水上生活者(すいじょうせいかつしゃ)とは、船上や水上の建造物などで生活の大半を行う者をいう。水上生活の形態には、大きく分けて下記のようなものがある。水上で生活する理由は職業、地理的環境、ステータスなど、国や時代毎にさまざまである。日本には近代以前より「家船」と呼ばれる人々がいた。九州、瀬戸内海一帯、日本海沿岸に多く、明治維新前には九州でエフネ、エンブ、瀬戸内海でフナズマイやノウジと呼ばれていた。船住居の系統として、鐘ヶ崎、肥前瀬戸、能地、二窓、吉和などがある。これとは別に19世紀末頃からは、日本各地に寄港する貨物船の大型化が進み、艀を使った舟運や港湾物流が盛んになると、艀を所有し各地を転々とする港湾労働者の中には、自分の艀の一角を住宅化して一家で居住する船上生活者となる者が現れるようになった。東京では埋め立てが進む前の佃、月島、勝どき周辺に多く見られ、1万人弱を数える規模となっていた。こうした住民の福利厚生を行うために水上会館や水上学校(陸上に建てられた寄宿形式の学校)が建てられたほか、治安を担当する水上警察署などが設置された。そうした光景は横浜や大阪でもみられた。1960年代後半になると、貨物船のコンテナ船化が進み、物流における艀の需要が減って職住一体となった艀は減少し、水上生活者も転職などにより激減する。一方で、艀の廃船を係留して住宅の代替として利用するケースが多くなった。1980年代になると艀の老朽化が進み、使用に耐えられなくなりほぼ見られなくなった。日本の国勢調査では、水上生活者も調査対象となる。一般調査区、特別調査区のほかに水面調査区が調査対象区域として設定され、重要港湾の港湾区域、地方港湾の港湾区域又は漁港の水域、河口及びその周辺水域を対象として調査が行われる。蛋民の項を参照のこと。 ハウザン(後江)上流域には多くの水上生活者が存在し、フローティングハウスの集落が存在している。雨期と乾期で極端に水位が変化するトンレサップ湖周辺では、漁労のために乾期は陸地、雨期は水上となるエリアに高床式住宅による集落が形成されていた。また水上にはフローティングハウスも見られる。近年では観光地としても開発が進められている。マレー半島の南端のジョホールバール周辺には、オラン・ラウト族がマングローブの密生地帯に船住居を浮かべて暮らしていた。センポーナの沖にはバジャウ族が生活する。バジャウ族は1世紀ほど前からサバ州の陸上の住民と交易を行い、タムスと呼ばれる定期市で魚介類と米、イモを交換した。は、フィリピン、マレーシア、インドネシアなどの海域で水上生活をする。首都バンダルスリブガワンのブルネイ川にカンポン・アイールがある。42の村と39000人の人口を持ち、東南アジア最大の水上集落とも言われる。チグリス川とユーフラテス川の下流にバティーハと呼ばれる沼沢地があり、と呼ばれる人々がアシで住居を作り、農業と漁労で生活をする。チチカカ湖では、がトトラと呼ばれるアシで住居や船を作り、漁労や観光で生活をする。オランダの首都アムステルダムでは、住宅事情が極端に悪いことから運河にハウスボートを浮かべて居住する住民が存在する。このハウスボートは、正式に係留の許可を取り、電気や上・下水道が完備されており、陸上の住宅とは遜色が無い。2007年現在、新たな係留許可は認められていないことから、ハウスボートに居住することが一種のステータスとなっている。 モナコに限ったことではないが、100フィートを超える豪華クルーザーを建造し、リゾート地のヨットハーバーなどに停泊させて移動用住居(別荘)として活用する者もいる。居住用のクルーザーの建造費用もさることながら、モナコグランプリ開催時の係留料金は、週単位で数百万円から1千万円を超える高額であり、特定の趣味を持つ高所得者に限られる。住宅費の高騰が深刻なイギリスのロンドンでは、水上生活者が増加している。船の交通に支障が出るなどの問題が生じている。
出典:wikipedia
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