『ミラーマン』は、1971年12月5日から1972年11月26日まで、フジテレビで毎週日曜日 19:00 - 19:30 に全51話が放送された特撮テレビドラマ作品、およびそれに登場するヒーローの名前である。円谷プロダクションがウルトラシリーズとは異なる路線で制作した巨大ヒーロー番組。『帰ってきたウルトラマン』とともに第二次怪獣ブームの一端を担った。本作の企画は、金城哲夫が円谷プロダクションへの置き土産として執筆した原案を基に、田口成光や満田かずほが1969年に本格的な番組案とした企画書がそもそもの発端で、これを基に小学館が発行する学習雑誌などの児童誌におけるマンガ連載が行われ、また東京12チャンネルなどへの番組売り込みが並行された。こうした経緯を経て、一度は旭通信社を通して、よみうりテレビの土曜日19:00 - 19:30枠における『巨人の星』の後番組として候補に挙がっていた時期もあったが、結局実現しなかった。ちょうどその頃フジテレビでは、旭通信社の担当枠(日曜日 19:00 - 19:30)で、新番組企画『長くつ下のピッピ』 が、原作者の許可が得られずに制作中止に追い込まれていた。そこで急遽、旭通信社は代替企画として『ミラーマン』をフジテレビに売り込み、9月3日のフジテレビ企画会議において、1971年12月から、同枠での放映が決定することとなった。こうして、最終的に本作は円谷プロダクションが企画と制作を兼ね、広告代理店は旭通信社が担当、提供スポンサーは大塚製薬グループが単独で務める形となっている。設定については、満田が各局に売り込んでいた『戦え! ウルトラセブン』の企画書における、スライサーV、同Hなどの必殺技なども流用することで、細部が固められていった。また放送決定に先駆けてパイロット版(後述)も制作されていたが、出演者やヒーローのデザインなどが異なっている。円谷プロとしても、同時制作されていた『帰ってきたウルトラマン』との差別化のため、「シャープで硬質なドラマの制作」が掲げられ、ストーリーは、御手洗博士を中心とする科学者専門家チーム、異次元人との混血児である主人公京太郎の出自が及ぼす心の葛藤による彼の内面的な弱さ、インベーダーの不気味さが強調されており、同時期のヒーロー番組としてもリアルでダークなムードのドラマが展開された。また、特殊チームが光線銃以外の兵器を持たず、科学力で敵に立ち向かう「民間組織」(事件の捜査と検証などが主な任務)であるという点も特徴であり、「敵に対してなかなか抵抗できない」といったエピソードも多々描かれている。主人公が特殊チームの関係者ではあるが所属はしていないという設定も特徴であり、ウルトラシリーズとの差別化である一方で、制服を着用しないことで誰が主人公であるかを子供にもわかりやすくするという配慮でもある。演出陣としては、大映京都撮影所から黒田義之監督を招き、本作を機に黒田は円谷作品に関わるようになる。これは、1966年(昭和41年)の大映映画『大魔神』を観て、黒田の特撮演出の巧みさに驚嘆した円谷一が、円谷英二の長年の夢だった『竹取物語』の映画化スタッフとしてこれを招いたのがきっかけである 。同じ怪獣が数度にわたって再登場することが多いのは、予算削減のため、当初から番組企画に盛り込まれていた事項である。本作の監修に円谷一が名を記している件については、「当時のTBSは円谷プロに対し、円谷の特撮ものはうちの局でなければ作れないという傲慢な態度をとっていた。それに対して、円谷一はTBSに釘を刺す意図があったのではないか」との、当時のスタッフの証言がある。作風はジャン・コクトーの監督映画『オルフェ』やジャック・フィニイの小説『盗まれた街』、アメリカのテレビドラマ『インベーダー』などから影響を受けている。本作は、放映開始時から裏番組として同じ特撮ヒーロー番組である『シルバー仮面』との視聴率競争を宿命づけられていた作品であるが、シリアスで地味な世界観や、制作費を抑えるため同じ怪獣が再登場するパターンが繰り返されたことなどから、視聴率は初回の27%を最高値として徐々に下がっていった。この視聴率競争では本作が優勢であり、結果的には勝利したものの、翌1972年の4月編成期を境に、第二次怪獣ブームが過熱していくなかで、派手なアクションやドラマを展開するライバルヒーロー番組が各局ともに続出することとなり、制作スタッフはさまざまな番組強化策を検討せざるを得ない状況となる。こうして、ライバル番組が一気に増加したことへの対策として、第2クール目から怪獣が再登場する方針が改められ、序々にインベーダーの作戦のスケールが大きくなり、派手な特撮シーンが増えていった。そして第3クール目からミラーマンの世界観はインベーダーと人類との総力戦を描くものへと変わる。