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ハードディスクドライブ

ハードディスクドライブ()とは、磁性体を塗布した円盤を高速回転し、磁気ヘッドを移動することで、情報を記録し読み出す補助記憶装置の一種である。「ハードディスクドライブ (HDD)」「ハードディスク」「ハードドライブ」「磁気ディスク」「固定ディスク (Fixed Disk)」などと呼ばれる。JIS情報処理用語では「ハードディスク」である。構造上、本来は回転する円盤(円板)が「磁気ディスク」または「ハードディスク」で、回転軸やモーターなどの駆動装置を含めた全体が「磁気ディスクドライブ」または「ハードディスクドライブ」であるが、特に区別せず呼ばれることも多い。また、ディスクが駆動装置やコンピュータ本体などに固定され、容易には着脱できないものが多かったために「固定ディスク」とも呼ばれる。2013年現在、市場へ出回る全てのハードディスクドライブは金属製の筐体でほぼ密閉されているため、「密閉型ハードディスクドライブ」とも呼ばれている。名称の歴史には様々ある。「磁気ディスク記憶装置」または単に「ディスク装置」と呼ばれていたり、コンピュータから見たアクセス特性によって当時の磁気ドラムなども含めて「DASD」とも呼ばれたが、これは直列記録方式であるテープと対比してのものである。「柔らかいディスク」を意味する「フロッピーディスク」(または「フレキシブルディスク」)が登場すると、その対比で「硬いディスク」を意味する「ハードディスク」の名称が一般化した。なお、「ウインチェスター・ディスク」 (Winchester Disk) もハードディスクの別名として用いられることがあるが、本来はの開発コード名である。円盤(ディスク)がアルミニウムやガラス等の硬い(ハードな)素材で作られていることから「ハードディスクドライブ」と呼ばれる。プラスチック製で柔らかいフロッピーディスクに比べて、遥かに大きい記憶容量を持ちアクセス速度も非常に高速である。元々はメインフレームの補助記憶装置として利用されていたが、価格の低下とともにパーソナルコンピュータからスーパーコンピュータを含めたコンピューターに加えて、カーナビゲーションやDVD/BDレコーダー、ゲーム機などでも用いられている。ハードディスクドライブはその構造上、使用過程において故障する可能性も高く、消耗品として扱われる場合も多い。外部からのショック(衝撃)やダスト(埃)の侵入に弱く、ヘッドクラッシュを引き起こしディスクを傷つけ致命的な障害を与えやすい。加えて経年変化でベアリングの磨耗を引き起こし機械部品のがたつき等が発生し読み書きの障害が発生する恐れがあるほか、何の前触れも無く動作不能に陥ることもある。こうした障害の発生頻度を低減させるために、装置に加わる衝撃を吸収緩和できる構造や、ヘッドを安全な位置へ退避させるリトラクト機能などといった装置の改良が行われている。加えて、障害発生時のデータ喪失を未然に防ぐために、ハードディスクドライブの健康度を検知し障害回避に役立つS.M.A.R.T.や、冗長化を行うRAIDといった技術が普及している。しかし完全に障害を回避することはできないことから、重要なデータは定期的にバックアップを取ることが一般的となっている。バックアップを取っておらずにデータが消えた場合のユーザー向けに、データ復旧ソフトウェアやデータ復旧サービスを提供する業者も存在する。世界最初のハードディスクは1956年のの一部として登場した、ディスク記憶装置である。直径24インチ(約60cm)のディスクを50枚も重ねたもので、ドライブユニットのサイズは大型冷蔵庫2台分程もあるが、約4.8MB(原稿用紙5000枚程度)の記憶容量しかなかった(IBMのディスク記憶装置を参照)。2000年代に入り家庭電化製品のデジタル化が進み、音声映像等のデータをデジタルデータとして記録する用途が生じてきたことから一般の家電製品での利用も増え始めた。容量単位の価格が安価で大容量、ランダムアクセスが可能で、下記のRAMディスクには劣るがアクセス速度も比較的速く、さらに書き換え可能という特性を生かし、2003年以降、特にハードディスクレコーダーやデジタルオーディオプレーヤーといった用途での搭載が増加しているほか、カーナビゲーションにも搭載され、地図情報の保存などに利用されている。2009年現在、上記の家電製品やパーソナルコンピュータ等での使用においては、筐体内に内蔵する方式が多いが、本体とは別の外付ユニットをUSBやIEEE 1394等の通信ケーブルで接続する方式も増設用途などで存在する。また、ネットワーク上で特定コンピュータ装置に従属しない独立した外部記憶装置として利用できるネットワークアタッチトストレージ (NAS) と呼ばれる製品も存在する。ハードディスクドライブは半導体メモリと比較して読出・書込には時間が掛かる。そのためOSから見てハードディスクドライブと同様のオペレーションで、より高速なアクセスを実現するための工夫もされてきた。2010年現在では、主流である3.5インチサイズのHDDの記憶容量は、1台で最大3.0TB(2.8TiB程度)に達し、2011年現在では、最大6.0TB(5.6TiB程度)に達した。また、ノートパソコンでよく用いられている2.5インチ9.5mm厚サイズのHDDの記憶容量も、1台で最大1TB(931GiB程度)に達している。近年では小型化や低消費電力を重視する傾向が強まり、出荷台数ではPC用で主流の3.5インチサイズばかりでなく、それまではノートPCが主な用途だった2.5インチサイズ以下のHDDがゲーム機(PlayStation 3・Xbox 360)やサーバ用途を中心に需要が広がっている。2007年のHDD国内出荷台数は、2.5インチ以下のHDDが全体の53%となっている。ハードディスクドライブの基本構造は、音楽レコードプレーヤーに類似している。レコード盤に当たる円板がプラッタ(ディスク)、針に当たる物が磁気ヘッド、および磁気ヘッドを搭載するアームから成り立つ。アームは円板上を1秒間に最高100回程度の速度で往復でき、これによって円板上のどの位置に記録されたデータへも瞬時にヘッドを移動して読み取り、書き込みが可能である(ただし円板上の記録情報は、レコードでは螺旋状だが、HDDでは同心円である)。磁気ヘッドを搭載するアームは、初期のディスクパック時代はリニアモーターが用いられていた。