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推進運転

推進運転(すいしんうんてん)は、鉄道の列車を進行方向最前部車両の前頭以外で操縦することである。鉄道の運転においては、遠隔操縦による運転、自動運転を除けば、列車は進行方向最前部の車両の前頭で操縦すること(牽引運転)が法令で義務づけられている。機関車牽引列車を駅で折り返したい場合、機関車の編成中の位置を変えずにすまそうとすれば機関車推進列車となるが、このとき新たに列車の最前部となる車両において機関車の制御ができないときは推進運転が行われる。ワシントン山鉄道を始めとする登山鉄道では、山麓側を機関車とする列車編成方法がしばしば見られる。大井川鐵道井川線では山頂側(機関車と反対側)の車両が制御車となり、折り返しの際はその制御車にて牽引運転をする。また嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線では始終端駅に着回し線が設けられていないため、機関車が最後尾となるトロッコ亀岡行きは推進運転となる。制御車を先頭とした運転形態を一般的に「ペンデルツーク」と呼称する。「動力集中方式#プッシュプル方式」を参照。なお、単行の動力車で前頭以外の運転台で操縦することは、推進運転である。推進運転そのものは、過去に鉄道営業法の省令である鉄道運転規則(昭和六十二年三月二日運輸省令第十五号)第六十六条において、後述する上野駅等における例外規定を設けた上で「列車は、推進運転をしてはならない」と定められていたが、現行の鉄道に関する技術上の基準を定める省令(平成十三年十二月二十五日国土交通省令第百五十一号)では、推進運転に関する記述は存在していない。推進運転の際は、原則として運転速度が時速25km/h以下に速度制限されているが、東北本線の上野-尾久車両センター間で行なわれる推進運転(推進回送)については、先頭となる客車に非常時のブレーキ操作を行なう推進運転士を乗務させ信号機と標識の確認を行い、それを機関車の運転士に無線で指示することにより制限速度を時速45km/hに上げての運転を可能としている。メトロノース鉄道のグランド・セントラル駅等、頭端式ホームを有する駅から発着する路線で旅客営業運転されている例がある。同路線では、2013年12月2日、ディーゼル機関車が後押しする推進運転中の列車が脱線転覆する事故があったが、事故区間のカーブの制限速度は48km/hとされており、通常時でも相応の速度で営業運転が行われているものと推測できる。

出典:wikipedia

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