SIMカード(シムカード、)とは、GSMやW-CDMAなどの方式の携帯電話で使われている、加入者を特定するためのID番号が記録されたICカード。なお、第2.5世代移動通信システムの方式の一つ、IS-95で使われるICカードをCSIMカードと呼ぶ。なお、日本のcdmaOneではこの方式は採用されなかった。第3世代(3G)携帯電話用のSIMカードは機能が拡張されており、W-CDMA(UMTS)に利用するものをUIMカードないしUSIMカード、CDMA2000に利用するものをR-UIMカードと言うが、基本的に互換性があるため、特に区別せずにSIMカードと呼ぶことが多い。ボーダフォン(Vodafone)のかつてのロゴはこのSIMカードの形状がモチーフである。SIMカードには、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)と呼ばれる固有の番号が付与されており、これと電話番号を結びつけることにより通信を可能とする。SIMカードを抜き差しすることで、電話番号を他の携帯電話機に移したり、ひとつの携帯電話端末で複数の電話番号を切替えて使用したりすることができる。ただし、SIMカードは頻繁に抜き差しすることを想定したものではなく、抜き差しの前に確実にSIMカードの電源を切るようにするため、多くの電池交換可能な電話端末では、電池を取り外さないとSIMカードの抜き差しができないような構造になっている。電池交換不可能な端末では、電池を外す制約がないため、SIMの抜き差しによりリブート、機内モードでSIM差し替え可能等、端末により対応が異なる。日本国内で入手できるSIMカードは通常、キャリア(通信会社)からの貸与であり、解約の際には返却する必要がある。ただし、プリペイドSIMカードの場合は、最終使用時から一定期間の後に失効して発信も着信も出来なくなるため、解約手続きは不要である。失効する期限は、最終使用から半年程度が多い。ソフトバンクモバイルのプリモバイルの場合は、残高有効期限切れから360日以内にリチャージを行わないと自動解約扱いとなる。SIMカードは、他の一般的なICカードと同じく、クレジットカードサイズで提供される。これは、昔の自動車電話などのSIMカードソケットだったことの名残である。現在は小型化され、ICチップの部分だけを切り離して使うようになっている。ID-1 UICCは、ISO/IEC 7816規格の接触型ICカードである。Plug-in UICC(Mini-SIM)カードの外形寸法はISO/IEC 7810 のID-000で規定され、幅25mm×高さ15mm×厚み0.76mmである。より小型の端末のために、Mini-UICC(micro-SIM)がETSI TS 102 221 V9.0.0により定められた。大きさは幅15mm×高さ12mm×厚み0.76mmである。さらに小型の規格として4FFがETSI TS 102 221 V11.0.0より定められた。大きさは幅12.3mm×高さ8.8mm×厚み0.67mmである。記憶容量は64kバイト程度。実用化されている最大容量は2005年(平成17年)時点で128Mバイトである。2008年(平成20年)までに1Gバイトへと大容量化する方針のメーカーもある。小容量のカードでは契約者の個人情報や電話帳を50件ほど保存できるのみだが、大容量のカードではコンテンツ情報などを保存することもできる。SIMカードと移動機との間は、半二重シリアル通信である。基本的な伝送速度は9,600ビット/秒で、伝送速度をネゴシエーションによって111,500ビット/秒まで上げることができる。UICC(Universal Integrated Circuit Card)はGSMやUMTSの移動機に使われるスマートカードである。GSMネットワークではUICCはSIMアプリを内蔵し、UMTSネットワークではUSIMアプリを内蔵する。UICCにはこれ以外に様々なアプリケーションを内蔵することができる。近年ETSI-SCPで標準化された高速UICC規格(IC USB)では、USB2.0の物理層の規格を修正し、通常速度12メガビット/秒で通信できる(ETSI TS 102.600)。この場合、UICCのC4とC8ピンを使い、物理層より上のUSB規格は互換性がある。マイクロSIM(microSIM、micro-SIM)はミニSIM(mini-SIM)より小型の規格で、third form factor(3FF)とも呼ばれる。これに属するものとしては、ドコモminiUIMカード(ドコモ)や、micro au ICカード(KDDI)などがある。nano-SIMはマイクロSIMよりも小型の規格で、欧州電気通信標準化機構(ETSI)が2012年に策定した。fourth form factor(4FF)とも呼ばれる。バーチャルSIMは、SIMカードをソフトウェア化し、端末画面上で複数のキャリアを選択できる次世代型の規格。そのため物理的なSIMカードを必要としない。