その後、密閉型ハードディスクに移行すると、ステッピングモーターによって駆動されるロータリー型へと進化する。さらに、半径方向の密度であるトラック密度を向上させるため、ボイスコイルモータによるサーボ制御が導入された。当初はプラッタの一面はサーボの位置情報によって占有されていた(サーボ面サーボ)が、1980年代後半から1990年代初頭にかけて、データの合間にサーボの位置情報が織り交ぜられる現在の方式(データ面サーボ)になっている(光学ディスク装置と比較すると、光学ディスクではヘッドを円盤回転軸の中心へ直線に走査する点が異なる)。サーボ面サーボ方式とを比較すると、データの記憶面積によるメリットのみならず、熱変形などによる機械的な位置ずれ精度でデータ面サーボが勝る。データを記録する円板部分を「プラッタ」と呼び、プラッタの各面のことを「サーフェス」と呼ぶ。通常、ハードディスクドライブは1枚以上のプラッタで構成されていて、それぞれのプラッタの両面または片面にデータが記録される。プラッタの数は少ない方が軽量で、故障に対する信頼性が高いことから、1枚当たりの記録密度を高くすることは性能向上のひとつの手段である。ガラス製プラッタはHOYAによって発明され、ガラス製の3.5インチを使った世界初の製品は、2000年にIBMから発売されたIBM Deskstar DTLA-307020である。現在広く普及しているCSS (Contact Start Stop) 方式を採用したものは、ディスク停止時には磁気ヘッドとプラッタは接触している。磁性体の層の上にはライナーと呼ばれる潤滑被膜が形成されていて、回転速度が低いうちはライナーの上をヘッドが滑る。回転速度が上がるにつれてプラッタ表面近傍の粘性空気が磁気ヘッドに対し気流となり、磁気ヘッドが揚力を発生して極わずかに浮き上がる(浮上開始原理を「地面効果に因るもの」とする誤記が書籍やウェブサイトに散見されるが、浮上後に大きく効果が生じるのであり、浮上開始、すなわちヘッドを持ち上げ始めることにはほとんど寄与していない)。一旦浮上した磁気ヘッドはディスクとの間に気流をはらむため地面効果が働きプラッタへの接触を抑制する。ライナーが劣化すると摩擦によりヘッドが損傷し、ヘッドクラッシュという現象を起こす。一般に、密閉式のハードディスクドライブは準消耗品的な扱いを受ける場合が多く、ライナーの寿命がハードディスクドライブそのものの寿命となる。これに対し、Load/unload方式を採用したHDDでは停止時にプラッタの外側のシッピングゾーンと呼ばれる退避位置にヘッドを退避させていて、プラッタの回転速度が規定の速度に安定した段階でプラッタ上へ移動させる機構となっている。古い時代(1980年代)のハードディスクドライブは、停止命令を送ると(NECのPC-9800シリーズでは「STOP」キーを押すと)ヘッドをプラッタから引き上げ、退避位置に移動させるようになっていた。しかし、部品点数削減と停止命令を送らないOS(代表的にはMS-DOS)の普及などといった理由から、ヘッドがプラッタ上に置かれたままで停止するCSS方式が採用されるようになった。これに伴い、「はりつき」と呼ばれる現象が発生するようになった。これは、鏡のようになめらかな面を持つ2つの物体が接触した状態で時間が経過した場合などに発生する現象で、ハードディスクドライブが起動しなくなる深刻な障害として現れる。回復させるために、電源を入れながら(水が入ったバケツから水をこぼさずに振り回すが如く)筐体に遠心力を与えたり、クッションに包んでハードディスクドライブを床に落として衝撃を与えたり、筐体を分解してディスクを手で強制的に回転させたりというような、さまざまな民間療法が考案された。後にプラッターの一部に凹凸を付けた領域(シッピング・ゾーン)を設け、停止時にヘッドをそこへ移動させる方式が採用されて「はりつき」の問題は解消された。現在のOSはハードディスクドライブに停止命令を送るようになり、特に耐衝撃性能が要求される携帯機器向けのハードディスクドライブではヘッドを退避領域に戻す機構(ドロップ・センサー機能)が再び採用されている。プラッタに埃などの異物が付着するとヘッドを損傷する原因となるため、プラッタとヘッドの周辺は密閉されている。開封するには特殊な工具を必要としたり、「開封後は保証対象外」と書かれた封印が貼られている場合が多い。ただし、完全密閉されているわけではなく、温度変化に伴う筐体内の気圧変化を開放するため、埃フィルタを備えた圧抜き開口部が設けられている。ヘッドに働く揚力の大小は空気密度(すなわち気圧)の影響を受けることから、ヘッドとプラッタサーフェスの距離を安定に保つためには筐体内の気圧が大きく変化してはならないためである。一方、高地などの気圧が低い環境下ではヘッドに発生する揚力が小さくなり、ヘッドがぶつかりやすくなるため、それぞれの製品には使用環境の気圧(高度)に関する仕様もある。プラッタは様々な表面処理技術によって進化している。ハードディスクドライブに使用されているモーターには2つあり、1つはプラッタを回転させるスピンドルモーター、もう1つはスイングアームを駆動するシークモーターである。スピンドルモーターはダイレクトドライブ方式であり、逆起電力を検出してセンサレスで回転数が制御されている。4,200・5,400・7,200・10,000・15,000rpmが主な回転数である。シークモーターにはボイスコイルモーターが用いられる。ボイスコイルモーターはリニアモーターの一種で、2枚の磁石(主にネオジム磁石を使う)の間に配置されたコイルにかかるローレンツ力を作動原理としている。コイルはスイングアームの端部に固定されていて、スイングアームの軸を中心とした扇形の周に沿って動く。ボイスコイルモーターを利用したアームの駆動方式は小型化や高速化に有利で、1980年代後半から普及しはじめ1993年頃に一般化した。それ以前のハードディスクドライブにはステッピングモーターとリンク機構が用いられていた。ステッピングモーターでは初期位置を設定すれば直接モーターの回転角度を制御できたが、ボイスコイルモーターの採用によりアームの現在位置をフィードバックするサーボ機構による制御が必要となった。初期の頃は、プラッターの1面に座標情報を記録した検出部としてサーボ制御を行っていた。記憶容量を増やす技術の一環として、サーボ面サーボ方式は廃れ、アドレス情報を記録データと混在させるデータ面サーボ方式に切り変わった。