ソルガン(太陽や星の光をエネルギーとする光線銃)以外に武器を持たず、事件の調査と航空防衛隊への指揮が中心だったSGM(ただし、インベーダーと格闘することも多々あった)は、インベーダーによって基地を壊滅させられ、実力で対抗すべく大型戦闘機ジャンボ・フェニックスを導入。ミラーマンを支援する攻撃部隊としての側面を持つようになる。また、インベーダーの策略で埋め込まれたエネルギー時限爆弾と、その対抗アイテムとして父親から与えられたカラータイマー 、そして敵の強大さをアピールするため2体の怪獣を相手にするケースも多くなり、戦いの緊迫感は俄然増した。こうしてインベーダーの攻撃が苛烈になり、ミラーマンが絶体絶命のピンチに陥るストーリーも続出した。また番組初期でみられなかったインベーダー側のドラマが描かれる話(42、46話)や、環境破壊を批判した社会派のドラマ(32話)やインベーダーの地球侵略の理由が明かされる話(41話)もありバラエティに富んだ作風となっていく。視聴率も第34話から16%台に持ち直し、安定した人気を得るようになり、続編『ミラーマン・兄弟』も企画されるが、こちらは映像化されることなく終わった。このように同題材の裏番組との競争による視聴率競争や路線変更など、紆余曲折を経た本作であるが、この作品が放映されていたのが、ヒーロー番組が乱立した空前の「変身ブーム」の頃であったことを鑑みれば、十分な人気を得た番組であったと言える。視聴率も、平均17.2%と、決して悪いものではなかった 。一方でキャラクター商品化市場では苦戦を強いられ、ことに怪獣のソフビ人形の売り上げが伸び悩み、ミラーマンや怪獣のソフビ人形を販売していたブルマァクの倒産の一因となった 。1980年代、異常な事件が世界各地で続発していた。宇宙物理学の国際的権威である御手洗博士は、これらは地球に危機が迫っている兆候だと警告するとともに、自ら現代科学のエキスパートたちを集めた調査組織・SGM(Science Guard Members)を組織して、その研究所を自邸の地下に建設した。新聞社のカメラマン・鏡京太郎は御手洗博士の助手をしていた母・優子の死後、博士の家に引き取られ、彼らの家族同然に育てられた。彼は謎の竜巻被害の取材中、奇妙な現象に襲われて危機に陥るが、不思議な鏡のきらめきによって助けられ、竜巻被害の実地調査にやって来たSGMの藤本に伴われて御手洗邸に帰宅する。京太郎が撮影したフィルムには、目には見えなかった謎の人物が写っていた。京太郎の話を聞いた御手洗博士は、彼の出生の秘密を語り始める。京太郎の父は京太郎の撮影したフィルムに写っていた地球外侵略者・インベーダーからこの世界を防衛するため、異次元世界「二次元」からやってきた超人「ミラーマン」だった。彼は「二次元」ばかりか「三次元」の世界を侵略しようとするインベーダーの策略により命を落とし、優子は御手洗博士に京太郎を託して姿を消さざるを得なかった。そして京太郎も父から超人としての力を受け継いでいた。混乱する京太郎。しかし、死んだと思われた父はなおも存在しており、息子である京太郎に「私に代わってお前がミラーマンとしてインベーダーと戦うのだ」とメッセージを送る。再び襲来するインベーダーは、御手洗邸に侵入してフィルムを奪回、追跡されると巨大な怪獣へと変身する。父の仇・インベーダーから地球を守るため、京太郎は父の声に応じミラーマンへと変身する。鏡京太郎が、「ミラー・スパーク」の掛け声とともに、鏡や水面など光を反射するものに飛び込んで変身する。自身の出自も父親が異世界人だとも知らずに成長したが、地球を狙う侵入者・インベーダーから地球を守るため、インベーダーが送り込んだりインベーダー自身が変身した侵略怪獣と戦った。第2・3・6・7・9・10・21・26話など、シリーズ前半では等身大で活躍する場面も比較的多い。鏡や光を反射する物を伝って移動することが可能であるが、空を飛ぶことはできない。光の速度で走る事も可能で、その状態なら時間が停められた地域に入ることも可能。弱点は、鏡の中に長時間留まることであり、彼の父親はこの弱点をインベーダーに突かれて死亡したという。ミラーマンも第6話ではこの弱点を突かれて命の危機に立たされるが、父の助言によって無事生還している。変身ポーズは「ミラーアクション」と呼称される(第17話)。ミラーマンから京太郎の姿に戻る際にも、同様のアクションを行なう。第26話でインベーダーの罠にかかった際、敵は生命力の強いミラーマンを倒せず、代わりに体内にエネルギー時限爆弾を仕掛けたため、ミラーマンは光線技をむやみに使用できなくなった。そこで、父から残りエネルギー量を知らせるカラータイマーを与えられ、緑のベルトに取り付けられた。腕を負傷しているとミラーナイフとシルバークロスが使えなくなる。父の形見のペンダントを変身に使用すると二次元世界から出られなくなるため、三次元世界に決別して二次元世界に帰る時しか使えない。真っ赤な惑星「X(デビル星)」からやって来た侵略者。