デジタル・レーダー(Digital Radar)とは平面上に多数の小さなアンテナを備えることで機械的な首振り動作を必要としないレーダーで、すべてのアンテナ素子の信号がデジタル制御によって処理されているもの。従来のレーダーのようにアンテナを物理的に上下左右に動かすのではなく、平面や曲面状に並べた多数の小さなアンテナからそれぞれ放射する電波の位相をデジタル回路で制御することで、電波を合成し空間を走査するレーダーである。デジタル・レーダーはアレイ式レーダーの一種であり、以下にそれらアレイ式レーダーの分類を示す。アレイ式レーダーの動作原理はホイヘンスの原理を参照の事。デジタル・レーダーとAESAはサーキュレーター(Circulator)によって送信波と受信波を分離している。デジタル・レーダーとAESAの高周波発生装置と高周波受信装置にはMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)が使用され周波数変換を行なっている。デジタル・レーダーには各ユニットごとにデジタル-アナログとアナログ-デジタルの変換器が備わっている軍事研究 2007年9月号 『21世紀の米空軍”次世代航空宇宙戦力”新型LRS爆撃機&極超音速兵器』 P.123-p.146。フェーズド・アレイ・レーダーであっても1本のレーダー波ビームによって探知するには探査対象空間からの電波反射の受信時間の間は一定の間、受信していなければならない。例えば0m~100km先までの反射波を受信するには大気中を200km電波が進む時間だけ一定方向の受信状態を維持しなければならず、200km ÷ 297,600km/sec = 0.672msec の間は他の方向からの受信は行なえない。この間も送信は可能である。デジタル・レーダーでは、デジタル制御による自由度の高さを生かして、他のフェーズド・アレイ・レーダーでは行なえない高度な機能が実現出来るといわれている。デジタル・レーダーでは多数あるアンテナ・エレメントを2つや3つの群に分けて、それぞれを別の方向に指向させることが可能となり、1つを広域探査、1つを敵目標からの放射信号の受信、1つを複数の味方ミサイルの誘導といった用途に同時に振り向けられる。しかし1つのレーダー波ビームを作り出すアンテナ素子数が減ればそれだけビームが絞り込めずに拡がり、探知精度が低下する。レーダー波に通信情報による変調をかけることで、友軍等との通信が行なえる。送信出力をコントロールする事で、大きな電波出力のレーダー波を敵の電波センサーや場合によっては人体に送信して障害を与えることが可能となるとされている。コンフォーマル・アレイ・アンテナ(Conformal array antenna)とは、航空機の機体外板などの曲面に沿って配置されたアレイ・アンテナのことである。アンテナ・エレメントの放射・受信特性は角度によって異なるため、複数のアンテナ・エレメントを使用するアレイ・アンテナでは、各アンテナ・エレメントの取り付け角度によって電波利得(ゲイン)を変えて計算しなければならない。
出典:wikipedia
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