ハードディスクドライブは起動時にサーボ情報を収集するキャリブレーションと、定期的にサーボ情報を補正するリキャリブレーションを行う。いずれもサーボ情報をメモリに保持し、ヘッドの動作速度を向上させるための動作である。時にこのリキャブレーションが問題となることがあった。Windowsなどで使われたコンシューマー用ハードディスクはサーボ情報収集中、ドライブへのアクセスを待機させても支障は無かった。しかし、FreeBSDなど一部のOSではこの待たされている間にタイムアウトが発生してドライブが切り離され、場合によってはOSがクラッシュするという事態が生じた。このため両者はそれぞれ改良を行い、サーボ情報収集中にアクセスがあった場合にはリキャリブレーション動作を中断してアクセスを受け入れ、またOSはリキャリブレーション動作の可能性を含めたタイムアウト時間を設定した。近年のハードディスクドライブは一度にサーボ情報を読むのではなく、定期的に通常のディスクI/Oに1トラック/1秒程度の間隔で割り込ませ、サーボ情報の補正を行っている製品が多い。アクセスの少ない深夜などに、ハードディスクドライブが「カリカリ」という音を立てることがあるのはこのためである。ハードディスクドライブを構成する回転構造のうち、プラッタの回転軸には、玉軸受(ボールベアリング)や流体動圧軸受 (Fluid Dynamic Bearing : FDB)、流体軸受が用いられている。玉軸受を使用する場合には、軸受から発生する磨耗粉などの侵入を防ぐためにシールが不可欠であり、シール性能の高い磁性流体シールが主流となった。流体動圧軸受はモーターの軸と軸受の間がオイルで満たされている。停止しているときは軸と軸受が接しているが、回転することにより潤滑油に動圧が発生して軸と軸受が非接触状態となる。そのため回転抵抗が非常に低く、静音で長寿命であるため主流となっている。オイルシール部は撥油膜(オイルを發ねる)で被われており、大きな衝撃を加えない限りは潤滑油は飛散しない。停止している状態や回転数が低いうちは接触による摩擦抵抗が大きいため、大きな起動トルクが必要となる。このため、流体軸受を採用したドライブの最大消費電力はボールベアリングを採用したドライブよりも高めになる。また、極端に環境温度が低下するとオイルの粘度が高くなり、十分な動圧を発生できるほどの流動性を失うことから、機器の使用環境温度の下限が軸受の特性によって支配される場合がある。いずれの軸受の場合でも、長期にわたる使用により摩耗したり劣化して回転抵抗が増加する。これによりプラッタの回転速度が不安定となりデータの読み書きにエラーを発生するようになるのが、軸受の寿命によるハードディスクドライブの故障として多い例である。プラッタ上の磁性体に磁気を与えたり、読み取ったりする部分をヘッドと呼ぶ。基本構造は磁性体にコイルを巻いた電磁石で、アクセス領域の微小化に伴いコイルをエッチングによって磁性体の表面に生成した薄膜ヘッドが用いられている。また、読み取り用には磁気抵抗効果の利用により高い感度を持つMRヘッド (Magneto Resistive head) が採用され、記録密度の高密度化を可能にした。MRヘッドにはさらに高感度な巨大磁気抵抗効果を利用したGMRヘッド (Giant Magneto Resistive head) や、GMRヘッドよりも高感度なトンネル磁気抵抗効果を利用したTMRヘッド (Tunnel Magneto Resistive head) といった物が開発され、現在ではTMRヘッドが主流となっている。一方、書き込み用のヘッドはコイルと磁性体の組み合わせによる原理に変わりがないが、記録する磁気の方向がプラッタ面に平行な水平磁気記録 (LMR, Longitudinal Magnetic Recording) から、プラッタ面に垂直な垂直磁気記録 (PMR, Perpendicular Magnetic Recording) へと移行して記録密度の高密度化を実現している。2015年現在使用されているハードディスクドライブの内蔵インターフェースには、大きく分けてシリアルATA(以下SATA)系とSAS系がある。それ以前ではATA系とSCSI系が主に使われていた。コンシューマー市場の主流は、2000年代序盤では内蔵用ハードディスクドライブで、ATAインターフェースを採用した製品が主流であった。SCSIは機能面は豊富であったがそれに伴い非常に高価であったのに対し、ATAは低コストで製造できたため急速に普及し、PC/AT互換機に標準搭載されることでデファクトスタンダードとしての地位が決定的となり、後には、PC/AT互換機で一般的に使われるチップセットにはATAコントローラーが含まれるようになった。そして、これらの効果により生産量が増えたATAハードディスクドライブが量産効果によって更に安価になっていった。これに対して、SCSIハードディスクは、ハードディスク単体の値段の差もさることながら、多くの場合SCSIインターフェースボードを購入する分高コストであった。その代わり、SCSIでは転送速度や各種制御コマンド等がATAより充実しており、一般用としてはあまり利用されず、各種サーバやワークステーションでの用途が主であった(自作しようにも量販店では全く扱っていなかった)。ATAとSCSIは共に度重なる転送速度の高速化によって、複数本の信号線に同時にデータを流すパラレル転送では限界が来ており(クロックスキュー)、2000年11月にはATAをシリアル転送とした発展型であるSATAが、2003年5月には同じくSCSIをシリアル転送としたSASが策定された。コンシューマ向けであるSATAの規格策定後、対応製品が随時出荷され、以後ATAからSATAへと順次切り替わっていった。外付けインタフェースとしては、古くから使われているSCSIの他にUSBやIEEE 1394で接続するのが一般的となってきているが、ハードディスクドライブ本体のインターフェースはSATA(過去ではATA)であり、ハードディスクドライブ・ケースに内蔵された変換基板により相互変換されている。また一部の外付けHDDケースではeSATA接続対応の製品もあるが、コネクタ形状やケーブルの構造が違うだけで、eSATAの内部信号はSATAそのものである。外付けインターフェースの一種として、ネットワークからTCP/IP接続出来る様にしたネットワークアタッチトストレージ (NAS) も徐々に普及してきているが、これもハードディスクドライブ本体にはSATA(過去ではATA)のものが使われる。