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遠心式圧縮機

遠心式圧縮機(えんしんしきあっしゅくき、)とは、気体を羽根車からディフューザーに流し遠心方向(径方向)に徐々に減速させることにより、運動エネルギーの変換が行われる圧縮機である。遠心圧縮機、遠心コンプレッサーともいう。ターボ圧縮機に分類され、多段化は難しいものの一段あたりの圧力比が大きいことが特徴である。通常は、静圧上昇の半分は羽根車で、残りはディフューザーで上昇するように設計する。作動原理は連続的なエネルギー変換で、気体は羽根車によりトルクを与えられ増速・増圧しディフューザー効果により更に昇圧される。航空エンジン用など圧縮機内の流速が速い場合、圧縮効率の観点から衝撃波の発生を抑える必要があり、流路内のマッハ数は0.8程度に抑え、圧縮機出口の流速は90m/s程度になるよう設計する。用途としては天然ガスのパイプラインの圧送用、大型冷凍機、空気分離装置、大型空気圧縮機、航空用のジェットエンジンなど様々である。一般的にジェットエンジンの文脈で解説される事が多いがガスタービン以外で見てみると多段式のものも多く存在し、各段で水冷による中間冷却がおこなわれる。この場合の動力は蒸気タービンや電気モーターが使用され増速ギアを介して羽根車を駆動する。遠心式羽根車(インペラー)の設計においては3次元CADの登場や5軸加工の進歩などにより流路の3次元化が進み、CFD(数値流体力学)による設計開発が盛んである。(尚、扱う流体が液体の場合、圧縮率が低いため遠心ポンプとして扱う。)第二次世界大戦中より本格的な開発が始まったターボジェットエンジンに関して、その圧縮機に注目するとイギリスは遠心式、ドイツは軸流式が中心であった。その後、遠心式はチタン合金の登場や航空技術の進歩とあいまって大きな圧力比が実現できるようになった。以下、航空用の観点からもう一方の代表的な圧縮方式である軸流式圧縮機との比較で記述する。

出典:wikipedia

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