木瓜紋（もっこうもん）は、日本の家紋や模様のひとつ。藤紋、片喰紋、鷹の羽紋、桐紋と合わせて五大紋と呼ばれる。もとは有職文様である。瓜を輪切りにしたその断面や鳥の巣を図案化したものといわれ、子孫繁栄を祈る家紋である。唐の時代の中国では窠紋（かもん）（「窠」は穴かんむりに果）とよばれ官服の文様として用いられた。日本では奈良時代以降、1156年頃内大臣であった徳大寺実能によって使用され始めたといわれている。のちに「丸に木瓜」、「竪（立ち）木瓜」、「庵に木瓜」などがつくられ、多くの種類がある。木瓜では、朝倉義景（三つ盛木瓜）、滝川一益（丸に竪木瓜）、但馬氏、堀田氏などが用いていた。五瓜では有馬氏、大村氏、織田氏、六瓜では相良氏、小野寺氏の例がある。また八坂神社が五瓜を神紋としているのをはじめとして、全国の祇園神社の多くが木瓜紋を神紋としている。キュウリは木瓜とも書き、輪切りにしたときの切り口が木瓜紋に似るという事から、京都や博多をはじめとして、祇園祭の期間中にキュウリを食べないことを慣習としている地域も多い。木瓜紋には、木瓜や五瓜（ごうり・ごか）や六瓜（ろくうり・むつか）といったものがある。横置きの木瓜を通常「木瓜」といい、竪にすれば「竪木瓜（たてもっこう）」という。外郭（木瓜は4つ）の数が5つであると五瓜、8つでは八瓜となる。いずれも内側には唐花を入れるのが標準的であるが、桐紋や蝶紋、文字紋などほかの家紋を組み合わせることもある。また、五瓜の中心部を空白にしたものを「瓜輪（うりわ）」という。「三方木瓜」、「四方木瓜」、「剣木瓜」、また堀田氏の「堀田木瓜」（石持ちに地抜き竪木瓜）などがある。また、五瓜では家により形状が違う場合、その家の名前を入れて「××瓜（うり・か）」と呼ぶことがあり、有馬氏の「有馬瓜」、大村氏の「大村瓜」、織田氏の「織田瓜」、太田氏の「太田瓜」などがある。有馬氏の有馬瓜は標準的な五瓜の図案であったが、同一族の大村氏の大村瓜と混同した。

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