なお、SASホストコントローラはSATA互換でも動作するよう設計されている為、SASホストコントローラにSATAのHDDを接続することが可能となっている。ヘッドにケーブル、もしくはフィルム基板の形で直結されているピックアップアンプからインターフェースまでの間に、コントローラ基板を搭載している(メインフレームの時代には別体であった時代もあった)。一般的にこの基板は、それ自体が独立したマイコンで、モーターやヘッドのサーボ制御・位置決め・トラック位置に応じた書き込み電圧の制御・読み書きする際の変調・インターフェースとのデータの入出力・キャッシュメモリの制御等を行う。1990年頃から更にタグ付キューイングと遅延書き込みを担当し、OSの負荷を軽減した。1990年半ばからIDEハードディスクドライブでは、DMA転送モードに対応し始めたが、専用の増設インターフェースボードを使った外付け型以外ではUltra DMAの登場まで活用されなかった。高機能なコントローラ(主にSCSIで)は、ハードディスクドライブ間の通信をサポートしている。例えば、ファイルを別のハードディスクドライブにコピーする時、コントローラがセクタを読み取って別のハードディスクドライブに転送して書き込むといったことができる(ホストCPUのメモリにはアクセスしない。言い換えればその操作中CPUは別の仕事ができる)。また、他のハードディスクドライブのサーボ情報と連携を取り、複数のハードディスクドライブのスピンドル・モーターの回転を同調することができる(スピンロック)。これはRAIDにおいてアクセス速度を向上させるのに役立ったが、データ読み書き速度の向上と、大容量のキャッシュメモリを備えること、バスマスター転送による非同期I/Oの普及により、この機能は廃れている。この機能の廃止に伴いハードディスクドライブ同士の共振による振動がアクセス速度や信頼性に影響を与えることになったが、ハードディスクドライブ・メーカーは振動を検知して共振を打ち消すようにモーターを制御する技術をスピンロックに代わり提供するようになった。かつて、SASIインターフェースを備えたSASIハードディスクドライブが主流であった頃、コントローラは2種類のインターフェースを持っていた。一つはホストCPUとつながるためのSASIインターフェース、もう一つはスレーブコントローラ(ST-506仕様)を接続するための拡張インターフェースである。しかしベアドライブを除くスレーブとなる製品が市場にほとんど出回らなかったことから、SASIハードディスクドライブはホストCPUに一台しか繋がらなかった(PC-9800シリーズ用SASI外付けドライブは、コントローラ内蔵の1台目用と、ST-506だけの増設用が別々にあった)。SASIハードディスクドライブは時代の変遷と共にその座をSCSIハードディスクドライブに譲った。時代的誤認が散見され、SASIの後継がIDEと認識されている場合があるが、SASIはSCSIの直接の先祖であり、電気的特性も近く、ソフトウエアで工夫することでSASIインターフェースをSCSIインターフェースとして動作させられるほど、この2者の関係は近い。特殊なコントローラとして、ESDIインターフェースとSCSI・SASI・IDEインターフェースを仲介する外付けコントローラが存在した。このコントローラは旧時代のESDIハードディスクドライブ・インターフェースと、近代的なハードディスクドライブ・インターフェースの橋渡し役として機能した(初期のSASI・SCSI・IDEハードディスクドライブはこのコントローラを内蔵していた)。SCSI/SASI/IDE→ESDIに変換するタイプのコントローラの中身は、現代のハードディスクドライブのコントローラそのものに近い。ESDIはそのベースとなったST-506を改良したインターフェースIDEが作られ、その座をIDEハードディスクドライブに譲った。フレームは構成部品を保持する部品で、現在ではアルミダイカスト製の箱形として気密構造を形成するケースと一体化した物が広く普及している。初期の大型の物はケースとは独立したフレームになっていたことからこの呼び方が残っている。スピンドルやスイングアームピボットの取り付け部は特に高い寸法精度を要求されるため、単一部品のフレームにすべての部品が保持されている。フレーム内部は空気の流れをコントロールする形状に作られていて、ダストトラップと呼ばれる部品に空気を誘導して、内部で発生した塵をトラップで永久に固定する。コンピュータ本体へ固定するためのネジ穴は4点で1組の構成となっているが、複数ある規格に対応できるように複数組用意されていて、一般に3.5インチドライブのネジ穴は3組、それより小さいドライブは2組以下である。ハードディスクドライブは1台で大容量を利用出来るため、利用方法に合わせて内部を区画(パーティション)に分割出来る。個々の区画を別々のOSで利用することも出来る。かつて、ハードディスクドライブはフォーマットして使用するデバイスであった。このフォーマットは、物理フォーマットと論理フォーマットにわけられ、前者はサーボ情報からセクタ情報まで全てを再構築するものであり、後者は前述のパーティションを作成する際に不良セクタ情報を集めて、それらを予備領域で代替し、ファイルシステムを構築するものである。現在のハードディスクドライブは物理フォーマットを行う為の条件が厳しく、温度・湿度・振動・電源・またその他いくつかの条件を厳密に管理しないと設計された容量でフォーマットする事は難しい(外乱を受けると、その瞬間に扱っていたセクタは使用不能になる)。このため、ハードディスクドライブは物理フォーマットコマンドを廃止したり無視する傾向にある。かつてハードディスクドライブは欠陥セクタリストがアクセス可能であり、このリストによって欠陥セクタを取り除いた領域がユーザー領域となっていた。このリストの長短がハードディスクドライブのクオリティであり、また使用中にこのリストがどれだけ増えるかが、管理者の頭痛の種であった。このリストの為に用意された領域が溢れた時は、不良セクタが代替不能になり、アクセスするとエラーが発生する。論理フォーマットによってスーパービットマップなどで蓋をしないとアプリケーションの動作不良といった不具合の原因になる。現在のハードディスクは欠陥セクタリストが見かけ上0である「ディフェクトフリー」ハードディスクドライブである。もちろん物理的にそのようなハードディスクドライブを製造することは不可能である。