『UFOロボ グレンダイザー』(ユーフォーロボ グレンダイザー)は、永井豪原作の漫画、及び1975年(昭和50年)10月5日から1977年(昭和52年)2月27日までフジテレビ系列で毎週日曜日19:00 - 19:30に全74話が放送された、東映動画(現・東映アニメーション)製作のロボットアニメ。『マジンガーZ』(前々作)や『グレートマジンガー』(前作)と世界観を共有した、マジンガーシリーズの第3作。本作はマジンガーシリーズあるいは永井豪作品としては異色とされがちだが、これは本作の制作背景に起因している部分もある。前作の終局が見えて新番組を模索し始めた制作サイドは、まず前作同様にマジンガーシリーズの世界観を直接受け継ぐ『ゴッド・マジンガー』(仮題)という企画を立案し、制作を準備していたが、前作の玩具展開や売上の不調によって頓挫してしまう。そこで、当時の日本に巻き起こっていた「空飛ぶ円盤 (UFO) ブーム」に乗ろうという思惑が生まれ、1975年3月に東映まんがまつりの1作として公開された永井豪原作、東映動画制作のアニメ映画『宇宙円盤大戦争』をパイロットフィルムのように用いたうえでマジンガーシリーズに合わせた変更を施し、テレビシリーズである本作として作り上げた。それゆえ、本作には『宇宙円盤大戦争』のリメイク的な側面もある。このような理由により生まれた本作の「UFOロボ」のネーミングと各種の設定には、UFOブームの影響が顕著に表れている。さらにUFO絡みではもう1点、東映巨大ロボットアニメとして初めて本格的に「宇宙人」を敵役に据えたSFアニメ作品であることにも言及したい。悪役のレベルが、それまでの作品で描かれていた「犯罪組織」や「マッドサイエンティスト」、「復活した古代文明」などによる「世界征服」から、異星人による「地球侵略」へスケールアップすることになり、続く1976年の『大空魔竜ガイキング』や『超電磁ロボ コン・バトラーV』で、「宇宙からの侵略者」はロボットアニメの悪役として定着した。悪役のみならず、主人公にも異星人を据えた点も大きな特色である。主人公といえば熱血漢タイプの日本人が定番だった当時、カタカナ名前の「異邦人」がメインというのは斬新であったうえ、「亡国の王子」として従来になかった大人びているも悲しい過去を持ち影があるという、複雑かつ新しい主人公像を描き出した。他にも王族・貴族といったブルーブラッドの概念や、主人公デュークの中世の騎士を思わせる出で立ちなど、ロマンティックな新風を吹き込み、後のロボットアニメの人物描写やドラマの幅を大きく広げる先駆けとなり、ロボットアニメの大きなターニングポイントを残したと言える。また、前々作と異なり、主人公側に主導的な役割を果たす女性キャラクターが複数設定されていることは、この種の作品としては珍しい。テレビ本放送中に制作・上映された劇場版では前作や『ゲッターロボG』と競演し、子供たちの人気を博した。とはいえ、スポンサーやテレビ局に要求された高い商業的成功と視聴率の2つを両方ともクリアすることは難しく、前々作から一時代を築いた永井豪と東映動画によるロボットアニメは、本作をもって一旦終わりを告げる。本作は日本以外でも放送されており、1983年と1988年において日本国外からJASRACに払われる著作権使用料分配額が最も多い作品で、第2回JASRAC賞の「外国使用」と第7回JASRAC賞の「国際賞」を受賞している。平和に他の星と共存していたベガ星雲の惑星・フリード星だったが、ある日、宇宙征服を目論む悪魔の支配者ベガ大王が率いるベガ星連合軍の円盤獣による侵略を受けて滅亡する。王子デュークはフリード星の守護神「グレンダイザー」が組み込まれた宇宙船スペイザーで脱出。地球に落ち延び、八ヶ岳近くの地獄谷に不時着したところを宇宙科学研究所の宇門所長に救われ、彼の養子となり“大介”を名乗った。一方、デュークの脱出を知ったベガ星連合軍のガンダル司令は部下のブラッキー隊長にデューク抹殺と地球侵攻を命令。平穏な生活を望み戦いを拒否していた大介だが、ベガ星の円盤に襲われる兜甲児の危機を見捨てられず、再び元の名を叫ぶ。「デューク・フリード!!」