星図(せいず、)は、天球上での恒星・星団・星雲など星座の位置や光度と名称を平面で表した図で、いわば全天の地図である。恒星図のこと。古くは星宿として、日本のキトラ古墳(現存する最も古い日本の星図)・中国の舞踏塚古墳等、中国・朝鮮半島・日本の墳墓にも描かれていた。江戸時代までは中国星図という星図が使われていた。ヨーロッパでも、天文学の発展に伴い様々な星図が制作されたが、芸術的な面は次第に消えていった。天文学の発達により恒星のカタログ化(→天体カタログ)が行なわれており、恒星の性質を編纂した星表とともに天文学で利用され、現在でも星図は複数の天体の位置関係から、どの方向に肉眼ないし天体望遠鏡を向ければ所定の恒星が観測できるかを知るための「地図」として利用されている(後述)。こと専門的な天文分野では天球を撮影した写真を組み合わせた「写真星図」も利用される。このほかにもパソコンで動作させて閲覧するための、アプリケーションソフトウェア(データとセットになった一種のデータベース)化された星図も見られる。星図は天体の、こと地上では肉眼によって観測可能な太陽を除く恒星などを示したものであるが、こういった星図の発達にはしばしば季節を的確に知るための暦としての側面があった。こと農耕民族など農業生産によって生活していた民族では、季節の移り変わりで所定の作物を栽培し始める目安とすることが出来たし、また海に生活の場を求める民族では、海流や潮汐の周期的なの変化が季節に連動していたことは古くから良く知られていたため、漁業にも交易の海運にも季節を知ることには社会の繁栄のためにも重要な意味があった。星図は、天文学の発生と連携する形で、その数を増やしていった。この中で星図は天体配置の記録としての側面の一方で、より各々の星に人間が関心を向けるきっかけともなった。星図を製作する観測者にとって、天球の星々を横切って移動する種類の、今日惑星と呼ばれている天体は悩ましい存在だった。太陽系の他天体は、恒星のように「あたかも天球に張り付いているかのように一緒に移動する」という性質が無く(→順行・逆行・惑星#惑星・遊星という呼称の由来)、1年から数十年周期で観測した程度ではその周期性が理解できなかったのである。しかしそれでも古代から連綿と続く幾世代にもわたる観測者たちの記録によって星図内にその運行の周期性が見出されるようになり、それらの記録からニコラウス・コペルニクスやティコ・ブラーエ、ガリレオ・ガリレイ、ヨハネス・ケプラーなどの研究へと引き継がれ、その分野は天体物理学へと発展していった。こういった星図の中には彗星など人間の寿命よりも長い周期で観測される天体現象が記録されている場合もあり、過去の星図の調査から彗星の軌道要素が割り出されたケースも多い。ただ、星図には前述のような天文学の萌芽としての観測記録という側面のほかに、神秘主義との結合によって占星術などのような占いにも利用された側面も存在する。こちらは季節の移り変わりが人間社会の生活に影響するという考えを拡張、ある時期の天体の配置とその変化が未来の細部までもを決定しているという考えから、実際問題としては不可知な未来を予測しようとして星図にある星座の位置関係から連想を含む想像力を逞しく発揮していった。この方向性では、星図から派生したホロスコープによって未来を知ることが出来ると考えている。なお、ホロスコープは天文学における星図とは違い、天体の目に見える位置関係を示したものではなく、神秘主義の観点からその関係性を示すものになっている。天文学やアマチュア天体観測などで広く使われている。星座早見盤は安価でかつ初心者にも分かりやすい反面、天体の正確な位置や暗い天体を調べるのに適していないことから、天体望遠鏡を扱う者は星図を用いることが多い。
出典:wikipedia
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