ゴーストフィッシング(ghost fishing)とは、水中に放出・廃棄・投棄された漁具が水生生物に危害を与えている現象のこと。幽霊漁業ともよばれる。漁具の運用においては、自然現象または人為的ミスにより、予期せずに漁具が人為的な制御を離れ、自然環境に放出してしまうことがあり得る。これは厳しい自然環境の中で漁業を行う際に特に発生する。また、財産的価値を失った漁具を不正に廃棄する目的で自然環境に放出することがある。この際、自然環境に放出された漁具が捕獲能力を有しつづけていた際には、予期せずに魚介類などに危害を加えてしまうことになる。この危害によって生態系に悪影響が出たり、水産業・食糧資源の調達に悪影響を与えることが問題視される。漁具は耐久性を高めるため、通例高耐久性の樹脂や金属で製造されており、自然環境で残留しやすい。そのため投棄された漁具は破損や劣化によって機能を失うまで長期間に渡ってその効力を発揮しつづけるため問題となる。現在までに水面下で相当量の被害が発生しているとされ、アナゴ・タコ・カニについて、特に問題視されている。タコにおいては商業的水揚げ量と同等から2倍にもあたる被害が発生しているとの推計もある。ゴーストフィッシングの研究は、1970年代後半から籠漁業について、1980年代後半から網漁について行われてきたとされる。1978年のSmolwizの報告によれば、ゴーストフィッシングに影響を与える要因として、漁具数・漁具の構造・海域・問題となる生物の生態や行動が挙げられるという。しかしながら、調査対象が海中・海底にあるためその定量が難しく、実体の把握は容易でない。また、漁具中に捕獲されてしまった生物自体が「撒き餌」となり、副次的に被害を広げることが有り得るため、算定にあたってはこの影響を見積もる必要があると考えられる。さらに付随する問題として、投棄された漁具に漁具が引っかかり、漁具の損傷が発生するといった問題も発生している。漁業が行われている海域においては相当量の漁具・廃棄物が確認されているとの報告がある。このような現状から、国連食糧農業機関総会において採択された「責任ある漁業のための行動規範 (Code of Conduct for Responsible Fisheries)」にはゴーストフィッシングの抑止を目的とする要求事項が存在している。また、投棄漁具の回収も行われている。1999年に新日韓漁業協定が発効して以降、日韓暫定水域や日本のEEZにおける韓国漁船のゴーストフィッシングが問題となっている。投棄された漁具はサンゴ・海鳥・水生哺乳類などに影響を与えている現状にある。これらの被害は「ゴーストフィッシング」と呼ばないが、当然問題視されている。
出典:wikipedia
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