夏の医者(なつのいしゃ)は、古典落語の演目の一つ。原話は、1765年(明和2年)に出版された笑話本『軽口独狂言』の一編「蛇(うわばみ)の毒あたり」。上方で成立し、のちに東京に移されたとされる。主な演者に、上方では2代目桂枝雀が、東京では6代目三遊亭圓生、三遊亭鳳楽が知られる。夏の暑い盛りの昼間、ある村の農夫が仕事中に倒れた。村には医者がおらず、農夫の息子が見舞いに来た叔父に相談すると、叔父は「山向こうの隣村にお医者の先生がいる」というので、息子は山すそを回って長い道のりを行き、往診を頼みに向かう。息子が医者宅に着き、医者に農夫の様子を説明する。「食あたりではないか。何か同じものをたくさん食べたのでは?」「そうだ。チシャ(=カキヂシャ)を食べました」「それはいけない。夏のチシャは腹へ障(さわ)る。山を越えた方が近道なので、そうして急ごう」山道を向かうふたりが、歩き疲れて山頂で少し休憩をとろうと横になると、急にあたりが真っ暗になる。「この山には、昔から住むウワバミ(=大蛇)がいる、ということを聞いてはいたが、これはおそらく腹の中に飲まれてしまったな。このままでは、足の先からじわじわ溶けていく」脇差を忘れてしまったので、大蛇の腹を裂いて出ることもできない。思案した医者は薬箱から大黄の粉末を取り出し、周囲にたっぷりと振りまく。胃袋に下剤を浴びせられた大蛇は苦しんで大暴れする。「薬が効いてきたな。向こうに灯が見える。あれが尻の穴だ」ふたりは、外に放り出される。助かったふたりは農夫の家にたどり着き、医者はすぐに農夫を診察する。医者が薬を処方しようとすると、薬箱を大蛇の胃の中に忘れてきたことに気づく。仕方なく、もう一度大蛇と対決することに決め、山頂へ向かう。大蛇は薬のために体力を激しく消耗し、木にもたれてあえいでいた。医者が「腹の中へ忘れ物をしたので、もう一度飲んでもらいたいのだが」と頼むと、大蛇は首を横に振って、「夏のイシャは腹へ障る」
出典:wikipedia
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