実際には、ユーザーがアクセス不可能な領域に冗長領域を持ち、物理フォーマットの時点で問題のあるシリンダやセクタをスキップしてある。セクタにサーボ情報が埋め込まれているので、不良シリンダやセクタはシーク時点で自動的にスキップする。またデータ記録にはリード・ソロモン符号等を使うことでエラー訂正し、ビットレベルの点欠陥は事実上無視できる。記録密度向上によってS/N比は低下する一方なのでエラー訂正技術は現代のハードディスクドライブにとって不可欠な技術となっている。当初からハードディスクドライブのセクタサイズは1セクタあたり512バイトであったが、記録密度の向上に伴い、セクタサイズが4,096バイト(これまでの8倍)となっているハードディスクドライブが2009年終わりごろから出回っている。これらは4kと呼ばれ(メーカー毎に「Advanced Format Technology」(AFT) など、別の名称を用いている場合もある)、Windows Vista/7/8/8.1といった最近のオペレーティングシステムではそのまま利用可能であるが、Windows 2000/XPでは、512バイト以外のセクタサイズのHDDではパフォーマンスを引き出せないため、ベンダー提供のツールもしくはジャンパピンなどの再設定が必要である。ハードディスクの容量は常に拡大し続けている一方、古いファイルフォーマットやOS、BIOS等が対応できる容量には上限が存在し、これが通常「壁」と称される。主なものとしては、512MB、540MB、1GB、2GB(FAT16の最大値、パーティション毎)、4GB、8GB(BIOSの制限)、32GB(一部のAWARD BIOSの問題)、64GB(Windows98のFdiskの問題。修正プログラムがある)、128GB、137GB(Big Driveに対応していない場合の制限値)、2TB(FAT32の最大値、パーティション毎 およびMBR方式のパーティションテーブルのセクタサイズ512バイトでの最大値)などがある。古いBIOSによる制限の場合には、BIOSをアップデートすることで解決する場合もあるが、メーカー製パソコンではアップデートができない場合が多い(どこのメーカーのBIOSを使っているのか公開しないことが多いため。普通はAward、American Megatrendsのいずれかなのだがそれさえも非公開の場合も多い)。今後、128PB(Big Driveの最大値)などに壁が存在する。ドライブによっては、ジャンパピンの設定等でHDDの認識可能容量を下げられるものもある。現在、市場に出回るHDDの大半が3.5インチや2.5インチサイズのプラッタを採用している。過去には、コンパクトフラッシュサイズのマイクロドライブ、iVDR (Information Versatile Disk For Removable Usage) 等の小さいサイズのドライブも販売されていたが、急速に大容量・低価格化したフラッシュメモリ系のストレージに押され徐々に生産終了となった。なお、東芝製1.8インチHDDは特殊形状で、厚さが8mm(型番末尾GAHまたはGSG)と5mm(同GALまたはGSL)のものがある。ハードディスクドライブはコンピュータの筐体に内蔵されるのみでなく、外部補助記憶装置としても利用されている。外付けハードディスクドライブはハードディスクドライブ本体を更に金属や樹脂の筐体に入れ、変換回路により端子を変換し、ケーブルによってコンピュータに接続出来る様にした物である。中には内蔵ハードディスクドライブを外付けハードディスクドライブとして利用出来るようにするハードディスクケースという専用のケースもある。これは低価格だが取り付けの手間がかかる内蔵ハードディスクドライブの利点と、手軽に使用出来るが高価な外付けハードディスクドライブの両方の利点を生かし、ハードディスクドライブを低価格で入手し、手軽に扱えるようになるものである。また、このタイプのハードディスクケースを応用して、内蔵ハードディスクドライブを交換する時に、一旦このケースに新しいハードディスクドライブを取り付けて、元の内蔵ハードディスクドライブの内容を全てコピーをした後で、再び分解して取り出し、コンピュータの内蔵ハードディスクドライブと取り替える事で、再インストールなどの手間をかけずに、ハードディスクドライブを交換するのに用いられることもある。接続にはSCSI、USB、IEEE 1394、ファイバーチャネル、eSATA、イーサネットなどが用いられる。ATA/ATAPIは存在しないが、これはコンピュータ内部での補助記憶装置の接続に特化して開発されており、コンピュータ筐体外部まで配線を曳き回すことへのノイズ対策が講じられておらず、よってケーブル長も46cmまでの制限があることによるものである。MacintoshはFireWireまたはSCSIで、他のMacintoshと接続することで、外付けハードディスクドライブとして利用できる(接続先から起動も可能)。その他にも、コンピュータと直接接続することによって、外付けハードディスクドライブと同様に使用できるハードディスクドライブを搭載したデジタルオーディオプレーヤー(iPodなど)やなどもある。なお、主に企業で使用されるディスク装置は、RAID、ホットスペア、ホットスワップ、各種の複製機能などを備え、内蔵するハードディスクドライブやコントローラ・ケーブル・電源ユニットなど各部品の冗長化による可用性の向上、ディスクアレイのストライピングやキャッシュなどによる性能の向上、各種の複製機能による運用性の向上(ブロック単位の差分の世代管理による高速な多数の複製、複製先からのバックアップ取得、災害対策用の遠隔地複製など)、更には障害時の自動通知機能などを搭載した、大規模・高価なものも使用されている。またSANやNAS、さらには仮想化機能により異なるメーカーの複数のディスク装置を統合して使用するなど、各種のストレージ統合も行われている。ディスクを取り外し可能なハードディスクのこと。あるいはハードディスクドライブそのものをカートリッジに格納して可搬性を向上したもの。かつてリムーバブル・ハードディスクは前者のみが存在した。初期の例では1962年のがあり、洗濯機のような筐体に約4.5kgのディスク・パックをマウントすることができた。