この項ではアラビア語の文法のうち、数詞について解説する。名詞や動詞など、ほとんどの単語に単数形、双数形、複数形がある。単数形とはそれが1つ単体であること、双数形とは2つであること、複数形は3つ以上であることをさす。双数形があるため、通常2つのものをあらわすときには数は用いられない。また名詞によっては集合体をあらわすものもあり、これを集合名詞と呼ぶ。特に固有の単体をあらわすわけでもなく、まとまった一定量のものとして解釈される概念の名詞にみられる。この他、双数形のないものもある。たとえば (水)は個数としては数えられないものだが集合体とも異なる。ゆえに双数という概念はありえない。しかし水が複数、すなわち豊富にあるという状況は存在し、この複数形 は水源をあらわす。双数形、または複数形にする際、名詞には規則的に変化するものと、不規則的なものとがある。不規則的なものは個々の名詞ごとに覚える必要がある。一方、規則的な変化をする場合、双数形は語尾に ـانِ を付け、複数形ならば ـون を付ける。ター・マルブータが語尾におかれる名詞の場合は ة を ت にして、さらに双数形もしくは複数形の変化を行うが、多くの場合は不規則変化をする。雌雄性別を問わないときは男性形を以って変化させる。発音では原則として下桁から読み上げ、筆記では上桁から記述する。また、数字にはヒンディー数字と呼ばれるものを用いる。ただし1桁のときには綴りで記述することも多い。なお、アラビア語フスハーにおける数の表現規則はひじょうに複雑であり、アラブ地域では中学校で履修する内容であり、さらにネイティブでも間違えることがあるほどである。アラビア語では大数の扱いは、英語などと同様に3桁ごとの組に区切る方法が採用されている。また、その3桁ごとの組内では100の位、1の位、10の位という順に並ぶ。実際にどのような命数法となるかについては基数詞や序数詞の章で具体的に解説するが、ここでは数詞表現全般として、どのような語順となるかを以下に図解する。なお、構文はアラビア語表記同様に右から記してある。「3つの-」というように数を添える場合、上で述べたように2つまでは名詞の変化によって表現するために、特に強調するようなときを除いて使うことはない。3つ以上では数を添えるが、名詞の性別と数の性別は逆転するという特徴がある。たとえば3は ثلاثة だが、この語尾にはター・マルブータが付いている。従って女性形である。しかし ثلاثة は男性名詞を数えるときに使われ、女性名詞の場合は ثلاث を使う。前述のように基本的には使われないが、1と2は性別の規則が例外となり、男性形は男性名詞に、女性形は女性名詞にそれぞれ使われる。また、この規則は11以上の数でも1の位の数には適用されるため、無視することはできない。11以上で、かつ1の位がゼロではない数では、1の位を除いた桁は名詞の性別に倣う。したがって、男性名詞であれば男性形が用いられ、女性名詞であれば女性形になる。すなわち、男性名詞に13という数を添えるときは ثلاثة عشر になり、女性名詞であれば ثلاث عشرة になる。11と12に限り、1の位が特殊な活用をする。なお、10以外で10で割り切れる数、すなわち20、30、40、あるいは100、1000、10000といった数には性の区別はない。以下に基数の表を示す。なお、単語ごとの性別、および構文はアラビア語表記同様に右から記してある。構文の項における「〜の…活用」は規則活用として解釈した上での変化を便宜的にあらわしたもので、実際のそれぞれの数詞における双数形や複数形とは異なる。また、0は通常、名詞に付して個数や数量の表現に用いることはしないが、基数詞のひとつとして含めた。序数における基数との大きな違いは、20以下においては男性名詞に付くものはあくまでも男性形に、女性名詞に付くものはあくまでも女性形になるという点である。したがって、いずれの桁も同じ性別が用いられることになる。10以外で10で割り切れる数に性の区別がないのは基数と同様である。また、21以上で接続詞 و を伴う序数は、 و 以降に続く語の性の区別がなくなる。以下に定冠詞 الـを伴った形での序数の表を示す。なお、単語ごとの性別、および構文はアラビア語表記同様に右から記してある。また、構文の項における「-の…活用」は規則活用として解釈した上での変化を便宜的にあらわしたもので、実際のそれぞれの数詞における双数形や複数形とは異なる。構文上の個々の語における序数詞と基数詞の区別をするため、序数詞の形をとるものは「第-」とし、基数詞は数のみで表記した。アラビア語における分数は文法上では名詞に分類され、それぞれの 1/n にあたる名詞は、その分母となる数詞の語根名詞形をとる。分子はその 1/n がいくつあるという数量表現をもって示される。たとえば 2/3 であれば 1/3 を意味する名詞は分母3のアラビア語である ثلاثة の語根 ثلث を双数形にした ثلثان であらわされ、 3/4 であれば分母4のアラビア語である أربعة の語根 ربع で 1/4 があらわされるため、この複数形 أرباع を用い、それが3つあるわけであるから ثلاثة أرباع と表現される。このため、数学的にみればアラビア語における分数の表現は、つねに m(1/n) という数式をもってなされているといえる。また、文法的には、語根を基本形と解釈するのであれば、 1/10 を基準にし、整数はその派生形であるということもできる。ただし、 1/2 は「半分」を意味する نصف という語を用いる。語根からなる単数形と、その複数形は次のような語形となる。なお、主格非限定を例示し、語末母音はダンマのタンウィーンであらわしてある。分数表現はさまざまな場面で用いられ、たとえば日本語でも日常的によく使われる「1時間半」といった表現同様に ساعة ونصف のように使われる。また15分を1/4時間 ربع ساعة と、250グラムを1/4キロ ربع كيلو とあらわす。なお「ケーキを半分に分ける」というような場合、 نصف は双数形の نصفان (文法上は属格となるので実際の文章では نصفين の形をとる)を使う。これは、分けられたケーキは「半分」となったものが2つできるからである。分数の分母は名詞として扱われるため、基数詞や序数詞とは異なり、つねに修飾される語と同じ性別が用いられる。また分子は分母の数量となるために基数詞となる。したがって性別の入れ替わりが起きる。以下に分数の表を示す。3/3、4/4など、1と等しいもの、2/4、2/6など約分できるものが使われることは少ないが、文法上の表現として含めた。また、一般に分母が1となる表現を用いることはないが、参考までにこれも掲げる。日本語でも1を越える分数をあらわすとき「ひとつと半分」のようにいうが、アラビア語でも同様であり、仮分数ではなく帯分数として表現することもできる。この場合、接続詞 و を用いて分数と基数をつなぐ。ただし修飾される名詞の数量が一過、すなわち1+(m( 出典:wikipedia
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