欧州大学院(おうしゅうだいがくいん、、)は、欧州共同体加盟国がヨーロッパ社会の展望について、文化的、科学的な発展に寄与するために設立した、大学院生および博士研究員による国際研究機関。フィレンツェに設置されている。EUIは法令により政府間機関とされている。ヨーロッパ規模での教育・研究機関を設立する構想が浮上したのは1955年のメッシーナ会議が開かれたさいであり、具体化したのは1972年で、当時のEC加盟国が設立議定書に調印し、EUIをフィレンツェに置くことに合意した。EUIには以下の4つの研究科が設置されている。また総合研究機関であるロベール・シューマン高等研究センター (Robert Schuman Centre for Advanced Studies) では、時々のヨーロッパ社会における重要な政治課題について研究しており、また研究の国際的、あるいは比較の観点からそれらの課題を専門とする研究者を集めている。またマックス・ヴェーバー・プログラムはヨーロッパ最大の社会科学のポストドクター課程であり、欧州委員会が資金を拠出している。附属図書館には紙媒体、もしくはマイクロフォームでの本や論文、雑誌といった従来型の資料が豊富に所蔵されているほか、デジタル媒体の資料も集められている。図書館には法学、経済学、歴史・文明学、政治・社会科学にかんするおよそ3,000の発行中の雑誌、7万以上の研究報告書、約50万冊の書籍が収められている。EUIのキャンパスはフィレンツェを望む丘陵地帯に置かれている。キャンパス内には歴史学的、建築学的に価値のある建物が多く点在し、そのなかにはフィエゾラーナ大修道院やヴィラ・スキファノイアがある。ヴィラ・イル・ポッジョーロにはEUIに附属するかたちで欧州連合 (EU) の歴史文書館が入っている。同館にはヨーロッパ関連機関の原文所が保管され、また閲覧することができる。なお歴史文書館は将来、同じくトスカーナ州のヴィラ・サルヴィアティに常設されることになっている。おもな機関として、学術評議会、研究評議会、財務委員会と加盟国の代表者からなる最高理事会がある。学長は2002年からイヴ・メニが務めており、またこれを補佐する事務局長には2007年からマルコ・デル・パンタ・リドルフィが就いている。EUIの博士課程では経済学、歴史・文明学、法学、政治・社会科学を対象としている。毎年140人ほどの学生が博士号取得のために4年間の課程に登録しており、論文を完成させて国際学術審査会の審査を合格した学生に対しては研究学位が与えられる。1984年以降、EUIでは比較ヨーロッパ・国際法学修士 (Master in Comparative, European and International Law) の学位( LL.M. に相当する)を取得することができる課程を設置している。EUIでは社会科学分野でポストドクターを対象とするいくつかのフェローシップを設定している。以下の出版物がEUIから発行されている。EUIの文書保存館である Cadmus では書誌参照がまとめられ、またEUIのアカデミック・コミュニティ会員による刊行物(研究報告書、著書、寄稿書籍、電子図書、記事、論文)の全文の一覧が整理されている。EUIで博士号を取得した研究者は、その多くが外部の大学やヨーロッパ関連の機関、そのほかの国際機関に勤務している。卒業生の中には政府内での役職に就いているものもいる。卒業生のおよそ3分の1が出身国外で就職している。卒業生による団体 EUI Alumni Association が組織されているが、EUIに最低1学年度在籍していたことがあるすべての研究生には総会に参加し、機関決定のさいの投票権が与えられているにもかかわらず、178人しか入会していない。会員は執行委員会や団体内の機能に関するそのほかの委員会に立候補する権利を有している。
出典:wikipedia
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