この技術は、米アップルによって研究が進められ、特許も取得している。UICC(SIMカード等)にNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)のアプリケーションを内蔵し、移動機(携帯電話端末)内のCLFとUICC(SIMカード等)を、SWPやHCIでインタフェースする事により非接触型決済機能をUICC(SIMカード等)に付加できる。3GPPリリース7にて、非接触型ICカード機能をサポートするUICCへの拡張規格が決まった。これはUICC(SIMカード等)とNFCの無線通信を行う非接触無線チップCLF(Contactless Front End)とのインタフェースを規格化したものである。このインタフェースはSWP(Single Wire Protocol)という。CLFは通常、移動機のプリント基板に実装されるが、同時にCLFは移動機内に実装されたNFC用のアンテナに接続され、外部のリーダ・ライターとNFCの通信を行う。SWPはETSI-SCPで策定されており(ETSI TS 102.613)、UICCとCLF間でシリアル伝送を行う。SWPは、物理層とデータリンク層(MAC層とLLC層)をUICCとCLF間に提供する。SWPは、UICCのC6ピンとグランドC1ピンの2線で通信を行うが、電圧と電流のハイ・ロー2値をそれぞれ使うことによって、全2重通信を行っている。すなわち、CLF側からは電圧のハイ・ローの2値を使い、UICC側からは電流のハイ・ローの2値を使って通信する。ただし、UICC側からの電流値は、CLF側からの電圧値がハイの時間のみ有効となる。この方式により、上り・下りとも同一の伝送速度を達成することができる。SWPは最大で1.6Mbps程度の速度が達成されることが報告されている。SWPの上位層でUICCやCLF間の通信を管理するHCI(Host Controller Interface)が同じくETSI-SCPで規格化されている(ETSI TS 102.622)。HCIはUICCとCLF間の通信を主な目的としているが、CLFをマスターとしたスタートポロジー構成となっており、ノード間のルーティングがサポートされている。日本では、第二世代携帯電話(2G)が主流だった時期には、SIMカードを使う2G方式の代表であるGSMがサービスされていないため、使われていなかった。ただし、NTTドコモの自動車電話機の一部機種では「DoCoMoアプリケーションカード」と呼ばれる、クレジットカードと同サイズのICカードを利用していた。また、NTTドコモの組み込み型パケット通信基盤の一部(タクシー用クレジットカード決済器など)で「DoPaチップ」を採用している物がある。これは日本独自のもので、PDC(mova)方式である。3GではW-CDMAを採用したNTTドコモのFOMAやソフトバンクモバイルのSoftBank 3Gのサービスインにより、UIMカードが使われるようになった。また、au(KDDI・沖縄セルラー電話連合)も国際ローミングの強化(グローバルパスポートGSM)を目的としてCDMA 1X WINで、R-UIMカード(au ICカード)を導入し、日本の3G携帯電話はすべてUIMカード相当のICカードを採用することとなった。また、日本の3G携帯電話では、ダウンロードしたコンテンツに対してIMSIやIMEI(International Mobile Equipment Identity、電話機の固有番号)による保護がかけられていることが多く、ダウンロードに使用したものと異なるUIMカードを挿した場合、通話・通信はできても、ダウンロード済みのコンテンツの利用ができない場合がある。UIMカードを紛失・破損・不具合・盗難などにより再発行した場合も同様の可能性がある。SIMカードの通話や通信以外の利用法としては、NTTドコモのFirstPassというサービスがある。利用者が電子証明書の発行を受けてこれをFOMAカードに格納し、SSLクライアント認証や電子署名に利用するものである。なお、このサービスは2012年(平成24年)8月31日で終了している。日本のプリペイドSIMカードは、ソフトバンクモバイルの「プリモバイル」および「(iPad専用)プリペイドプラン」、イー・モバイルの「EMチャージ」、So-netの「Prepaid LTE SIM by So-net」、日本通信の「3GB定額」、IIJmioの「Japan Travel SIM powered by IIJmio」などがある。