リムーバブルメディアにはフロッピー系(フロッピーディスク、Bernoulliディスク、Zipなど)、テープ系(DDS、LTOなど)、光磁気ディスク系(MO、MDなど)、ハードディスク系など、様々な技術を用いた数多くの製品が今までに発売されて来たが、その内のハードディスク系のものの総称として、一般的にリムーバブル・ハードディスクと呼ぶ。ハードディスクドライブのディスク部のみをカートリッジに入れ、ヘッドや駆動部からなるドライブ本体から構成されており、フロッピーディスクやMOのように使うことが出来る。他のリムーバブルメディアと比較してハードディスク系は、大容量(フロッピー系、光磁気ディスクよりも)、読み書き速度が高速(フロッピー系、テープドライブ系、光磁気ディスクよりも)、低価格(米国においては光磁気ディスクよりも)という点で優れており、さらにハードディスクドライブの技術がそのまま転用出来るため、新技術の導入も早かった。1990年代前半までは、米国では広く使われていたリムーバブルメディア(日本ではMOが普及していたため、あまり使われなかったようである)であったが、構造上、埃や衝撃に弱いという欠点があり、また、以前は大容量の物を作るのが難しかったフロッピー系メディアでも、Zipやスーパーディスクのような大容量で低価格な製品が登場したことにより、メディアの価格面で対抗出来ず、現在では存在が薄れている。5インチ、3.5インチのディスクで、様々な容量の製品が発売されていて、代表的なものにSyQuestのSQ327、EZ135、EzFlyer, SparQ、SyJetや、アイオメガのJaz、Peerless、CASTLEWOOD社のORBなどがあった。一時はSyQuestやNomai社を中心に、PDC (Power Disk Cartridge) というメディアの統一規格策定の動きもあったが、普及する前にリムーバブル・ハードディスク自体の人気が下火になり、消失した。現在ではアイオメガから2.5インチというMDほどの大きさのREVが、アイ・オー・データ機器や日立マクセルからiVDR(日立マクセルではiVという商品名を付けている)などが発売されている。現在では前述の通り2種類あり、ディスクのみをカートリッジに格納したものは基本的に駆動部がないなど、耐久性に優れるが大容量化にはドライブの買い替えが必要である。ハードディスクドライブそのものをカートリッジに格納したものは駆動部などが組み込まれているため耐衝撃性は前者に比べて低い。一方で読み書き部がカートリッジに収められているので、大容量化する際は大容量のカートリッジを購入するだけで済むため気軽に使い続けられる。一方で、内蔵ハードディスクドライブを専用のトレイやカートリッジに固定し、そのトレイをリムーバブル・ハードディスクドライブケース(リムーバブル・ケースと略される場合が多い。名称が長いため本項でも略語を用いる)と呼ばれる筐体に格納することで疑似的なリムーバブル・ハードディスクにしてしまう製品がある。これは前述のハードディスクドライブケースと内蔵ハードディスクドライブを用いた疑似外付けハードディスクドライブの利点に加え、取り外しが可能である点を活かして可搬性の向上と、ハードディスクドライブの入れ替えを容易にし、なおかつ省スペース、ケーブル類が少しで済む(単なる外付けドライブの増設ではインターフェースケーブルや電源コードだらけになる)という特徴をもつ。前述のカートリッジタイプでは、ドライブの生産中止などによりメディアが使えなくなる場合があった。また、互換性のある上位機種が少ないため、メディア容量を増やしたい時は、ドライブとメディア全て他のものに買い換えねばならない場合が多かった。それに対してリムーバブル・ケースでは、ケースが手に入らなくなっても、他社のケースに中身のディスク・ドライブを入れ替えれば続けて使える。また逆に手持ちのケースの中身のディスク・ドライブを変えるだけで、容量の増加が簡単に行えるという長所がある。1998年 - 2000年以前では、リムーバブル・ハードディスクというと、ディスクのみという構造を持ったリムーバブルメディアのもののみを指していた。しかし、それらの製品群は、1998年 - 2000年ごろには他メディアに押されて販売中止となる製品が続出し、陰の薄いものとなった。それに対し、このころに登場したこのリムーバブル・ケースは登場と同時に爆発的に普及し、一般に広く知られるようになった。そのため、現在ではこのリムーバブル・ケースを指すことが多くなった。ただし、以前でも後述にあるハードディスクドライブそのものをカートリッジにした物でメーカー独自のノートパソコン専用ハードディスクパックを外付けSCSIリムーバブル・ハードディスクや内蔵IDEリムーバブル・ハードディスクとして利用できるアダプターが発売されたこともあった(例として98NOTE用内蔵ハードディスクパックをリムーバブルドライブとして利用する周辺機器も発売された)。2007年現在、1Uサイズからブレードサーバまで、SAS 2.5インチハードディスクドライブ用のリムーバブル・ハードディスクドライブケースを標準装備したサーバ機器が多数発売されている。SASではホットスワップ動作が規定されているので、稼動中の装置から容易にハードディスクドライブを取り出して交換する事ができる。一部の製品は、ソフト的にパラレルATA接続でのホットスワップが可能な物があった。ただし動作の安定性・確実性には難があり、さほど一般化することはなかった。SCSIではSCAコネクタを採用した物で、ハードディスクドライブそのものをスロットに押し込んで使うシャーシがある(これは薄型筐体でよく使われた)。汎用リムーバブル・ケースに比べて、カートリッジ化するための部品装着の手間が不要になる、ハードディスクドライブがシャーシに接触するので放熱効率が良い、実装密度を高くすることができるなどのメリットがある。デメリットとしてSCAコネクタを搭載したハードディスクドライブ自体が製造数の関係で安価ではない、大容量ドライブの入手性に難があるなどがあげられる。2.5インチハードディスクドライブはパラレルATAでも、40ピンATAのピンピッチを狭くしただけでなく、電源の4ピン分を含めた44ピンATAに、マスター/スレーブ設定ピンなどを含む50ピンATAとしてコネクタ位置が統一されている。コネクタの抜き差しも弱い力で済んだことから、ノートパソコンではハードディスクドライブそのものをスロットに押し込んで使う筐体も有った。