地球の侵略および地球人類の抹殺などを目的としており、様々なタイプの宇宙船に乗って地球に現れる。地球上での行動時には主にメン・イン・ブラック(人間態で黒ずくめにサングラス)の姿をとることが多く、それ以外ではヘルメットを被った姿(第5話)、のっぺらぼうなどの妖怪のような姿(第5、6、34、39話)、人間のマスクを被ったドクロの顔(第43話)などがある。また、人間や人形(第16話)に乗り移って行動することも可能。ある種のレーザー光線が致命的な弱点であり、かすった程度でも肉体組織の崩壊が始まり死亡する。また、太陽光や強い閃光に弱く、カメラのストロボなどを浴びると弱体化してしまう。サングラスを掛けているのはこのためであるが、人間態でいる際の特徴である光る目を隠すことも兼ねている。さらに、義眼や人間の目を模した絵をサングラスに付けてカムフラージュする場合もある。その本来の姿は白色の頭部にヒレ状の突起を持つ怪人(第10話)や、同じ形状の緑色の怪人(第26話以降)である。宇宙で最も環境の優れた惑星であるとされる地球の環境が地球人によって破壊されていることに業を煮やしており、手遅れにならないうちに地球を地球人の手から略奪して再生させようとしている(41話)。地球を自分たちにとってより住みやすい環境に整えようとしたり(9話など)、第2話、第40・41話のように地球に密かに移住しようとするなどの作戦を行なった。34話では、頭部にヒレを持つ緑色の怪人の顔の皮膚をはがすと下からのっぺらぼうの顔が出てきたこともあり生態は謎が多い。簡単に人を殺す習性を持つが、なかには人間に感化され地球侵略に疑問をもつ友好的なインベーダーも存在した(42、46話)。また、計画の邪魔となるミラーマンやSGM隊員の抹殺を企てることも多々あった。また最終的に自分達の母星を地球にぶつけようとした。単独または複数人が円盤からの光線を浴びたり、またはそのまま怪獣化することが可能。怪獣の姿で直接破壊活動を行なうこともあれば、怪獣やメカを操って暴れさせることもある。負傷時や死亡時に緑色の体液を残す。この体液は怪獣化して倒された際にも流すことがあり、アイアン(初代)やゴールドサタン(2代目)は口から緑の液体を吐きながら絶命した。死亡すると緑色に発火もしくは発光しながら消滅するが、例外的に自ら死を選んだインベーダー(第23話)は泡状に溶け、インベーダーの少女・リサ(第46話)は桃色の淡い発光を伴って消滅した。『ウルトラマンタロウ』47話に登場したゴルゴザウルス二世の出現はビデオおよびDVDで発売された『ウルトラ怪獣大百科 ウルトラマンタロウ編』のナレーションの解説ではインベーダーの再来が示唆された。Science Guard Membersの略。インベーダーの地球侵略を察知した御手洗博士によって秘密裏に結成された対インベーダー組織。本部は御手洗邸の地下30メートルに存在する。第26話でスネークキングによって御手洗邸もろとも破壊されるが、第27話からジャンボフェニックスの格納庫を備えた新基地が登場する。ユニフォームは青いブレザー。第11話から戦闘時には黒い革製のジャケットを着用する。第32話からは戦闘服とヘルメットに一新される。視聴者サービスの告知映像が入ったり(第16 - 18話)、ゲスト出演者の数が多い(第39・47話)といった理由で、レギュラー陣のクレジット枚数が通常よりも少ない回が存在する。その際には、序列の関係上、「村上浩・和崎俊哉 藤本武・工藤堅太郎」の後に「鏡京太郎・石田信之」がクレジットされている。第30話以降、次回予告の尺が従来の30秒から15秒に短縮された。また最終回前後編では、東條昭平監督の意向でドラマの尺を長くした分、次回予告が無くエンディングテーマが大幅に短縮されており、石田信之と宇佐美淳也が連名でクレジットされている。※ 主な声優関係は仮面ライダーシリーズなどに参加したテアトル・エコーが担当。冬木透は第二次怪獣ブーム時、ウルトラシリーズ(『ウルトラマンタロウ』を除く)、『ファイヤーマン』といった円谷作品のBGMを担当したが、主題歌を作曲したのは本作のみである。また、本作のBGMは『ウルトラマンレオ』、『ジャンボーグA』、『ウルトラセブン1999』にも流用されている。いずれも『東宝チャンピオンまつり』のプログラムの一つとして上映された。小学館の学習雑誌ほかで、1969年から1970年、1971年から1973年に連載された。ミラーマンのデザインが1971年にテレビドラマ化されたものとは異なる。キャラクターデザインは、森藤よしひろ。テレビドラマとのタイアップで連載。番組の制作決定以前の1971年6 - 7月頃、プロモーションの一環として制作されたもの。ミラーマンDVD-BOX2や単巻DVD.第9巻に映像特典として収録されている。
出典:wikipedia
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