西ドイツ国鉄420形電車("DB Baureihe 420")は旧西ドイツ国鉄(DB)の電車である。1969年から1997年にかけて合計480編成が製造された。1972年のミュンヘンオリンピック開催に向けて開発された経緯から、Olympia-S-Bahn とも呼ばれる。初導入の地ミュンヘンをはじめ、シュトゥットガルト、ライン・マイン地区(フランクフルト・アム・マインなど)、ライン・ルール地区(デュッセルドルフ、ケルンなど)のSバーン網に導入された。交流15,000V,16.7Hz・架線集電式の交流型電車で全電動車の3両固定編成である。制御方式はサイリスタ位相制御で最高速度は120km/h。出力200kWの直流整流子電動機を1両に4機搭載する。駆動方式は吊り掛け駆動方式、台車はミンデン式である。車体は、先頭車は鋼製、中間車はアルミ製である。先頭車も車体番号420 131からアルミ製となった。全長は中間車が20,800mm(連結器中心間)、先頭車は運転台の分長い23,300mm(同)で、全幅は2,900mm(最大3,020)である。側面には客用の両開き式の扉が4つあり、扉間に2段式の窓が2枚ある。妻面には窓がなく貫通路も存在しない。前面は曲面ガラスを用いた2枚窓で、3つの前照灯と、窓上に方向幕も持つ。車内は先頭車の車端部を除き、全席ボックスシートで扉間に片側2組が配置される。車体の塗装は明るい灰色に窓周りをオレンジ、青などに塗り分けたものであったが、1990年代後半にドイツ鉄道のコーポレートカラーである「交通赤色」("Verkehrsrot")に一部白を配したものに塗り替えられた。なお、シュトゥットガルトに配備されている末期に製造された編成は"ET 420 Plus project"に基いて、2006年頃より車両の更新工事が行われた。冷房設備の追加、行先表示のLED化などの旅客案内装置の改良、座席の取替えなど423形電車に準じた設備改良が施されている。本車は使い勝手の良いSバーン用高性能電車として、上述のように旧西ドイツ各地に投入された。短編成 Kurzzug (基本編成のみ = 3輌)、中編成 Vollzug (2個編成連結 = 6輌)、長編成 Langzug (3個編成連結 = 9輌) のいずれかで運行された。しかしトイレ設備を持たないため、長距離路線があるライン・ルール地区では再び客車列車方式に戻されている。近年では、新型の423形電車の導入により初期に製造された編成から廃車が進められている。ミュンヘンSバーンでは2004年頃までに置き換えが完了したが、ライン・マイン地区のS8・9系統やシュットゥットガルト地区では未だ多くの車両が使用されている。廃車になった車両のうち、421 001編成は、現在ニュルンベルクのDBミュージアムで展示されている。また、一部はスウェーデンのストックホルムの都市圏鉄道用に売却され、X420形電車として使用された。しかし、使用されたのは2002年-2005年と短期に終わった。
出典:wikipedia
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