安いベアドライブを簡単に入替えられ評判が良かったが、ノートパソコンの場合、ドライブを抜き差しする開口部を作ることすら厳しいこと、ドライブの高さが8mm/9mm/12mmと異なる高さの製品があったことから、実例は多くは無い(日立 FLORA、東芝DynaBook・ポーテジェ・Libretto、IBM ThinkPadなどの一部のモデルが本体を分解しなくてもアクセス出来るスロットを備えた)。3.5インチIDEハードディスクドライブがシリアルATA化した際に、コネクタの位置が厳密に規定されたこと、コネクタ自体がこじらなくても抜き差しできる様になったことから、従来SCAコネクタハードディスクドライブが採用されていた市場・分野にシリアルATAハードディスクドライブが進出している。SCAコネクタハードディスクドライブの欠点であった、容量の問題、価格の問題も解決しており、コンシューマー向けの5インチベイに搭載するリムーバブルシャーシから、大規模ストレージまで幅広く使われる様になった。シリアルATAコネクタを搭載した高信頼性ハードディスクドライブも登場している。同様に2.5インチSATAドライブを搭載したノートパソコンもセキュリティの観点から、ハードディスクを取り外して廃棄する事が一般的になり、現在市販されているノートパソコンはハードディスクユニットが内部の開口部からカートリッジ状に取り出せる様になっているのが一般的である。従来の様に本体をバラバラにして分解しなくても、簡単にハードディスクを交換したり廃棄することができるようになった。リムーバブル・ハードディスクの実装方式には2種類がある。ハードディスクドライブは、その製造過程において高度なクリーンルームや良質の磁性体を必要とし、ドライブの品質は潤滑剤、制御基板等の品質に左右される。これらの事柄が要因となってドライブのロット不良を起こす場合がある。高密度記録を実現するために、ディスク回転時のプラッタの保護膜表面と磁気ヘッド端部との距離、ヘッド浮上量は2009年6月現在、2nm程であり、タバコの煙の粒子より狭いため、ハードディスクドライブ内部は半導体製造工場並みの無塵度が求められる。ハードディスクドライブの寿命はS.M.A.R.T.で計られ、MTBF(平均故障間隔)やMTTR(平均修復時間)として推測される。一般に温度が高いほど寿命は短くなると思われているが、Googleが自社のサーバ群の故障発生率の統計から発表したデータでは、極端な高温ではない限り温度と故障率との関連性は認められていない。(但し、これは室温の管理されたサーバルームでの話であり、ノートPCなどでは容易に高温に達する場合もある。)むしろ、低温による故障率との関連性が指摘されている。前述の通り高温による故障発生率は以前より指摘されていた経緯があるが、実際には38度を下回る温度はむしろHDDの故障率を上げる傾向にある。例えば、一般にHDD温度50度は好ましくない言われるが、HDD温度が30度の場合同程度の故障発生率となっている。また、個人向けのIDEと企業のサーバ用途向けのSCSIでは設計時における耐久性に格差が存在し、IDEは一日8時間使用で3年・SCSIは24時間稼動で5年を目安にしているとされるが、実際の製品寿命を保証する物ではない。ハードディスクドライブの寿命は前述したように正確な予測が困難であるため、定期的なバックアップの重要性は昔から絶えず言われ続けている。一般ユーザーレベルでのバックアップ先としては、CD-RやDVD-RやBD-Rなどの光メディアへの保存か、場合によっては容量などの面からバックアップ専用外付けHDDへの保存が一般化している。またサーバ用途で一般的に使われているSCSIを使ったRAID構成は、この問題に対する一つの回答であり、個人向けや家庭向けのRAID構成HDDが発売されている。また、ノートPCなどRAIDが困難な場合でも、ソフトウェアによるミラーリングも可能である。ドライブの製造期間は短い物で3か月、長い物で1年程度である。かつて通商産業省の指導により性能部品等の保存期間を家電メーカーらが自主的に定め遂行した例(メーカーによる製造終了後の保守部品保持など)はあるが、コンピュータを含む通信機器メーカーはその対象ではなかった。このため、パソコンメーカーなどでは修理部品の確保が難しい場合が多く、修理作業自体にかかる手間やドライブの価格低下が激しい事情も合わせて、故障した製品の代替の製品と交換することで対応する例も珍しくない。故障したドライブに記録されたデータの取り出しを行う専門業者も存在するが、かなり割高の代金となることが多い。ハードディスクドライブの寿命を延ばす方法は色々いわれている。例えばディスクが回転を続けていると発熱し劣化を促進するため、冷却などによって温度を下げることが好ましいとされているが、方式によっては取った手段が逆効果になる場合もある。また、3.5インチタイプに多い電源断時にヘッドがディスク上で停止する製品は、起動と停止を繰り返すとヘッドの磨耗や微粒子による悪影響が生じやすく、PCの起動中はHDDの電源を切らない設定がよいとされるが、デスクトップPCなど放熱に余裕のある装置に装着されている場合が多い上、近年は電源断時にヘッドがディスク外の所定の位置で停止する(ヘッドの待避機能)製品がほとんどであるため、起動と停止を繰り返してもさほど悪影響はないともいわれる。ヘッドの大きさをジャンボジェットにたとえると、僅か1mmのところを飛行するというように例えられるように、ハードディスクドライブは転倒、落下等の強い衝撃を受けた場合、ヘッドが円盤面に衝突(これを一般的にヘッドクラッシュと呼称する)して円盤に傷が付いたり、モーター内のベアリングが変形したりしてデータの読み書きが不能となる場合がある。特に動作中の落下で故障しやすいため、携帯用途で使用されるハードディスクドライブを内蔵した製品を扱う場合は強い衝撃を与えないように注意を払う必要がある。また、希に落下したあとでも正常に動作する場合、そこでできた傷がごみとなり、それがハードディスクドライブ全体に行き渡って破損する場合もある。特に1980年代ごろまでの開発初期のハードドライブは脆弱であり、動作中の移動は禁忌であり、使用中に地震が起きただけでも破損することもあった。耐衝撃性は年々改善され、2000年代までには、揺れる電車や自動車内でも問題なく作動するようになっている(ただし破損する危険性がないわけではなく、2010年代に入ってからは、このような用途向けにはSSDが使われるようになっている)。輸送時などの衝撃による破損を防ぐため、ヘッドをディスクの安全な領域へリトラクト(retract、収納退避)させることが重要になる。