エトノ・エンジュイト（アルバニア語:）はコソヴォの首都プリシュティナ出身のヒップ・ホップ・グループ。結成は1995年。とは「民族の天使」を意味する。エトノ・エンジュイトは1995年に、グロプ・モンテとMC' Mによって結成された。楽曲の主題は主にコソヴォ、そしてその首都であるプリシュティナでの生活についてであった。彼らの主題はコソヴォの地位と平行して変遷していっている。コソヴォ紛争前では、セルビア警察によるアルバニア系住民への迫害など、主にセルビア支配下のコソヴォでのアルバニア人の不幸について描いていた。このころは、コソヴォにはあまりラップ音楽は根付いていなかった。コソヴォ紛争終結後は、新しいコソヴォの若者たちを主に描くようになった。彼らはありがちなパーティや女性、セックスなどをテーマとした曲も作るようになった。彼らはこの変化を、コソヴォ紛争前後でコソヴォの生活が大きく変わった有り様を表現する手段としている。2003年のアルバム『Etno Engjujt』の収録曲の「United States of Albania」は、周辺諸国に広がるアルバニア人地域の統一を目指す大アルバニア主義のスローガン「United States of Albania」を強く叫び、アルバニア人としての民族的誇りを表現した攻撃的な楽曲である。2005年のアルバム『Vitamin E』には20曲が収録され、それぞれの曲で多様なテーマを取り上げている。収録曲「Albanian」はアルバニア語圏全域で大ヒットとなり、この年のコソヴォで最も成功した楽曲となった。この曲はアルバニア人としての愛国心を強く打ち出したものである。プロモーション・ビデオではマザー・テレサなど多くのアルバニア人の姿を映したり、コソボ解放軍の映像や大アルバニアの図も使用された。この曲は若いヒップホップ・ファンのみではなく、ヒップホップ・ファンではない、より年齢の高い層にも支持された。彼らはアルバニア、コソボをはじめとするアルバニア語圏では高い人気を誇り、アデリーナ・イスマイリなど多くのアルバニア人と共演もしている。2人のメンバーは共に、彼ら自身の所有するレーベルPRC Recordsに所属している。PRCとは「Prishtina City」を意味する。

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