張 裕（ちょう ゆう、? - 219年（建安24年）／220年（建安25年）?）は、中国後漢末期から三国時代の学者・政治家。字は南和。益州蜀郡の人。『三国志』「蜀志」に記述がある。彼は、天空の自然現象を利用し予言をする術に長けており、才能では楊厚から図識の術を学んでいた周羣よりも上回っていた。無名の若年だった鄧芝の人相を見て「彼は70歳を過ぎて大将軍となり侯に封ぜられる」と予言したという。歳月は流れ、予言通りに鄧芝は70歳を越える高齢で車騎将軍・江州都督にまで昇進した。劉璋に仕えていたとき、劉璋の従事として劉備と同席した。劉備は劉璋と面談をするため訪れていたが、張裕の髭が豊かであったのを見て、理由をつけてからかった。それに対し、張裕は髭のない劉備にあてつける形で「潞涿君」（ひげの薄い人物の意）という反論をした。これにより劉備は、張裕に対し恨みを覚えることになった。劉備が益州を占領すると、その家臣になった。漢中を占領しようとする劉備に対し、敗北を予言した。しかし劉備は曹操軍を撤退に追いこんで漢中を手に入れたため、張裕の予言が外れたのだと理解した。建安末年ごろに、張裕は漢朝の滅亡と劉備の死を予言した。劉備は即位すると以前からの恨みもあったため、張裕の発言を執拗に問い質した。また、漢中についての予言が当たらなかったことを理由に、張裕を処刑しようとした。諸葛亮が張裕のために嘆願したが、劉備は才能があっても反抗的な人物であるのならば、始末しなければならないという趣旨の返答をしたという。結局、張裕は劉備の即位に猛反対した雍茂とともに処刑された。

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