライバーに引き渡される。支払われる料金は、高速道路から出る時に運転手が出口料金所に入線カードを返却する際に走行距離に依拠し決定される。京通高速道路などの一部の高速道路では定額制を採用し増加する交通流量に対応しているが、収入面で不利とされる。また一部の高速道路はETCシステムを採用している。現在、通行料金の支払いには現金のみが認められている。1992年に立案された中国高速公路計画では、南北方向に5本と東西方向に7本の計12本の高速道路(五縦七横)を作る計画だった。番号の頭には「国道」(Guodao)の頭文字である「G」の文字が付けられる。縦(南北方向)にはG010、G020、G030、G040、G050の番号が、横(東西方向)にはG015、G025、G035、G045、G055、G065、G075の番号が割り振られていた。一方で、一般国道にはG101からG112、G201からG228、G301からG330までの番号が割り振られた。五縦七横の高速道路網は、2005年の「7918網」の発表によりそれらの一部へと再編され解消した。2005年1月13日、交通部が公布した「国家高速公路網規画」で採用された、放射状高速道路と縦横の高速道路網を組み合わせた整備計画であり、首都からの放射線7本、9本の南北縦貫線、18本の東西横断線からなることから「7918網」と称された。番号の頭には「国道」(Guodao)の頭文字である「G」の文字が付けられる。放射線には1から9まで(実際は7まで)の番号が、南北方向には東から順に11から89までの奇数番号が、東西方向には北から順に10から90までの偶数番号が振られている。91から99までの数字は、各地方(盆地、都市圏、島など)を環状に連絡する道路に振られる。幹線道路に付属する連絡線には、幹線の番号の後ろに1をつけ、さらに1から始まる数字をつけた番号が振られている(たとえばG15・瀋海高速道路の連絡線として扱われる日照—蘭考高速道路にはG1511の番号が振られている。以下、G1512、G1513と続く)。都市環状高速道路には、接続する幹線道路の番号の後ろに0をつけ、さらに1から始まる数字をつけた番号が振られる(たとえばG15に接続する場合、G1501、G1502など)。また幹線道路に並行する路線には方角の英語頭文字であるN・E・W・Sの文字が付けられる(たとえばG15に並行する常熟—台州高速道路にはG15Wの番号が付けられている)。(都市圏:高速道路は北から南、西から東の順に列記、その他の地域:アルファベット順に列記)
出典:wikipedia
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