かくして第二の故郷である地球を守るため、グレンダイザーの戦いが始まった。宇宙科学研究所とシラカバ牧場は、八ヶ岳山麓にあるという設定だったが、那須高原にあるとする資料もあり、統一されていない。かつてはフリード星とも友好を結び、共に宇宙の平和を守っていたが、恐星大王ベガの登場により宇宙を次々と侵略する恐怖の中心となる。後にベガ星のエネルギーを支えるベガトロン鉱山で爆発事故が起き、放射能汚染により本星が居住不能になったため、宇宙征服に先立って地球への移住を急ぐこととなる。これまでは横山賢二率いるスタッフがマジンガーシリーズの『マジンガーZ』次いで『グレートマジンガー』を、続いて勝田稔男率いるスタッフがゲッターシリーズの『ゲッターロボ』次いで『ゲッターロボG』を担当してきた。しかし『グレンダイザー』に加えて、マグネロボシリーズの『鋼鉄ジーグ』も同時開始となる1975年10月5日放映分より、東映動画で制作体制の再編成が行われた。横山班は『鋼鉄ジーグ』から始まるマグネロボシリーズに移動となった。このため『ジーグ』は『Z』『グレート』の戦闘を重視したハードな空気や、渡辺宙明と水木一郎による音楽など、細かい部分で横山班の作風が受け継がれている(ただしマグネロボシリーズ3作目『超人戦隊バラタック』はスタッフの一部や路線が変更され、ハードさは消えた)。勝田班は二班に増強、『ゲッターロボG』と共に、『グレートマジンガー』の後番組『グレンダイザー』も担当した。このため『グレンダイザー』はマジンガーシリーズ3作目でありながら、『ゲッター』『ゲッターG』のドラマを重視した空気や、菊池俊輔とささきいさおによる音楽など、細かい部分で勝田班の作風が受け継がれている。なお勝田班による東映動画のアニメ放映枠のうち、『ゲッターロボG』側は次回作『大空魔竜ガイキング』までロボットアニメが続き、その後も『パタリロ!』まで同じ時間帯が続いたが、徐々にスタッフが入れ替わっていった。『グレンダイザー』側は次回作『惑星ロボ ダンガードA』までロボットアニメが続き、その後も『円卓の騎士物語 燃えろアーサー』まで比較的同じスタッフで続いた。本作の主題歌・挿入歌とBGMを作・編曲した菊池俊輔がJASRAC賞外国部門および国際部門を受賞した。編曲が森岡賢一郎になっている曲は劇場用アニメ映画『宇宙円盤大戦争』からの流用である(詳細は下記)。本作向けに新たに作られた挿入歌の初出音盤は「最新テレビまんが人気者(アイドル)デラックス」というLPレコード(CW-7051、日本コロムビアより1976年3月発売)。同LPには本作と『アクマイザー3』から各7曲(OP+ED+挿入歌5曲)、合計14曲が収録された。その後、「アイドルデラックス」は複数作品の主題歌・挿入歌集(1作につき4-7曲収録)としてシリーズ化された。『東映まんがまつり』枠として上映。なおブロウアップ2作品は、いずれも一部地域のみの公開。永井自身によるリメイクコミカライズ『グレンダイザー ギガ』が『チャンピオンRED』2014年11月号から2015年9月号まで連載された。単行本全2巻。2015年4月にはダイナミックプロ製作のアニメーションPVが同社公式サイトおよびYouTubeにて公開されている。主人公のリューク・フリード役とナレーションは細谷佳正が担当。永井は、当初から全2巻の予定であったが、間を置いて再開したいと述べている。牧場ひかるがキューティーハニーに変身するという展開は、ひかるのキャラクターが立たず、団兵衛など『キューティーハニー』との共通キャラクターがいたことから発想したという。本作は世界各国で放送されており、特にヨーロッパと中東での人気は「日本人の想像をはるかに超えている」と指摘されている。1978年7月3日から1979年1月18日まで『Goldorak(ゴルドラック)』と改題されて、公共放送「アンテンヌ2(Antenne 2)」で放送された。視聴率は平均75%、最高100%であった。ただしこれは時間帯による占有率であり、世代別の集計(子供のみ)であること、テレビ局がAntenne 2以外に、TF 1とFR 3しかなかったこと等の条件が重なった結果であった。