『領主と奥方の物語(レー)』(りょうしゅとおくがたのレー、"The Lay of Aotrou and Itroun" )は、J・R・R・トールキンが1930年に書き、1945年12月にウェルシュ・リヴュー誌()で発表された、508行からなる詩である。日本では辺見葉子による日本語訳が1992年にユリイカで発表された。“Aotrou and Itroun”とは、ブルトン語で「領主と奥方」(lord and lady)を意味する。この詩は、12世紀の中英語文学で人気のあった「ブルトン・レー」()の形式に基づいており、英雄的・騎士道的価値観とキリスト教との対立、結婚制度との関係を探っている。作中の領主と奥方はブルトン人の貴族である。かれらには世継がなく、領主は魔女に助けを求める。奥方が子を得ると、魔女は領主の前に現れ、自らが妖精コリガン()であることを明かし、報酬として領主の愛を求める。領主はキリスト教の価値観にそった騎士の名誉を犠牲にして、魔女との約束を破る。コリガンは3日後に死ぬ呪いを領主にかけるが、領主は神意に信頼を置き、このなりゆきを引き受ける。3日後に領主は亡くなる。奥方も心痛のため亡くなり、かれらはともに葬られ、子供たちの成長を見ることはない。作品の舞台となった「ブロセリアンドの森」()の名前は、中つ国を舞台とした詩、『レイシアンの歌』()でもエルフの国、「ブロセリアンド(Broceliand、Broseliand)」の名前に流用された。「ブロセリアンド」は試行錯誤のあと、「ベレリアンド」()に訂正され、定着した。
出典:wikipedia
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