ギア・アンティークは、伏見健二が制作したスチームパンク風のテーブルトークRPG。1991年にツクダホビーより発売。その後、1999年に「ギア・アンティーク〜ルネッサンス〜」というタイトルで、伏見健二/F.E.A.R.著としてゲーム・フィールドより第2版が発売された。ツクダホビー版より数十年後が舞台で、時代に合わせて技術もそれなりに進歩している。ゲームの舞台となる異世界「マキロニー」は産業革命期のヨーロッパをモチーフにした世界である。蒸気機関や飛行船、戦車などといった無骨な機械は日常に溢れており、これら近代文明と相対する形で「魔法」や「モンスター」というファンタジー要素も存在している。そんなエネルギッシュな世界で、19世紀から20世紀初頭のジュブナイルSF小説のような開拓者精神あふれる大活劇を行えるゲーム性が魅力になっている。近代世界なために冒険者や勇者などというヒロイックファンタジー風の職業はメジャーな形では存在していない。プレイヤーキャラクター(PC)は普通に日常生活を送っている様々な職業人となる。女学校に通うごく普通の娘さん、パン屋のせがれ、酒場のオヤジ、買い物帰りの主婦、街の警官・・・こんなごく普通の人々が、ひょんなことから大事件に巻き込まれてしまうという、往年の少年冒険もののようなスタイルがギア・アンティークのシナリオの基本形となっている。多くのファンタジーRPGよりも背景世界の文明レベルが発展しているため、出自や才能だけでプレイヤーキャラクターの個性が決まらず、子供時代からどのように進学してどのように転職していったかを決めることでデータが形作られていくというキャラクター作成方法が採用されている。用意されている職業はかなり多様なものとなっており、「主婦」などといったほかのゲームには見られないものもある。また、軍属に関する職業が豊富なのも特徴。後の「ギア・アンティーク〜ルネッサンス〜」はさらに進んで、職歴・恋愛歴や引退年数、そして死亡時期までもキャラクター作成時に決めてしまうという珍しい方法になった。行為判定は同じ作者によるTRPG『ブルーフォレスト物語』をほぼ踏襲し、パーセンテージロール(D%)が採用されている。10面ダイスを二個ふって、片方を10の位、片方を1の位として、行為判定の成功率以下の出目ならば成功というものである。(たとえば岩を持ち上げる判定の成功率が53%ならば、10の位のダイスが「5」以下、1の位のダイスが3以下ならば成功となる)このゲームのおけるPCは冒険者や英雄などではなく「ただの一般人」な職業についていることが多いため、激しい冒険や戦闘などを素の能力でこなすのは難しい。しかし、どんなに難しい判定の失敗でも覆すことのできる幸運の風という、独特でありながらも判りやすいルールがこのゲームのスパイスとなっている。「幸運の風」とはD%の判定に使われる判定値の名称であり、他のゲームで言うところの「幸運」の能力値である。全てのプレイヤーキャラクターは、自分の行為判定が失敗したとき、「幸運の風」の判定値でやりなおすことができる。これは本当は失敗するはずの行為が「運良く成功した」ことを表す。例をあげれば「敵に撃った銃弾が外れたと思ったら、跳弾して命中した」というようなケースである。「幸運の風」が特殊な点は、能力で判定をして成功すると、この判定値そのものが上昇する点にある。これは「ツキがいいときはどんどんツキがよくなる」ということを表している。ただし、幸運の風が70%を超えた時点で、今までの幸運の反動として「しっぺ返し」というトラブルが自動的に起こる。どのような「しっぺ返し」が起こるかは専用の表でランダムに決定される。しっぺ返しが発生したあとに「幸運の風」は20%に固定され、再び上昇していく。我々の住む地球に良く似た地図を持つ異世界「遊星エルスフィア」のうち、法王ダーマチャキの治めるマキロニー地方(ヨーロッパに相当)を舞台にしている。なお、同じ作者によるTRPGブルーフォレスト物語の舞台であるシュリーウェバもまた、同じくエルスフィアの一地方である。以下は国家ではないが、重要な位置を占める民族や団体である。ギア・アンティークの看板役者として知られるNPCにヴェルン卿と呼ばれるキャラクターがいる。ヴェルン卿は世界征服を目論むマッドサイエンテイストなのだが、詰めの甘さとお人好しな性格が災いして彼の悪事が上手くいくことはほとんどない。痩身で神経質そうな細面の顔。黒づくめの装束に丸眼鏡がトレードマーク。フルネームはハンス・ヴェルン。元々はフィラム王国の貴族(男爵)で地方領主だったが、現在は窃盗や騒乱罪他の罪で、領地没収の上に指名手配されている。様々なシナリオに登場しては、はた迷惑な機械を作って大騒動を起こす愛すべきトラブルメーカーである。初登場から「〜ルネッサンス」に再び姿を現した数十年(この間は『ブルーフォレスト物語 リバイバルエディション』の記述から、シェリーウェバ地方へ行っていたらしい)経っても容姿が変化しないため、既に亜神化している可能性もうかがわせている。このヴェルン卿はデザイナーの伏見健二のお気に入りキャラクターであり、リプレイなどで伏見健二がプレイヤーを担当するときはPCとして使用されることもある。ヴェルン卿は他のテーブルトークRPGのライターやデザイナーにも愛されたキャラクターで、いくつかのゲームではヴェルン卿とその愛機ブランスマンドリン号が「友情出演」している。ヴェルン卿が他のゲームにゲスト出演するときは「ドクターV」という名前で出てきて、悪事を試みてはPCたちに打ち砕かれることになる。過去にヴェルン卿が出演したゲームでは、メタルヘッド、スペオペヒーローズ、トーキョーN◎VA、セブン=フォートレスなどがある。
出典:wikipedia
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