Prepaid LTE SIM by So-netは日本初の自動販売機で販売されるプリペイドSIMカードである。サービス開始当初は関西空港に自動販売機が設置され、その後に成田空港や新千歳空港などに販売エリアを広げている。EMチャージとPrepaid LTE SIM by So-netと3GB定額はデータ通信に特化したサービスであるため、音声通話に用いる電話番号が取得できない。音声通話を行うには、代替手段としてLINEやスカイプなどのインターネット電話を用いる必要がある。au(KDDI/沖縄セルラー電話)のぷりペイドでも、au ICカードを利用したものは存在するが、事実上は、端末に電話番号を書き込む方式に近い。MVNOオペレータの場合は、日本通信のデータ通信専用商品にプリペイド方式のものがある。なお、同社のスマートSIM、amazon.co.jp専売、ヨドバシカメラ専売、イオン専売商品、音声通話可能商品はプリペイドではない。プリペイドSIMカードの場合も、携帯電話不正利用防止法により、販売時に氏名、住居、生年月日の確認が必要である。PHS用SIMカードとしては2005年(平成17年)にPIMカードが規格化され、中国でのPHSサービス(小霊通)等へ採用されている。ただし日本国内では、2009年(平成21年)12月現在、PIMカードを発行しているPHSキャリアは存在しない。2008年(平成20年)2月にウィルコムより日本国内で初のPIMカード採用端末であるWX130S(SII製)が発売された。これはPIMカードをサポートしている中国のPHSサービスを利用するためであり、日本国内でPHSサービスを利用するためには従来通り端末へ電話番号の書き込みが必須である。なお、ウィルコムからの提供は終了している。また、かつてウィルコムが行っていた、台湾・タイ王国・ベトナム等でのPHSの国際ローミングは、現地の電話番号を端末へ直接書き込む方式を採用しているため、PIMカードやSIMカードを利用することはない。なお、ウィルコムも一部の端末でW-SIM(ウィルコムシム)と称する独自仕様のモジュールを採用している。これは契約情報だけでなく、アンテナを含む無線通信機能から電話帳機能までも内蔵しており、端末から無線機能を切り離すことによって、端末の開発期間を短縮できるほか、無線技術を持たないメーカーの参入をも容易にするものである。例えば、バンダイから発売された「キッズケータイpapipo!」がW-SIMを採用しているほか、ハンディターミナルやテレメタリングのような機器組み込み用途・産業用途にも採用されている。なお、GSM方式の通信機能を内蔵したW-SIM、CM-G100(IAC製)も販売されている。この製品は、GSM用SIMカードスロットを搭載したW-SIM対応端末にGSMのSIMカードを装着するものである。使用可能機種は2010年(平成22年)10月8日現在、HYBRID W-ZERO3(WS027SH)のみで、他のW-SIM対応端末では使用できない。Wireless City Planning(以前はウィルコムが提供)のXGP(WILLCOM CORE XGP)によるデータ通信サービスでは、XGP Cardと呼ばれるICカードを採用している。XGP Cardの規格自体はUIMカード互換ではあるものの、Wireless City PlanningのWILLCOM CORE XGPサービスは現状データ通信のみであり、音声通話がサポートされていないため、カード内に電話番号情報は書き込まれていない。あくまでも、利用者認証のためとしている。そのためXGP CardをUIMカード対応の電話機端末へ挿入しても、音声通話サービス等を利用することは不可能である。ただし、当時のウィルコムとしては、将来的にXGP Cardを利用し、音声通話をサポートする可能性を否定してはいなかった。2014年4月22日、日本での自動販売機では初めて関西国際空港で売られる。音声通話が可能となる通信端末やSIMカード等は、携帯電話不正利用防止法の規制対象となり、契約者の本人性確認の義務付けや、不正な譲渡の禁止等がなされている。なお、データ通信専用となる通信端末やSIMカード等は、同法の規制対象外である。一部のMVNO/MVNE事業者では、データ通信専用となる通信端末やSIMカード等について本人確認書類の授受を省略しているものがある。一般的にプリペイドユーザーの比率は日本に比べて高い。Vodafone社の“Pay as you talk”と“Pay monthly”など、日本国外の多くのキャリアは、ポストペイドSIMカードもプリペイドSIMカードも販売している。さらに、ロンドンのヒースロー空港のように、入国者向けにSIMカードの自動販売機が設置されている場合もある。テレコムスクエア・トラベルヴォイスアンドネット・ドイツテレコム日本法人など、日本で日本国外の携帯電話通信会社のSIMカードを輸入販売している会社も存在する。通話や通信以外の利用法としては、フィンランドのように、'Citizen Certificate'を入れ、電子身分証明書として使用する動きもある。空港・電話会社・コンビニエンスストアなど、日本でも一部販売店で、他国キャリアのプリペイドSIMカードを購入し、SIMロックされていない自分の端末に入れて使用できる。通常、購入に際してはパスポート等の身分証明書が必要。その端末はその国の電話番号になる。
出典:wikipedia
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