鉄道企業体スロバキア株式会社(スロバキア語:ZSSK, Železničná spoločnosť Slovensko, a.s.)は、スロバキアの国有企業。2002年にスロバキア国鉄(ŽSR)の列車運行事業を継承した鉄道企業体株式会社(スロバキア語:ZSSK, Železničná spoločnosť, a.s.)の再分社化(2005年1月1日)にともない、同社の旅客列車運行事業を継承している。鉄道企業体株式会社(旧ZSSK)の貨物部門売却に備えて2005年1月1日に行われた再分社化に伴い、同社の旅客鉄道事業を継承するために発足した国有の株式会社である。ブラチスラヴァ地域鉄道線企業体(BRKS)が旅客輸送事業から撤退したのち、スロバキア国内で唯一旅客列車を運行する事業体だったが、チェコの民間鉄道運行企業、レギオジェット株式会社(RegioJet, a. s.)が2010年にスロバキア運輸郵政通信省(当時)と9年間の旅客列車運行契約を締結し、2012年3月からブラチスラヴァ─コマールノ鉄道線における旅客輸送事業を実施している。旧ZSSK発足当時に政府が明らかにしていた民営化計画では、貨物部門の売却に続いて2007年をめどに旅客部門についても民間企業に売却して完全民営化を果たす構想だった。しかし急激な合理化に対する労組や世論の反発が根強い上、政権が交代したことから、現在のところ民営化の見通しは立っていない。組織は総務本部(Úsek generálneho riaditeľa)、営業本部(Úsek obchodu)、運用本部(Úsek prevádzky)、経理本部(Úsek ekonomiky)、事業本部(Úsek služieb)が設けられており、現在の職員数は4893人(2006年)。標準軌各線のほか、スロバキア国鉄が保有する狭軌鉄道3路線の列車運行事業も行っている。3路線は2000年の政府決議で地方線に指定されており、運行事業はZSSKから経営分離または廃止する予定だったが、2006年10月にZSSKによる運営が継続されることになった。スロバキア国内の旅客鉄道輸送は、90年代に発達した稠密な民間バス網にシェアを奪われたほか、近年は経済発展に伴って自家用車が急速に普及したため、ローカル輸送を中心に大きく減少し続けている。スロバキア国鉄時代の2001年に6347万3000人あった旅客輸送実績は、2003年に5127万4000人に減少。現ZSSK発足初年の2005年には初めて5000万人台を割り込み、2006年は5年前を25.9%下回る4702万1000人にとどまっている。このため、経営改善を目的に人員整理や地方線など閑散線区の運行休止、列車本数削減などの急激な合理化が進められた結果、労働者側と当局との対立も深まり、2006年夏の総選挙で新政党スメル(SMER)が第1党となる背景ともなった。またZSSK当局は、スロバキア国鉄に支払う路線使用料が欧州諸国に比べて高額で、ZSSKの営業経費の15%を占めている現状を問題視している。一方、国際列車EuroCityなど利用率の高い幹線系優等列車の客車については、スロバキア国鉄時代の1990年代からEU水準並みの更新工事を行い、体質改善を進めている。2006年12月には、チェコ鉄道(ČD)の伊フィアット社製ペンドリーノ高速電車(680系電車)による「スーパーシティ スロヴェンスカー・ストレラ(SuperCity Slovenská strela:スロバキアの矢)」が、ブラチスラヴァ-プラハ間で運行を始め、ZSSKの看板列車となっている。2010年夏からジリナ、トレンチーン、コシツェなどの近郊区間に、チェコ・シュコダ車両製総2階建て近郊形交直流電車671系(愛称「ヤーノシーク」)を投入しているほか、2012年にかけて新型の381形交直流電気機関車および381形機関車プッシュプル運転専用で671系電車と同型の951系制御客車による地域急行列車や、ウルートキ鉄道補修工業(ŽOS Vrútky)製の低床式国産3両固定編成ディーゼル動車861系の営業運転を開始。地方都市圏の輸送改善を進めている。スロバキア国鉄から継承したチェコスロバキア国鉄時代の車両およびその更新車がほとんどを占める。2007年現在の標準軌用機関車は、電気機関車146両(直流機45両、交流機55両、交直流機46両)、ディーゼル機関車50両(すべて電気式)。狭軌用機関車は蓄電池機関車1両、ディーゼル機関車5両。電車は標準軌用近郊形120両(直流電車80両、交流電車40両)、狭軌用51両(うちラック式電車3編成6両)。気動車は203両で、このうち191両が1973年以降に大量投入された標準形レールバス810形とその更新車である。スロバキア国鉄時代の2000年にはスイス・ステッドラー社製狭軌用低床電車425.9系、旧ZSSK時代の2003年には同社製標準軌用低床気動車840系を導入し、有名観光地として国内外で人気が高まっている中北部のタトラ山脈一帯の路線に投入している。広軌用を含む客車は1359両を保有(2001年1月現在)。一般客車はすべて旧東欧圏標準型のOSShD規格車両で、このうち約200両が1992年から2007年までにヴルートキ鉄道補修工業(ŽOS Vrútky)で更新工事を受けている。更新工事ではアコモデーションをEU水準並みにするとともに、最高速度を140~160km/hに向上させている。2007年からはトルナヴァ鉄道補修工業(ŽOS Trnava)でも客車の更新工事を始めた。2005年度にブラチスラヴァ市のデザイン事務所、スタジオ001有限責任会社(Studio 001, s.r.o.)が策定した赤・白・灰色の新標準塗色スキームを採用し、既存のすべての動力車・客車を対象に塗色変更を進めている。ZSSKが運行する旅客列車の列車種別は次の通り。すべての種別で国境を越える運用が存在する。下記は、日本のJRで新幹線の速達列車(やまびこ・はくたか・ひかり・さくら)に相当する種別である。乗車には運賃のみでなく特急料金が必要となる。
出典:wikipedia
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