MVX250F (エムブイエックスにひゃくごじゅうエフ)は、かつて本田技研工業が製造・販売したオートバイである。1980年代前半にHY戦争と呼ばれるヤマハ発動機との熾烈な販売競争が繰り広げられていた状況下の250ccクラススポーツ車では2ストロークエンジンを搭載するRZ250に対抗して、本田技研工業では4ストロークエンジンを搭載するVT250Fを発売してヒットとなったが、さらなる攻勢に転じるため1983年1月19日に同年2月1日から発売されることが突然発表された。公道走行可能車として世界初の2ストロークV型3気筒エンジンを搭載するモデルである。しかし販売開始当初に販売店がオイルポンプを絞ったなどオイル吐出量不足などを原因とした焼付を頻発させたことや比較的多めの排気煙やサイレンサーからのオイル吹きによる目詰まりから発生するV型3気筒構造による独特な排気音上昇などから悪いイメージを作ってしまったこと。また本モデル発売直後にRZ250Rが43psで、スズキからは市販車初のアルミフレームを採用し本格的レーサーレプリカの祖となったRG250Γが45psで発表。販売価格面でも上述2モデルと大差がなかったため早々に商品性で大きく見劣りするようになり売上が低迷した。さらに1984年からワークスレーサーが本モデル同様なV型3気筒のNS500から2ストロークV型4気筒エンジンを搭載するNSR500へ変更されたこともあり、わずか1年で後継モデルのNS250Rへモデルチェンジされた。VT250Fで採用した理論上一次振動がゼロとなる90度V型2気筒に対し、ロードレースで活躍中だったNS500と同じV型3気筒エンジンを搭載した。振動対策では重量増と機械的ロスに繋がるバランサーの採用を避け、代わりに前バンク2気筒と後バンク1気筒のピストン周りの往復部重量を同等とし対処した。しかし、後方シリンダーピストン側圧に負荷が掛かり過ぎたためから製造途中からカラーを介してピストンピンを18→14mmに小径化した。車体デザイン面ではVT250FやVF400Fと類似性があり、VT250Fとは多くの部品が共通設計とされた。また点火系も当時の2ストロークエンジンでは珍しいフルトランジスター式で、部品共通化により新規開発車でありながら標準小売価格は428,000円とVT250Fより3万円高い程度とされた。
出典:wikipedia
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