Antenne 2での放送終了後は同局や、TF 1やLa 5(廃業)などの他のテレビ局でも再放送がされた。放映当初は1978年の夏休みだけの予定であったが、非常に人気を得たことから放映が続けられ、その後1980-1990年代に多種多様な日本アニメが長時間放映されるきっかけとなった。大衆誌である誌の1979年1月19日号にて、『ゴルドラック』の視聴率が100%を記録しキャラクターグッズが大ヒットしたことが取り上げられ、同号の表紙も『ゴルドラック』が飾った。テレビ放送前に劇場公開された総集編の主題歌『Goldorak le grand(ゴルドラック・偉大なる者)』(当時13歳の歌手、ノアムによるシャンソン風の歌)はフランス国内で異例の135万枚(再発版を含めれば380万枚)の大ヒットとなった。またフランスにおける本作の人気の過熱の結果、日本では発売されなかった敵役の人形なども発売された。2013年4月には、フランス・カンヌで開かれた国際番組見本市MIPTVの主催者により、世界のテレビを変えた50作品の1つとして日本作品から「鉄腕アトム」「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」「ドラゴンボールGT」と並び、1980年を代表する作品として選ばれた。1978年4月から1980年1月まで全71話が『Atlas Ufo Robot(アトラスUFOロボット)』と改題されてイタリア国営放送第二テレビ局(Rai Rete 2 / ライ・レーテ・ドゥーエ)で放送された。第15話、第59話、第71話は放送されなかった。放送は3シーズンに分けられ、1978年4月4日から5月6日まで24話が、12月12日から1979年1月12日まで25話が、12月11日から1980年1月6日まで22話が放送された。最高視聴率は80%以上を記録した。放送終了後は同局などにおいて再放送された。1982年から夕方六時に放送され、放送時間になるとイラク中の路地から子供たちの姿が消えたというほどの人気を博した。80年代以降国営放送で繰り返し放送された。宗派や民族をめぐって争いの絶えないイラクで、国民が唯一ともに共感し一致できる話題は、「サッカーかグレンダイザーしかない」という冗談まであるという。近年も2012年にイラクの首都バグダードで開催された国際見本市において日本が独自のパビリオンを出展した際、集客のためにグレンダイザーのビッグエアフィギュア(空気人形)を展示、往時に子供時代を過ごした年代層を中心に高い人気を博した。イラクだけでなく、アラブ諸国で人気だった。1980年9月から半年間、グレンダイザーを含め日本製アニメ番組5作品を『』として日替わりで放送した。全作品とも26話分のみの放送で、既に玩具のショーグンシリーズのブームは過ぎ去っていたため、あまり人気は出ず、放送もごく一部の地域でのみであった。グレンダイザーが登場するゲームとして、アーケード版シューティングゲーム『マジンガーZ』(バンプレスト)とシミュレーションRPG「スーパーロボット大戦シリーズ」(バンプレスト → バンダイナムコエンターテインメント)が存在する。『マジンガーZ』では必殺攻撃時に各ロボットのパイロットのボイスが存在する。本作に登場するデュークの声は富山敬が演じており、ゲーム作品では唯一のオリジナルキャストとなっている。「スーパーロボット大戦シリーズ」には初期作品の『第2次スーパーロボット大戦』から登場している。デュークの声は『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』では堀内賢雄が、『スーパーロボット大戦IMPACT』以降の作品では山寺宏一が務めている。また、マリアに関しても吉田理保子が声優業を引退していたため、『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』以後は吉田美保が演じる。
出典:wikipedia
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