例えばPC-9800シリーズなどの場合、電源を切る前にSTOPキーを押して手動リトラクトする習慣を身につけることが、ユーザーにとって一種の必修事項となっていた。やがて、電源を切った際にハードディスクドライブが能動的にリトラクト動作をするオートリトラクト機能を備えることが一般的となった。一部のハードディスクドライブではこれを発展させ、加速度センサーを内蔵し、自由落下を検出すると電源を切らずともオートリトラクトして破損を予防する機能が付加されている。PowerBookなど一部のノートパソコンではディスク外部に加速度センサーを設け、同様の機能を実現した。ただし常に揺れる電車内などでは、頻繁にリトラクトが行われてしまい、書き込み速度が異常に低下するという問題もある。これらの発展によりハードディスクドライブの用途は大きく広がり、2006年には東芝製の携帯電話「W41T」が0.85インチのハードディスクドライブを搭載した。しかしフラッシュメモリに比較すると、「消費電力が多い」、「小容量ではコスト高になる(2000年代後半以降のフラッシュメモリの価格下落が著しく、1インチ以下のクラスではコストが逆転した)」、「厚みがかさばる」という難点もあり、この機種以降、ハードディスクドライブを搭載した携帯電話は製品化されていない。ハードディスク本体内部もさることながら、その制御基板の部品が焼損することなどで故障する例も多い。同一製品でも製造ロットごとに基板の部品構成が異なる例が多く、その場合はその基板を移植しても動作しないことが多いことや、メーカー側も基板交換の対応は行っていないことから、個人レベルでの対応は困難とされる。コンピュータの処分時に、ハードディスクドライブに適切な消去作業を行なわないと中身のデータを部外者に盗みとられてしまう危険がある。適切な消去作業とは内部情報を完全に物理的に消去することである。操作者がファイルの削除操作を行ってもOSは通常はインデックス部に削除情報を書き込むだけで、記録情報の本体であるデータ部はディスク内にそのまま残され、「ゴミ箱」を空にしても一般的なファイル復元ソフトによって復元される可能性がある。また通常のフォーマットもデータ部をクリアすることはしないため、復元される可能性がある。データ領域の残存データを完全に消去するには、データ領域に他のデータで上書きするのが手軽であり、1回の上書きではなく3回程度が確実とされている。1回だけではデータを上書きする際に、磁気ヘッドのトラッキングのずれによって僅かな磁気が残留する可能性がある。そのため完全消去には、3回程度の上書きが必要とされる(米国国防総省NISPOM規格)。ただし、この上書き後の残留磁気からデータを復旧することは、特殊な機材と専門知識を必要とするため、一般のユーザーや一般の復旧業者に行えることではなく、「理屈の上では可能とされている」というのが実際である。そのため一般的な使用においては、売却・廃棄をする際はデータ消去ソフトで完全消去するのが望ましい。またハードディスクドライブ自体が故障してデータ消去できない場合でも、故障箇所によっては修理によってデータ漏洩する危険がある。また、火災や電子レンジなどで外見上破壊されていても、特殊な復旧機材を所有する業者に依頼すれば高額ながらもデータ復旧は可能である。過去にコロンビア号空中分解事故においてスペースシャトルコロンビア号に搭載されていたハードディスクのデータを、NASAがアメリカのデータ復旧業者 (Kroll Ontrack Inc.) に依頼し、中身のデータをほぼ復旧したという事例がある。最も簡単には、ハードディスクドライブを物理的に完全に破壊する方法が確実である。HDD製品の内部のディスク基板(プラッタ)の多くは強化ガラス製であるため、粉々に砕く事が出来る。アルミ合金製の場合でも表面に満遍なく傷を付けるか、金ばさみで切断する、金づちで殴打等するとよい。外付けの場合は外装から内蔵用ハードディスクと同じものが取り出せる。一番簡易かつ確実な方法としては、粉砕器を利用して完全に粉砕することである。粉砕機は高価で持ち運びが困難であるためにドリルで穴を空ける方法を採る業者も存在するが、。ノートパソコンは以前はドライブを取り出すのは困難な機種が多かったが、2000年代以降では物理的に破壊したい人のため、及び交換の為に簡単に取り出せるノートパソコンがほとんどである。また、磁気を利用している点を生かして強力な磁場を発生させて、読み取り不可能な状態まで破壊する専用器具も出てきている。データを暗号化しておけば、たとえ物理的にデータを読み出されても暗号が解けない限りは情報の機密は守られ、紛失や盗難時にも有効である。2011年に大型合併などの業界再編が進み、Western Digital、Seagate Technology、東芝の3社でほぼ全てのシェアを占める。2012年のシェアはWestern Digitalが44.5%、Seagate Technologyが41.8%、東芝が13.7%となっている。プラッタを製造するメーカーとしては、昭和電工、HOYA、富士電機などがある。これらのメーカーは完成品としてのドライブは製造していないが、ハードディスク・メーカーに部品を供給している。完成品のHDDを製造できるメーカーでガラスプラッタを自社生産出来るのは、シーゲート、日立グローバルストレージテクノロジーズ、ウェスタン・デジタル(2007年コマグ社を買収)の3社で、他社はプラッタ製造メーカーから納入を受けている。ただし、自社生産できるメーカーも、供給安定のために自社のプラッタと併せて利用している。その他、TDKが磁気ヘッド部分の製造と提供を行っている。TDKはアルプス電気より製造設備と知的財産権 (IP) の譲渡を受け、高いシェアを持つ。完成品のHDDを製造するメーカーでは、シーゲートや日立グローバルストレージテクノロジーズなどが自社生産を行っている。垂直磁気記録方式では、従来以上にヘッドとメディアの“すり合わせ”による微調整が重要になるため、自社生産は強みとなる。また、プラッタを回転させるモーターに関しては、JVCモーター(2008年2月22日に日本ビクターが事業部を会社分割、売却)などがある。他にも、NECや富士電機、アルプス電気、クボタなども製造していたが、1990年代中ごろには撤退している。

出典:wikipedia

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